写真:土庄 雄平
地図を見る三重県と滋賀県を隔てる鈴鹿山脈は、標高1100m前後の山々が幾つも連なる長大な山脈。ロープウェイが開通しており、四季折々の自然景観を手軽に楽しめる御在所岳(標高1212m)が有名ですが、実は他にも素晴らしいピークを数々有しており、"鈴鹿セブンマウンテンズ"と呼ばれて親しまれています。
写真:土庄 雄平
地図を見るこれらに登るには本格的な登山装備が必要ですが、どのピークも登りやすく日帰りが十分可能で、展望も抜群!そのため鈴鹿セブンマウンテンズは、ハイカーの間で根強い人気を誇っており、東海圏の登山のメッカと呼ぶべき場所と言えるでしょう。
写真:土庄 雄平
地図を見る夏の新緑、秋の紅葉など四季変化の美しさが魅力の山の世界ですが、この鈴鹿でとりわけオススメしたいのは冬の樹氷!12月中旬から3月中旬にわたって、夜間に霧が発生した翌日には、山上に点在する木々が真っ白に染まり、青空とのコントラストが爽快!また、太陽光に照らし出されて輝く姿は、まさに宝石のような美しさです。
写真:土庄 雄平
地図を見るそんな鈴鹿セブンマウンテンズの中で、一・二の人気を争う名山が、やや北部に位置する「竜ヶ岳」。三重県いなべ市と滋賀県東近江の県境に位置する標高1099mの峰です。山頂付近は笹原の縦走路になっており、伊勢湾と琵琶湖を遠望するパノラマが多くのハイカーを魅了しています。
写真:土庄 雄平
地図を見る山頂へのアプローチは、国道421号石榑(いしぐれ)トンネルの旧道・石榑峠もしくは、いなべ市側の宇賀渓から登る2ルートが整備されています。距離・標高差を考慮すると、前者の石榑峠ルートは往復3〜4時間ほどで最も手軽と言えるでしょう。また、竜ヶ岳の迫力ある山容を望める点もポイントです。
写真:土庄 雄平
地図を見る四季折々いつ登っても爽快な山歩きが楽しめる「竜ヶ岳」ですが、その旬と言われれば、間違いなく冬!なぜなら、稜線に点在する木々が樹氷となり、雪山ならではの筆舌に尽くしがたい美しさを見せてくれるから。12月中旬以降、急激に冷えた翌日に、登山を行えば、まるで化粧をしたかのように純白に輝く木々を見ることができるのです。
写真:土庄 雄平
地図を見るそして中でも、竜ヶ岳の樹氷が格別と言われる理由は、その樹氷とパノラマのコラボレーションにあります。なんと、展望の開けた場所から稜線部を眺めると、まるで白羊が隊列をなしているかのような光景が!森林限界の稜線も相まって、まるで高原の中を駆け抜けているように見えますね。これぞ冬の「竜ヶ岳」が見せる奇跡の絶景です!
写真:土庄 雄平
地図を見るまた、三重側の街を俯瞰するパノラマや、鈴鹿主峰「御池岳」や琵琶湖をバックにした風景など、樹氷がコラボする景色も変化に富んでいるので見応え抜群!さながら冬に咲く満開の桜のようですね。その美しくも儚い姿を慈しみながら、冬の竜ヶ岳ならではの絶景を堪能しましょう。なお、鈴鹿の樹氷は午前中いっぱいで溶けてしまうことが多いため、プランニングには注意が必要です。
写真:土庄 雄平
地図を見る冬山は"危ない"というイメージが先行する上、トレッキングシューズや簡易なアイゼン(靴底に装着する爪状の登山道具)、そして防水性のウェアなど十分な装備が必要であり、ハードルが高いと感じてしまうかもしれません。
しかし、今回紹介した「竜ヶ岳」が属する鈴鹿山脈は、年中を通して登山者が多く、冬季の積雪量も比較的少ない上、登山道に危険箇所もないため、気を付ければ、安全に雪山登山を楽しむことができます。そして何と言っても、まるで白羊の隊列のような「竜ヶ岳」の樹氷は、登山装備を揃えてでも見る価値が大いにある絶景でしょう。
この冬、白銀の絶景を求めて、雪山の世界へ足を踏み入れてみませんか?きっと日本の四季の新たな魅力に気づくはず。
住所:三重県いなべ市大安町石榑南
アクセス:石榑峠から片道1時間半〜2時間、宇賀渓から片道3時間
※備考
・アイゼンは必須装備です。また冬山の稜線は風が一段と寒いため、防寒着には余裕を持っておくと良いでしょう。
・スニーカーでは冬山は登れません。防水性能をもったトレッキングシューズを持参しましょう。
・12月中旬以降、急激に冷えた翌日に、登山を行うと樹氷が見れる確率が上がります。
2019年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
土庄 雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤務しながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。山岳雑…
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