写真:土庄 雄平
地図を見る屋久島を訪れた時に、外せないアクティビティこそ「縄文杉」へのトレッキングでしょう!縄文杉とは、屋久島の中央部に自生する最大級の杉で、この島の太古の自然の象徴的な存在です。
ジブリの名作・もののけ姫のモチーフになったと言われる「白谷雲水峡」とトロッコ道をひたすらに進む「荒川登山口」の二つがルートとして挙げられますが、標高差が少ない後者が定番ルートとして定着しています。なお、荒川登山口へ行くバスの時間は相当早いため、時間を事前によくチェックして体調も整えるように注意してくださいね。
荒川登山口から縄文杉までのルートのほとんどがトロッコ道のため、景色変化は少ないですが、苔が生い茂り、巨木に囲まれた荘厳な森の雰囲気や、エメラルドグリーン色の神秘的な小杉谷は情緒抜群!日常から離れた圧倒的な大自然の世界を楽しむことができますよ。
写真:土庄 雄平
地図を見るまたトロッコ道を越えて縄文杉へ至るまでの間に、見応えある巨木を数々見ることができるのも荒川ルートの醍醐味です。特に、現存していれば最大級の屋久杉と言われるウィルソン株は、中に入るとハート型の窓を望むことができ、撮影ポイントとして人気を博しています。
写真:土庄 雄平
地図を見る多くの人は日帰りのため、縄文杉で折り返すのが一般的ですが、実はそれでは勿体無い!なぜなら、その縄文杉の奥こそ、屋久島の核心部と言える世界が広がるからです。
ただし縄文杉以降は、本格的な山の世界。そのためトレッキングシューズや防寒具・雨具など登山装備が不可欠であり、加えて山小屋で1泊することが必須になるため、シュラフなどの寝具も持っていかなければなりません。ハードルが高いですが、屋久島ではネイチャーガイドが充実しているので、個人で準備ができない人は積極的に利用しましょう。
写真:土庄 雄平
地図を見るしかし、そのハードルを乗り越えてでも見たい景色と世界がその先にあります。縄文杉を越えた先にある「宮之浦岳」は日本最南端の百名山にして、九州最高峰。その頂に辿り着けば、眼下には圧倒的な島のパノラマと、その屋根を形成する峰々の山岳美が展開します。そのスケールは言葉では伝えきれないほど!
写真:土庄 雄平
地図を見るそんな宮之浦岳において、登山愛好家たちの間で格別に素晴らしいと名高いのは冬季です。なぜなら、縄文杉以降、山頂に至るまでの風景がドラマチックな感動の連続だから。
徐々に白銀世界へ変わる登山道や、稜線に展開する美しい樹氷原、雲海が覆い尽くす天空のパノラマなど、筆舌に尽くしがたい世界が待っているのです。
写真:土庄 雄平
地図を見るそれでは冬の縄文杉から宮之浦岳までの道のりを少し解説していきましょう。
まず、縄文杉からしばらくはそれまでと変わらない樹林帯を進んでいきます。途中、二つの避難小屋があり、このどちらかに宿泊することになります。寝袋等のかさばる装備は、避難小屋に置いて登るのがオススメ!
そして二つ目の新高塚小屋を越えたら、徐々に展望が開けてきます。雪を被った木々の中を進む道も趣がありますが、上から俯瞰する日本最南端の樹氷の森は圧巻です。
写真:土庄 雄平
地図を見る程なく第一展望台が現れ、樹林帯とは一線を画す森林限界の世界が顔を覗かせます。これが屋久島核心部の入り口です。続いて第二展望台を経由して、平石岩屋という巨石まで辿り着けば、そこには宮之浦岳の雄大な山容が!天を衝くような圧倒的なその姿を前に、思わず立ち尽くしてしまうことでしょう。
なお新高塚小屋から第二展望台までの区間が、少し登山道が細くなる箇所があるため注意が必要です。しかし、平石岩屋以降は危ない箇所等もありません。なお、この平石岩屋は山頂までラスト1時間の目印にもなっています。
写真:土庄 雄平
地図を見る雪が積もった笹原の道は体力が奪われますが、ペース配分をコントロールしながら地道に登っていきましょう。すると横目には、屋久島第二の頂の「永田岳」の山容が広がり、洋上のアルプスたる屋久島の峰々の全貌が現れます。
運が良ければ、山頂直下には樹氷の花が咲いており、その先の頂に立てば、眼下にはどこまでも続く雲海が!まさに"神々が宿る"と讃えられる「宮之浦岳」が見せる感動的なフィナーレです。九州最高峰から広がる大スケールのパノラマを思う存分味わいましょう。
また荒川登山口から宮之浦岳山頂までは標準タイムで片道9時間ほど。1日目で登頂が難しい場合は、2日目の早朝から宿泊している避難小屋を出発して挑戦すると良いでしょう。また日本屈指の豪雨地帯の屋久島では、天候が登山の難易度に直結します。ネイチャーガイドでなく個人で行かれる方は、その時の状況に応じてしっかり登山計画を見直しながら挑むようにしてくださいね!
写真:土庄 雄平
地図を見る一般的に縄文杉までのトレッキングが屋久島観光の主流ですが、実はその区間は屋久島の大自然のほんの一部。その縄文杉を越えた島の頂「宮之浦岳」にこそ屋久島が魅せる隔絶した世界が広がっています。
特に、一般的にはオフシーズンである冬になれば、日本最南端の樹氷の山へと変わり、山岳美や樹氷原のコントラスト、そして圧倒的なパノラマを誇る山頂など、感動的な景色の連続!ぜひ一度、"神々の宿る"宮之浦岳の世界へ足を踏み入れてみませんか?
※冬季でもネイチャーガイドに頼んで、雪の宮之浦岳へ登山が可能です。個人計画の場合は、準備計画を万全に挑んでくださいね。
住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町中間
アクセス:荒川登山口から片道9時間。途中の高塚小屋・新高塚小屋で宿泊必須。
※ネイチャーガイドは関連MEMOご参照
※備考
・アイゼンは必須装備です。また冬山の稜線は風が一段と寒いため、防寒着には余裕を持っておくと良いでしょう。
・スニーカーでは冬山は登れません。防水性能をもったトレッキングシューズを持参しましょう。
・12月初旬以降、急激に冷えた翌日に、登山を行うと樹氷が見れる確率が上がります。
2019年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
土庄 雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤務しながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。山岳雑…
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