写真:島塚 渓
地図を見る福山市の沼隈半島(ぬまくまはんとう)の南端、険しい海食崖によって形作られた阿伏兎岬(あぶとみさき)にある磐台寺。その始まりは、平安時代に花山天皇(かざんてんのう)が、船の航海の安全を祈って、十一面観音像を祀ったのがきっかけだとされています。
写真:島塚 渓
地図を見るその後、中国地方の覇者となった毛利元就の孫、輝元(てるもと)によって、堂宇が整備されます。さらに、江戸時代には、福山藩主の水野氏により、石垣や鐘楼、回廊などが増築され、現在のような姿になったんです。
写真:島塚 渓
地図を見る磐台寺の見どころは、なんといっても、断崖絶壁の上に立っている観音堂。朱塗りの優美な堂宇と雄大な自然とのコントラストが美しく、1956年には国の重要文化財に指定されています。
この一帯は、侵食が進みやすい花崗岩質が多いため、複雑な地形になり、波で削られた岩肌が、独特の景観を作り出しているんです。
写真:島塚 渓
地図を見る観音堂へと続く回廊には、十返舎一九や安藤広重の版画にも描かれている鐘楼が吊り下げられています。棟札には「再興寛文七(1667年)」という文字が刻まれており、柱や瓦など当時のままの姿で残されている箇所も数多くあります。
写真:島塚 渓
地図を見る回廊の階段を上りきると、観音堂に到着。堂宇の周りは、歩いて鑑賞できるようになっており、美しい島々が点在する瀬戸内海の絶景を楽しむことができます。
インスタ映えを狙う方は、赤い観音堂の建物と青い海の両方が入る角度で写真をとるのがおすすめです!
写真:島塚 渓
地図を見る海にせり出した岩の上に建てられた観音堂から下をのぞくと、波が打ちつける様子が見え、かなりの迫力を感じることができます。
その反面、床板が海の方向に若干傾いており、周囲には欄干が設置されているだけなので、見学には多少の注意が必要。スリルのある参拝体験ができるのも、ここの大きな魅力なのではないでしょうか。
写真:島塚 渓
地図を見る観音堂は、日本古来より伝わる和様建築をもとに、大陸から伝わった唐様(中国の様式)を組み合わせて建てられています。こうした様式を「折衷様」といい、瀬戸内海地域の寺院を中心に、広く用いられているんです。
また、天井は、規則正しく四角に区切られた格天井(ごうてんじょう)と呼ばれるもの。この格天井は寺院やお城の天井に使われる、重厚で格式高い様式で、観音堂のように豪華な彩色が内側に施されているものも数多く存在します。
写真:島塚 渓
地図を見る堂内には、奉納された「おっぱい絵馬」が壁一面に飾られています。
阿伏兎観音は、安産や子育てのご利益、さらには母乳がたくさん出るご利益まであると言われています。見た目にもインパクトのある絵馬なので、子育てをしている人などは、ぜひ奉納してみてください。
住所:広島県福山市沼隈町能登原阿伏兎1427-1
営業時間:7:00〜17:00
料金:大人100円 、子供50円
2019年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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島塚 渓
絶景スポット、神社仏閣やご当地グルメなど五感を刺激してくれる体験を求めて、日々情報収集に余念がありません。頭のなかをいっぱいにした後は思いっきって一歩踏み出してみましょう!感動的な出会いはいつも僕たち…
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(2025/2/17更新)
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