写真:モノホシ ダン
地図を見る“石材の島”北木島の採石場および採石跡地の見学には、JR山陽線「笠岡駅」から徒歩で約15分のところにある伏越港(ふしごえこう)から、フェリーを利用するのが便利です。フェリーは島の北側の中心集落である豊浦および金風呂(かなふろ)の港に発着し、乗船時間は約50分です。
なお、北木島へのフェリーは2社あります。フェリーのダイヤにつきましては関連MEMOをご覧ください。写真は、豊浦港に停泊する笠岡フェリーの新造船“第弐拾八大福丸”です。
写真:モノホシ ダン
地図を見るフェリーで豊浦港に着いたら、徒歩1分のところにある北木島の観光拠点、K’S LABO(ケーズラボ)でレンタサイクルを借りましょう。その際に貰える“北木島サイクリングマップ”はとても便利です。
自転車は、電動アシスト自転車や、マウンテンバイク、スポーツクロスバイクなどあり、いずれも台数が限られていますのでホームページか電話で予約することをおすすめします。ほかに北木石の文化を知る「石の資料館」や、カフェ(食事は予約制)にショップなどもあり、ゆっくりと流れる“島時間”を過ごすのにも最適です。
<K’S LABOの基本情報>
住所:岡山県笠岡市北木島町10364-25
電話番号:0865-69-8815
営業時間:10:00〜16:00
営業日:火・木・土・日・祝日
アクセス:豊浦港から徒歩約1分、金風呂港から徒歩約20分
写真:モノホシ ダン
地図を見る自転車を借りたら、豊浦港のすぐ前の小さな広場にあるドーナツ形の彫刻に行ってみましょう。北木島でもっとも有名なモニュメントのひとつで、北木島特産の花崗岩を使い、大きさは直径225cm、奥行き63cm。
北木石の石材としての魅力を幅広くアピールしようと開催された石彫シンポジウム(公開制作会)の第一回作品の一つ。兵庫県出身の彫刻家、牛尾啓三氏の作品で「空間のメビウス円環180°ひねり」と名付けられ、一般にはメビウスの輪と呼ばれています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る金風呂フェリー乗り場の近くにある「石切りの渓谷」は良質な花崗岩を産出している日本屈指の景観を誇る採石場です。以前は、事前予約制でしたが、日本遺産に登録されたことにより、2019年8月より毎日12時から13時の時間帯のみ展望台の見学(有料)ができるようになりました。
高さ約60mの展望台は免震構造となっていて、小さな揺れを感じるので、高いところが苦手な方は足がすくんでしまうかも知れません。
写真:モノホシ ダン
地図を見る石切りの展望台からは断崖絶壁のダイナミックな景観を楽しむことができます。この丁場(採石場)では現在も採石が続いており、ジェットバーナーで焼き切った石をワイヤーで吊り上げています。
創業は1892年で、明治時代より続く唯一の採石場です。もっとも盛んだった1957年(昭和32年)には、127ケ所の丁場が稼働していました。島で採石される「北木石」は、大坂城の石垣や、靖国神社の大鳥居、東京駅丸の内駅舎、大阪市中央公会堂、日本銀行本店などに使われ、文字通り山を削って日本を築いた島といえるでしょう。
下を覗き込むと深緑色をした水深約40mの丁場湖が見えます。これは海水ではなく、自然の雨水が溜まったものです。
写真:モノホシ ダン
地図を見る展望台からは、海が見えます。丁場は、高品質の石を求めて、海面下約70mの深さまで掘られており、最大高低差は約200mもあります。
北木石は、白を主とし、中目と瀬戸白、瀬戸赤、サビ石の4種類があります。ここの丁場から採石されるのは中目で、特徴は極めて光沢があり、ねばりもあるので加工が容易で、角が欠けたり折れにくいため、鳥居材や墓石財に適しています。また地下深くから取り出された石は、地圧で目が締っているため錆びにくいという特徴もあります。
北木島にやってきたら、ぜひ石切りの渓谷展望台を訪れて、明治時代から続く、貴重な丁場のダイナミックな景観を楽しんでください。
<石切りの渓谷展望台の基本情報>
住所:岡山県笠岡市北木島町金風呂
電話番号:0120-68-2120(鶴田石材株式会社)
見学料:大人1000円、小人500円
見学時間:12:00〜13:00(年末年始を除く)
アクセス:金風呂港より徒歩約10分
写真:モノホシ ダン
地図を見る石切りの渓谷展望台で絶景を堪能したら、豊浦方面へ戻りましょう。その途中にある千ノ浜の護岸景観は「北木のベニス」と呼ばれています。丁場から切り出した石を積み出した小さな港です。護岸は大小の端材を巧みに組み上げたもので、北木石の原産地ならではの景観といえます。
時間帯によって水位の変わる船着場では、岩壁の反射や光の加減によって鮮やかな青緑のグラデーションが水面に描かれます。
写真:モノホシ ダン
地図を見る北木のベニスの背後には「北木の桂林」と呼ばれる景勝地があります。かつての丁場(採石場)の跡地で、中国の桂林を思わせることから名付けられました。採石に使われていたであろう大型機械の跡もあり、まるで時間が止まったような不思議な空間を体験できます。
写真:モノホシ ダン
地図を見るさらに静まり返った丁場湖の水面には、岩肌や木々の緑が映り、絶景のフォトスポットでもあります。
写真:モノホシ ダン
地図を見る北木島では、笠岡諸島では唯一、県道(県道295号線)が通っています。海岸線沿いを走る道は爽快そのもの。おおむね平坦で、道幅も広いですが、見通しの悪いところもありますので、運転には注意しましょう。
写真:モノホシ ダン
地図を見る笠岡市の住吉港(JR笠岡駅から徒歩約5分)からの旅客船が発着する楠港には、昔ながらの石造りの常夜灯があって、“プチ鞆の浦”のような雰囲気が楽しめます。
<楠港の基本情報>
住所:岡山県笠岡市北木島楠港
アクセス:豊浦港から自転車で約15分
写真:モノホシ ダン
地図を見る楠地区の東端の布越鼻にあるのが「猫岩・重ね岩」。猫岩(写真右)は、源平水島合戦で、平家の大将が船に乗せていた三毛猫が、船が沈んだときにこの岩まで泳いで力尽きたという悲しい伝説が残っています。
猫岩は猫の形をしている岩というわけではなく、まるでレリーフの様に、猫が浮き上がって見える岩で、顔が海のほうを向いているため定期船が楠港へ入るときに見ることができます。重ね岩は、大坂城築城の時に積み残したといわれる岩です。
写真:モノホシ ダン
地図を見る楠港と同じく、笠岡市の住吉港からの旅客船が発着する大浦港の待合室には、大悟さんの手書きイラストが貼られています。
<大浦港の基本情報>
住所:岡山県笠岡市北木島大浦港
アクセス:豊浦港から自転車で約20分
写真:モノホシ ダン
地図を見る「千鳥」大悟さんの生家は、県道295号線の終点の丸岩地区にあります。タイミングがあえば、気さくな大悟さんのご両親に会えるかも知れません。生家は、丸岩集落の中ほどにありますが、とくに案内板も立っていないので、分からなければ地元の方に聞きましょう。
なお、大浦港から丸岩地区へは2ケ所のキツイ坂があるので、自転車は押して歩くようにしましょう。
写真:モノホシ ダン
地図を見る丸岩地区で大悟さんの生家を見学したら、もと来た道を豊浦港へと戻りましょう。大浦峠や金風呂峠など、山中をショートカットする道もありますが、イノシシが出たりするのでおすすめできません。豊浦へは約40分です。豊浦港から笠岡市の伏越港への帰りのフェリーは16時台と17時台がそれぞれ1本づつあります(2019年10月現在)。
帰りのフェリーからは、航跡の彼方に遠ざかる北木島を眺めましょう。きっと楽しい思い出いっぱいの充実感と達成感に浸れること請け合いですよ。
いかがでしたか。笠岡諸島の「北木島」は、見たこともない絶景にいくつも出会える“魅惑のワンダーアイランド”です。本文ではご紹介できませんでしたが、北木の桂林のような「丁場湖」がほかにもいくつかあり、丁場湖めぐりもおすすめです。
また大浦港がある大浦集落では、レトロな街並み散策も楽しめます。大浦集落から徒歩で30分ほど登った「秋葉山」は、島随一のビュースポット。ここから俯瞰する大浦港の景色は絶景です。あわせて訪れてみてはいかがでしょうか。
2019年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/1/14更新)
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