名君英祖王の生まれ故郷!沖縄県浦添市にたたずむ「伊祖城」

名君英祖王の生まれ故郷!沖縄県浦添市にたたずむ「伊祖城」

更新日:2019/11/05 11:38

木村 岳人のプロフィール写真 木村 岳人 フリーライター
沖縄県那覇市の北隣に位置する浦添(うらそえ)市。その中心部にそびえる浦添城から続く尾根沿いの西北端に「伊祖城」が存在します。

伊祖城は沖縄本島中部の中山地方を発展させた功績で名高い「英祖王(えいそおう)」の父である「恵祖世主(えそよのぬし)」とその祖先が住んでいたグスク(城)であり、英祖王もまたこの城で生まれました。いわば名君の生まれ故郷です。
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まずは城山を取り囲む石垣を眺めよう

まずは城山を取り囲む石垣を眺めよう

写真:木村 岳人

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伊祖城が存在する丘陵の一帯は、現在は伊祖公園として整備されています。駐車場から階段を上がって道なりに進んでいくと、程なくしてゴツゴツとした琉球石灰岩の上に築かれた石段と石垣が見えてきます。そこがかつての城門、伊祖城の入口です。

まずは城山を取り囲む石垣を眺めよう

写真:木村 岳人

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石段を上る前に、通路状に築かれている石垣に注目してください。伊祖城では丘を取り囲むように石垣が巡らされており、実に立派な城構えを見せています。

石積みの手法は場所によって異なっており、伊祖城の北側は石材を加工して積み上げた「切石積み」、切り立った断崖になっている南側は石材を加工せずに積み上げた「野面積み」と、二通りの石積み手法を目にすることが可能です。

本丸には城内の拝所を合祀した「伊祖神社」が鎮座!

本丸には城内の拝所を合祀した「伊祖神社」が鎮座!

写真:木村 岳人

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入口から右手に続く石段を登っていくと鳥居が現れ、その先に「伊祖神社」が鎮座しています。これは昭和10年(1935年)に城内の拝所を合祀して建てられた神殿で、「英祖の宮」とも呼ばれています。

本丸には城内の拝所を合祀した「伊祖神社」が鎮座!

写真:木村 岳人

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なお、伊祖神社が建っている場所は、かつて伊祖城の中枢であった本丸跡。神殿の背後には井戸の跡も残されており、かつて湧いていた水はこの地で生まれた英祖王の産湯として使われたことでしょう。

英祖王の父である恵祖世主は按司(あじ、地域を治める豪族)として善政を執り行っていましたが、なかなか子宝に恵まれませんでした。晩年のある日、日輪が飛んできて妻の懐に入る夢を見たところ、英祖王が生まれたと伝わります。その逸話により英祖王は「ゑぞのてだ(英祖の太陽)」と讃えられ、英祖王統の始祖となりました。

宜野湾を一望できる「旗立て」まで上ろう

宜野湾を一望できる「旗立て」まで上ろう

写真:木村 岳人

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一見すると伊祖神社で行き止まりのようですが、その背後からはさらに奥へと進む通路が伸びており、「旗立て」と呼ばれる物見台に続いています。その石垣や石段もまた良好な状態で残っており、自然と調和したたたずまいはまさに遺跡という風格を醸しています。

宜野湾を一望できる「旗立て」まで上ろう

写真:木村 岳人

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「旗立て」からは宜野湾が一望のもと。木々が茂っている今よりもグスク時代には眺望が開けており、中山地域の西海岸を見通すことができました。また眼下には琉球最古の貿易港である「牧港」が位置しているなど、伊祖城がいかに重要な場所にあったのかが分かります。

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歌謡集『おもろそうし』にも謡われた伊祖城

歌謡集『おもろそうし』にも謡われた伊祖城

写真:木村 岳人

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また伊祖城には琉球の創世神であるアマミクの伝説が語られています。琉球の理想郷「ニライカナイ」に繋がる久高島(くだかじま)に降臨したアマミクは、沖縄の各所に御嶽(うたき、拝所)を創造したといい、伊祖城もまたそのひとつに数えられています。

琉球最古の歌謡集である『おもろさうし』にも「いしぐすく(石城)・かなぐすく(金城)」と伊祖城の堅固さが謡われており、アマミクが築いた特別なグスクとして古くから人々に認識されていました。

そのような伝承が残る伊祖城は、同じくアマミクが築いたとされる首里の「弁之御嶽」や今帰仁のクバの御嶽、久高島のフボー御嶽などと共に「アマミクヌムイ(アマミクの杜)」の一部として国の名勝に指定されています。

恵祖世主が眠る「伊祖の高御墓」にも参拝しよう

恵祖世主が眠る「伊祖の高御墓」にも参拝しよう

写真:木村 岳人

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伊祖城がある伊祖公園から車道を挟んだ南側、国道330号線の伊祖トンネルの真上には恵祖世主の陵墓である「高御墓(たかうふぁか)」が存在します。

恵祖世主が眠る「伊祖の高御墓」にも参拝しよう

写真:木村 岳人

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岩山の中腹にある天然の洞窟に遺骨を安置し、その前面を石灰岩の石積みで塞いだ「崖葬墓(がいそうぼ)」と呼ばれる古い形式の陵墓です。このような崖葬墓を原型として人工的に横穴を掘り込んだ「掘込墓」や、外観を家形に装飾した「破風墓」など、琉球の陵墓形態が発展していきました。この「伊祖の高御墓」は崖葬墓の典型例であり、琉球における葬墓制の変遷を知る上で貴重な陵墓と位置付けられています。

国道330号線の建設工事の際には一時失われる危機にさらされましたが、県民の保存運動や関係者の努力によって保存されるに至りました。人々の手によって守られた、まさに歴史的な陵墓と言えるでしょう。

伊祖城の基本情報

住所:沖縄県浦添市伊祖3丁目
アクセス:「那覇バスターミナル」より琉球バス「99系統天久新都心線」で約50分、「浦添総合病院西口」バス停下車、徒歩約10分

2019年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。

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