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国内最大級の環状列石!青森市「小牧野遺跡」に広がる祈りの空間

国内最大級の環状列石!青森市「小牧野遺跡」に広がる祈りの空間

更新日:2019/11/07 12:23

木村 岳人のプロフィール写真 木村 岳人 フリーライター
青森県青森市の南部、八甲田山麓から細長く伸びた舌状台地の先端に縄文時代後期前半(およそ4000年前)の遺跡である「小牧野遺跡」が存在します。

青森平野を一望できる眺めの良い緩やかな斜面に国内最大規模の環状列石がほぼ完全な状態で残っており、縄文時代における葬送と祭祀にまつわる精神世界、土木工事の技術をうかがい知ることができる、とても貴重な縄文遺跡です。

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約2900個もの川石を使って築かれた三重の環状列石

約2900個もの川石を使って築かれた三重の環状列石

写真:木村 岳人

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小牧野遺跡はかねてから遺跡の存在が知られており、平成元年(1989年)に行われた本格的な発掘調査によって環状列石(ストーンサークル)が発見されました。環状列石は死者の葬送や祭祀儀礼の場であり、東海や関東地方では縄文時代中期末に、北東北や北海道南部では縄文時代後期前半に多く築かれています。

約2900個もの川石を使って築かれた三重の環状列石

写真:木村 岳人

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小牧野遺跡の環状列石は直径3メートルの「中央帯」、直径29メートルの「内帯」、直径35メートルの「外帯」と三重に巡らされており、その周囲の部分的な列石を含めると直径はなんと55メートル。これは直径48メートルの大森勝山遺跡(青森県弘前市)や、直径52メートルの万座環状列石(秋田県鹿角市)をも上回る、現在発見されている環状列石の直径としては国内最大級の規模です。

使われている石の数は約2900個。小牧野遺跡の東側を流れる荒川上流域の川石を使用したと推定されています。ひとつあたりの平均重量は平均10.8キログラム。採石地は1キロメートルも離れており、それをすべて人の力で運んだのですから、とてつもない労力と月日をかけて築かれたことでしょう。

土木工事で造成された円形平面と土留めの「小牧野式配石」

土木工事で造成された円形平面と土留めの「小牧野式配石」

写真:木村 岳人

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西から東へ緩く傾斜している小牧野遺跡では、土地を平坦にするための大規模な土木工事が実施されています。高い方の土を削り取り、それを低い方に盛って、円形の平地を造成しているのです。

また内帯と外帯の列石は、土を削り取った部分や盛土をした部分の斜面に並べています。これはすなわち土留めのための配石であり、当時の土木技術に驚かされます。

土木工事で造成された円形平面と土留めの「小牧野式配石」

写真:木村 岳人

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土留めの列石は細長い石を縦に並べ、その間に扁平な石を横向きに3個から6個積み重ねており、まるで石垣のよう。このような配列は全国的にも珍しく「小牧野式配石」と呼ばれています。この配石によって環状列石に高低差が生まれており、立体的な構造となっているのも小牧野遺跡の特徴です。

祭祀の場であった中心広場と周囲に点在する特殊組石

祭祀の場であった中心広場と周囲に点在する特殊組石

写真:木村 岳人

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巧みな土木工事によって造成された円形の平地は固く踏み締められており、中央には高さ1.5メートルの立石を主とした中央帯の列石が築かれています。その周囲からは遺物がほとんど見つかっておらず、また数多くの人々が集うことができる広場になっていることから、祭祀の場であったと考えられています。

また中心広場を取り囲む内帯と外帯の間やその外側には「特殊組石」と呼ばれる小さくまとまった配石が多々見られ、遺骨を納めるための土器棺墓などが発掘されています。

祭祀の場であった中心広場と周囲に点在する特殊組石

写真:木村 岳人

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注目して頂きたいのは、中央東寄りの第9号特殊組石の側にある立石。よくよく見ると「馬頭観世音」と刻まれているのが分かります。江戸時代、この辺り一帯は馬の放牧場として利用されていました。「小牧野」という地名はそれに由来するものです。

この立石は馬の供養のため江戸時代末期の嘉永7年(1854年)に刻まれた馬頭観音碑で、環状列石の石材を用いて築かれています。遺跡の保護という概念がなかった時代、地表に露出した立石は石材としてちょうど良かったのでしょう。

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近郊の集落から人々が集った祈りの地

近郊の集落から人々が集った祈りの地

写真:木村 岳人

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環状列石の東側には100基を超える土杭墓が密集しており、小牧野遺跡の一帯が墓地であったことは間違いありません。また北側にある「捨て場」からは大量の土器や石器、土偶、さらには環状列石などの大型配石を持つ遺跡によく見られる三角形岩版が出土しており、葬送に関する祭祀が執り行われていたことが分かります。

近郊の集落から人々が集った祈りの地

写真:木村 岳人

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しかしながら竪穴式住居跡はわずか2基しか確認されず、小牧野遺跡に住んでいたのは墓地を管理する墓守だけで、集落は存在しなかったと考えられます。普段は狩猟や採集により便利な近郊の集落に住み、葬儀や儀礼の時にのみこの環状列石を訪れていたのでしょう。

このように、小牧野遺跡は縄文人の精神世界や社会の構造を考える上で貴重な存在であり、また大規模な土木工事や大量の石の運搬など、当時の土木技術の実態を知ることができる重要な遺跡であることから、平成7年(1995年)に国の史跡に指定されました。

「縄文の学び舎・小牧野館」にも立ち寄ろう!

「縄文の学び舎・小牧野館」にも立ち寄ろう!

写真:木村 岳人

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小牧野遺跡の約1.5キロメートル北には、廃校となった小学校をリノベーションした博物館「縄文の学び舎・小牧野館」が存在します。小牧野遺跡へ向かう林道の入口にあるのですが、元学校なだけあって校庭の奥にあり、見落としやすいので気を付けましょう。

「縄文の学び舎・小牧野館」にも立ち寄ろう!

写真:木村 岳人

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館内には小牧野遺跡から出土した品々や、周辺地域の縄文遺跡について分かりやすく展示されており必見です。小牧野遺跡についてより深く知ることができるでしょう。入館料はなんと無料。小牧野遺跡を見学した後に、ぜひとも立ち寄りたい施設です。

なお、小牧野遺跡は世界遺産の暫定リストに記載されている「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の構成資産に含まれており、既に世界遺産へ推薦されることが決定しています。順調にいけば2021年の世界遺産委員会で世界遺産になりますので、その前に一足早く訪れてみてはいかがでしょうか。

小牧野遺跡の基本情報

住所:青森県青森市大字野沢字小牧野
電話番号:017-757-8665(縄文学びの舎・小牧野館)
アクセス:青森駅から徒歩約5分、古川3番バス停から青森市営バス「大柳辺」行きで約20分、「野沢」バス停下車、徒歩約20分
開館時間:9:00〜17:00(縄文学びの舎・小牧野館)
休館日:12月30日〜1月1日(縄文学びの舎・小牧野館)
入館料:無料

2019年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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