モルドバの首都キシナウの見どころとは?世界最大のワイナリーも

モルドバの首都キシナウの見どころとは?世界最大のワイナリーも

更新日:2019/11/19 17:09

大竹 進のプロフィール写真 大竹 進 元旅行会社勤務、元旅行専門学校講師
ソ連崩壊により多くの国が独立しましたが、モルドバもその一つです。九州より一回り狭い国土に約355万人の人々が暮らし、その首都がキシナウです。
創建は15世紀に遡りますが、オスマン帝国やロシア帝国、ルーマニア王国などの支配を受け、第二次世界大戦では激戦地となり、その後現在のソ連式の町が再建されました。
今回はキシナウの見どころと、ギネスにも認定されている世界最大のワイナリーについてご紹介致します。

国会議事堂

国会議事堂

写真:大竹 進

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キシナウとは新しい泉というルーマニア語に由来し、この泉は現在も市の中心のプーシキン通りにあり、ここから町が形成されました。ソ連時代はロシア語でキシニョフと呼ばれていましたが、独立後はルーマニア語でキシナウと呼ばれる様になりました。
首都であると同時にモルドバ最大の人口約65万人を擁する大都市で、市街は碁盤の目の様に通りが走る整然とした街並みです。

写真は国会議事堂ですが、キシナウのメインストリートであるシュテファン・チェル・マレ大通りに面して建てられていて、建物の前には国名「MOLDOVA」をかたどった植え込みがあり、大通りの反対側には大統領府もあります。

国会議事堂

写真:大竹 進

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国会議事堂を側面から見たところですが、樹木に囲まれ白と茶色のコントラストが際立つとても瀟洒な建物です。

国会議事堂

写真:大竹 進

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国会議事堂の屋上には国旗がはためいていますが、モルドバ国旗はルーマニア国旗にモルドバの国章であるルーマニアの鷲とベッサラビアの牛がデザインされたものです。
国旗が表す通り、両国は文化的、民族的にも非常に近い関係にあります。

シュテファン大公像とシュテファン・チェル・マレ公園

シュテファン大公像とシュテファン・チェル・マレ公園

写真:大竹 進

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シュテファン・チェル・マレ大通りの周辺には主要な建築物が建ち並んでいますが、この通りの名前は国の英雄であるシュテファン大公に因んで名付けられたもので、同名のシュテファン・チェル・マレ公園の入口にそのシュテファン大公像があります。


15世紀のモルドバ公国の大公で、現在のルーマニアにあったワラキア公国の王でありドラキュラのモデルとして有名なヴラド・ツェペシュなどと同盟を組んで、オスマン帝国の侵略から国を守った英雄です。

シュテファン大公像とシュテファン・チェル・マレ公園

写真:大竹 進

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シュテファン・チェル・マレ公園は国会議事堂に隣接し、同名の通りに面した緑豊かな公園で、中央には噴水もあり市民の憩いの場になっています。観光の途中に立ち寄ってのんびり散策するのも良いですね。

シュテファン大公像とシュテファン・チェル・マレ公園

写真:大竹 進

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公園内にはモルドバに3年滞在したロシアの詩人であり作家だったプーシキンの胸像が置かれています。市内には彼が執筆した家が「プーシキンの家博物館」として残されていますので、ロシア文学ファンの方はどうぞ訪れてみて下さい。

勝利の門とキシナウ大聖堂

勝利の門とキシナウ大聖堂

写真:大竹 進

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シュテファン・チェル・マレ大通りを更に進むと、ロシアとオスマン帝国が争った露土戦争でのロシア軍の勝利を記念して、1846年に建てられた凱旋門である勝利の門があります。当時モルドバは帝政ロシアの領土でした。

とても可愛らしい門で、凱旋門と言うより時計台みたいな感じですが、門内には大きな国旗が下げられています。勝利の門の背後に見えるのはキシナウ大聖堂です。

勝利の門とキシナウ大聖堂

写真:大竹 進

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勝利の門の背後の公園にはモルドバ正教会のキシナウ大聖堂があります。1836年に創建された大聖堂ですが、ギリシャ神殿風のファサードを持つ新古典様式で造られています。

内部は正教会らしく見事なイコノスタスや壁画、豪華なシャンデリアが吊り下げられ見応えがありますが、残念ながら撮影禁止です。

勝利の門とキシナウ大聖堂

写真:大竹 進

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キシナウ大聖堂のある公園から眺めた勝利の門です。大聖堂、鐘楼、勝利の門、更にシュテファン・チェル・マレ大通りの向こうにモルドバの政府庁舎が一直線に並び、左右対称の見事なシンメトリーになっています。

聖ティロン大聖堂

聖ティロン大聖堂

写真:大竹 進

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シュテファン・チェル・マレ大通りの突き当りにある解放広場近くにあるのがルーマニア正教会の聖ティロン大聖堂です。19世紀半ばに建てられ、堂内には見事なフレスコ画が描かれていますが残念ながらこちらも撮影禁止です。正教会系の教会の多くは内部の撮影が禁止されていますので、この素晴らしさは是非ご自身で直接ご覧下さい。

聖ティロン大聖堂

写真:大竹 進

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聖ティロン大聖堂はキシナウ大聖堂とは対照的に、正教会らしい玉ねぎ型のドームで、青いパステルカラーの外壁に黄金のドームが青空に映えています。

大聖堂の屋根には八端十字架と呼ばれる十字架が掲げられていますが、この名称は8ヵ所の先端部分が存在する事に由来します。横棒が3本あり、上部の棒はキリストの罪状を書いた札を表し、下部の斜めになった棒は足台を表しています。

下部の棒が斜めになっているのは、キリストと共に磔刑に処された2人の盗賊の死後を表していて、一人はキリストを罵り、もう一人はキリストを救世主と認めて天国を約束されたという伝承に基づいています。

聖ティロン大聖堂

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大聖堂内の建物の壁にはモザイク画も描かれ、内部は華麗なフレスコ画で埋め尽くされています。

ギネス認定世界最大のワイナリー

ギネス認定世界最大のワイナリー

写真:大竹 進

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キシナウ郊外にある国営のミレスチ・ミーチ・ワイナリー。モルドバは知る人ぞ知るワインの名産地で、このワイナリーはギネス記録を持つワイナリーでもあります。

ワイナリーの敷地に入ると、赤と白のワインの噴水がお出迎えしてくれます。これが本当のワインだったらワイン好きには堪りませんね。

ギネス認定世界最大のワイナリー

写真:大竹 進

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ミレスチ・ミーチ・ワイナリーは世界最大のワインコレクションとしてギネスブックに登録され、その貯蔵本数は何と200万本!そして全長200kmにも及ぶワイナリーの長さも驚異的です。

これだけ広大なので、見学に当たってはワイナリーの専用車に専属ガイドと乗って主な見学場所まで移動し、その都度下車してガイドの説明を聞くという形になります。
広大なワイナリーの中には鍵付きのワイン貯蔵棚がありますが、これは個人の所有物で言わば銀行の貸金庫みたいなものです。こんな所に自分用のワインを保管しているのは一体どんな人なんでしょうね。

ワイナリーは地下40〜85メートルの深さにあるので、温度は一年中12〜14度に保たれています。外気温との差が大きい夏場は寒さ対策をして見学する事をお薦めします。

ギネス認定世界最大のワイナリー

写真:大竹 進

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ワイナリーの見学を終え、地下60mにあるワイン樽の様な秘密の扉が開くと、そこには王宮の様な豪華なインテリアの部屋が現れ、ワインのテイスティングと食事が出来ます。優雅な空間でワインを味わえる素敵なひと時をお楽しみ下さい。

<ミレスチ・ミーチ・ワイナリーの基本情報>
見学時間:9:00〜17:00
休館日:日曜日
見学料:
「ワイナリー見学のみ」200レイ(約1300円)、17:00以降と週末及び祝日は100レイアップ
「ワイナリー見学及びテイスティング、軽食セット付」350レイ(約2300円)、17:00以降と週末及び祝日は100レイアップ
その他食事付き、ワインのお土産付きなど各コースあり

緑豊かな首都キシナウと、世界最大のワイナリーの楽しみ

モルドバと聞いても直ぐにその位置を答えられる人は少ないかも知れませんが、旧ソ連を構成していた国の一つで、言うなれば観光的には穴場的存在です。またモルドバはワイン通には知られたワインの名産地でもあります。
首都キシナウで緑豊かな市街に点在する見どころを巡り歩き、素晴らしいワインをあなたも味わってみませんか。

2019年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/07/07 訪問

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