「故宮博物院」は、中国の宮殿を思わせる外観が迎えてくれます。
歴代皇帝が収集した紀元前からの秘宝が約70万点も収蔵され、その中から年代やジャンルごとに厳選して展示をしています。
数ヶ月おきに入れ替えるので、何度訪れても違う美術品に出会えるのも魅力です。
館内に入ると、A3サイズ以上の手荷物は預けます。ロッカーへ行くと、その美しさに言葉を失います!
この何気ない空間にこだわるあたり、さすがです。外観から高まりつつある気分を一層、盛り上げてくれます。
ロッカーの扉には、シノワズリーテイストの植物や鳥が描かれています。台湾の高い美意識を感じずにはいられませんね。
サイズは大小あり、投入した硬貨は後で戻ってきます。
日本で人気のある「肉形石」は台座に載って迫力がありますが、高さ約6cmと意外と小さい。
玉髄(ぎょくずい)という鉱物の層が活かされ、石とは思えない見事な東坡肉(豚の角煮)に仕上がっています。皮部分には毛穴が見受けられ、角煮らしい質感を感じますね。
「翠玉白菜」も人気の作品で、一つの石から彫った白菜にバッタとキリギリスがいます。虫がいることでリアリティが増しますね。
貸出の多い作品なので無い時は、ミュージアムショップに行ってみましょう!「翠玉白菜」をモチーフにした雑貨や文房具などが多数あるので、雰囲気だけは感じられます。
次回、「本物を観る!」と思えば、それも旅の目的になります。
「雕象牙透花人物套球」は球状にした一つの象牙を彫った、清時代晩期のもの。
球の中に球があり、その数なんと21個! 開かないマトリョーシカのような構造で、一切、継ぎ目がありません!
しかも、球それぞれが回転する、信じられない完成度はまさに神業です。
親子3代、100年以上もの年月をかけて完成させた名品。とても再現できない高度な技術が集結しています。
気が遠くなるような繊細な細工は、永遠に見ていられますね。
「紅・白玉髄筆洗」は一つの石を彫ってできた、清の時代の作品。
作者など詳細は不明ながら、石とは思えない目が覚めるような赤と白のコントラスト、それを活かした彫刻美が評価されたのでしょう。
「黄玉・髄三蓮章」も清の時代の作品で、詳細は不明。「紅・白玉髄筆洗」同様、一つの石から削り出しています。
特に繊細な鎖は、どう設計して、どう彫れば、この形に辿り着くのか不思議です。壊れることなく現存していたことも、奇跡。
「翡翠雕花鳥瓶」は高さ約40cmの大きな翡翠の器。日中戦争中に中華民国ワン・ジンウェイから日本の皇后様に贈られ、戦後に返還されたものです。
全体が自然界のように見立てられているのが印象的ですね。
立体的な梅の木から、雲の合間に月のレリーフが見え隠れする風景に繋がるあたりは情緒があり、両脇の耳には霊芝を、蓋には鳥をあしらうなど、実に美しい世界観が広がっています。
「碧玉屏風」も同じく、日中戦争中に中華民国ワン・ジンウェイから日本の天皇陛下に贈られ、戦後に返還された屏風です。
48枚の翡翠で作られ、両面に同じ彫刻が施されています。これは"裏表がない"ということから"誠実さ"を表現しており、とても奥深い一品です。
住所:台北市士林区至善路2段221号
電話番号:+886-2-2881-2021
アクセス:士林駅1番出口から徒歩約2分でバス停(ドラッグストアwatsonの前)に。255、304、300、紅30、小19、小18、815、市民小型1、などの路線バスで約15〜30分。
2019年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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