写真:野水 綾乃
地図を見る「湯宿きくや」を営む加藤さん親子は元々、板室温泉の高台で「きくや一望館」という旅館を営んでいました。ひとりひとりのお客さんに向き合ったサービスをしたい、と温泉街の中心部に移転し、3室だけの小さな宿を新築オープンしました。
「藍」「山吹」「若草」という日本の伝統色の名前が付いた3つの客室はそれぞれ内装やインテリアが異なっています。
写真の「藍」の部屋は無垢の栗の木を張った床が心地よく、テーマカラーである藍色のソファがポイントになっています。「山吹」の部屋は桜、「若草」の部屋はナラと、床の木材も部屋によって違っています。来るたびに違う部屋に泊まり、お気に入りを見つけてみるのもいいですね。
写真:野水 綾乃
地図を見る反対のサイドはベッドスペースになっています。ツインが基本となりますが、畳のスペースに布団を敷いて3名で利用できる部屋もあります。
写真:野水 綾乃
地図を見る「湯宿きくや」には大浴場がありません。そのかわり、かなりゆとりのある半露天風呂が各部屋に備わっています。「藍」と「山吹」の部屋のお風呂は、外と隔てるガラス窓を写真のように開放すれば、完全に露天風呂気分に。
泉質は、無色透明のアルカリ性単純温泉。「下野の薬湯」として親しまれてきた伝統の湯です。ぬるめの源泉と熱めの源泉を合わせ、適温に調節した源泉が24時間かけ流されています。好きな時間に好きなだけ、あふれる源泉に浸かれるのが本当に贅沢。
照明を好きな暗さにして夜空の星を数えながら入るのもいいし、射し込む陽の光を感じながらの朝風呂もとても気持ちがいいです。
写真:野水 綾乃
地図を見るつづいて部屋の備品の数々をご紹介しましょう。インテリアもそうですが、備品やアメニティは宿を切り盛りする弘子さん、玲奈さんの母娘ふたりで相談しながら選んでいったそう。
部屋着として浴衣とともに置いてあるのは、日本人デザイナーが手がけるe&co(ウーアンドコー)の「家服(いえふく)」。清涼感のあるフレンチリネンが湯上がりの肌に心地よいです。食事の時もこの服でダイニングまで出向くことができます。
写真:野水 綾乃
地図を見るマグカップは益子焼の作家のもの。思いを込めて選んだアイテムは、お部屋で過ごす時間に潤いを与えてくれます。料理にも益子の作家によるオリジナルの器などが使用されています。
写真:野水 綾乃
地図を見る部屋には、カフェや雑貨好きに人気の黒磯エリアの手描きマップが置いてあります。「湯宿きくや」から黒磯SHOZO STREETまでは車で約25分。おすすめの店をチェックし、チェックアウト後にぜひ訪れてみて。
写真:野水 綾乃
地図を見るチェックインの際や滞在中自由にくつろげるラウンジ。大谷石や桜の木の床など、客室同様に自然素材を活かしたナチュラルな空間です。
那須の木工作家がオリジナルでデザインした壁の照明と、トルコやモロッコの先住民が手織りした絨毯の数々が落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
写真:野水 綾乃
地図を見るラウンジの奥には庭に面した足湯があります。ここももちろん温泉。季節で移ろう裏山の木々や、手作りのエサ台に遊びに来る野鳥たちを眺めながら過ごせます。
写真:野水 綾乃
地図を見るもうひとつのパブリックスペースは、木の香あふれるダイニング。3部屋だけなので、テーブルも3つだけ。時間帯によって表情を変える裏山の景色を眺めながら食事が楽しめます。
料理は父・雅之さんが担当し、母・弘子さんと娘の玲奈さんがテーブルまで届けて説明してくれます。
写真:野水 綾乃
地図を見る「湯宿きくや」のディナー。出来たて料理が1品ずつ運ばれてきます。
こちらは、ぜんまいのナムル、ヤシオマスの燻製、鮎の煮こごりなどの前菜の盛り合わせ。ぜんまいのナムルは、板室温泉よりもさらに山深い日光市湯西川地区で育った母・弘子さんの思い出の味を再現しています。
写真:野水 綾乃
地図を見る那須塩原市の隣、大田原市にある「きくち農園」の無農薬野菜を使用した焼き野菜。それぞれの味を活かす火の入れ方が絶妙です。
肉厚のピーマンは生に近い状態でシャキシャキ感を伝え、トマトはしっかり熱を加えることで酸味の中の甘みを引き出しています。好みで甘味噌、七味、岩塩を付けてどうぞ。
写真:野水 綾乃
地図を見る特に印象深かかったのが「那須御養卵の茶碗蒸し」です。「きくや一望館」の頃から提供していたというメニューで、「この茶碗蒸しを食べるとほかで食べられない」というファンも多かったそう。
黄身にコクと深みがある那須滋養卵を活かした優しい味わいで、たっぷりサイズも嬉しい。
ほかにも、イワナの塩焼き、とちぎ和牛の炙り、牛乳で練ったすいとんが素朴で美味しい那須鶏のすいとん汁など、全15品ほどが登場します。
写真:野水 綾乃
地図を見る那須の牧場の新鮮なノンホモ牛乳や、那須御養卵の温泉卵、そしてきくち農園など地元の無農薬野菜のサラダもたっぷりと。那須の恵みにあふれた体が目覚める朝ごはんです。
いかがでしたでしょうか。
自然素材を活かした心地よい空間でのんびり過ごしたい、体に優しい温泉に好きなだけゆっくり入りたい、そして土地で採れた美味しいものを気取らない雰囲気で楽しみたい。そんな女子におすすめしたい宿です。
伊豆や箱根で同規模の旅館に泊まると、3万円を下ることはありませんが、「湯宿きくや」は2万円台前半というリーズナブルな価格帯も魅力です。
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(2024/3/19更新)
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