東京にも多数の古墳が!高級住宅街「田園調布」周辺で古墳めぐり

東京にも多数の古墳が!高級住宅街「田園調布」周辺で古墳めぐり

更新日:2019/12/05 09:52

松縄 正彦のプロフィール写真 松縄 正彦 ビジネスコンサルタント、眼・視覚・色ブロガー、歴史旅ブロガー
東京の高級住宅街として知られる田園調布。ほとんど知られていませんが、この街の周辺には古代の古墳が多数あります。多摩川の左岸、国分寺崖線に沿ってこれら古墳群は造られていますが、ここは「武蔵国造の乱」として日本書紀にも記された一大事件の舞台でもありました。静かにたたずむ古墳群、実は古代のドロドロとした政争とも関係した場所だったのです。首長交代の背景とともに歴史ドラマを体感して下さい。

新型コロナウイルスの発生と感染拡大に伴う、県境をまたいだ移動の自粛が2020年6月19日より解除されます。また県境をまたぐ観光については「徐々に行い、人との間隔を確保すること」というガイドラインが政府より示されています。各種報道機関の発表、施設や各自治体のホームページなどで最新の情報をご確認ください。(LINEトラベルjp)
LINEポイント還元中!旅行代10万円×還元率10%なら10,000ポイントもらえる!※一部サービス・取り扱い旅行会社のみ 詳しくはこちら

等々力周辺の古墳「野毛古墳群」

等々力周辺の古墳「野毛古墳群」

写真:松縄 正彦

地図を見る

東京の高級住宅街「田園調布」。実はこの周辺には4世紀〜7世紀にかけて造られた荏原台古墳群(野毛古墳群と田園調布古墳群より構成)があります。

等々力駅近くの野毛古墳群の代表格「野毛大塚古墳」から紹介します。
この古墳は帆立貝型古墳で、古墳時代中期の5世紀初めに突如出現しました。全長83.5mで、後述の田園調布古墳群の首長に変わって首長になった人物の古墳と推定されています。

古墳の後円部からは甲冑や玉類、内行花文鏡(ないこうかもんきょう)など多数の副葬品が発掘されています。特に刀剣類は61点も出土し、関東の古墳の中でも類を見ない多さです。
後円部の頂上部の地面に、発掘時に見つかった場所が分かりやすく表示されていますので、ぜひご確認下さい。

<野毛大塚古墳の基本情報>
アクセス:東急大井町線等々力駅下車徒歩約10分(玉川野毛町公園内)

等々力周辺の古墳「野毛古墳群」

写真:松縄 正彦

地図を見る

野毛大塚古墳の近くに「御岳山古墳」があります。
この古墳の被葬者は、野毛大塚古墳に後続する首長と推定されています。この古墳は5世紀半ば過ぎに造営されたと考えられています。副葬品としては短甲(甲冑の1種)類、鉄剣、縁辺部に7つの鈴形がついた内行花文鏡が出土しています。
この古墳は道路脇にあり、現在、立ち入り禁止になっています。

<御岳山古墳の基本情報>
アクセス:東急大井町線等々力駅下車徒歩約10分

等々力周辺の古墳「野毛古墳群」

写真:松縄 正彦

地図を見る

宇佐神社境内にあるのが「八幡塚古墳」で、本殿右手にあります。
この古墳は直径30mの円墳です。この古墳も野毛大塚古墳に後続する首長墓で、御岳山古墳よりも早く造られたと推定されています。
この古墳からは1000点近くもの多数のガラス小玉や鉄刀・鉄鏃などが出土しました。

<八幡塚古墳の基本情報>
アクセス:東急大井町線尾山台駅下車徒歩約15分(宇佐神社境内内)

田園調布の古墳「多摩川台古墳群」

田園調布の古墳「多摩川台古墳群」

写真:松縄 正彦

地図を見る

次に、多摩川台公園内に位置する田園調布古墳群について紹介しましょう。
公園の北西端部にあるのが4世紀前半に造られた「宝莱山(ほうらいさん)古墳」です。この古墳は後述の亀甲山古墳と並び、多摩川流域最大の前方後円墳で、南武蔵の荏原郡地域を治めた首長の墓と推定されています。

古墳は全長97mです。後円部が破壊・埋め戻されており、周囲を歩いても古墳の形は良く分かりませんが、写真の中央階段の右側が前方部、左側が後円部です。
この古墳からは鏡の他に"三種の神器"を構成する玉や剣も副葬されている事から、大和政権と深い繋がりがあったと考えられています。

<宝萊山古墳の基本情報>
アクセス:東急東横(多摩川・目黒)線多摩川駅下車徒歩約15分(多摩川台公園内)

田園調布の古墳「多摩川台古墳群」

写真:松縄 正彦

地図を見る

小さい谷を挟んで宝莱山古墳と逆向きに向き合っているのが、4世紀後半に造られた「亀甲山(かめのこやま)古墳」です。両古墳の間には多数の円墳が造られ、併せて「多摩川台古墳群」とも呼ばれています。

亀甲山古墳は全長107.25mという大きな前方後円墳です。写真の看板の右手が後円部、左手が前方部です。この古墳は発掘調査が未だ行われておらず、宝莱山古墳の次の世代の首長の墓と考えられています。

<亀甲山古墳の基本情報>
アクセス:東急東横(多摩川・目黒)線多摩川駅下車徒歩約5分(多摩川台公園内)

田園調布の古墳「多摩川台古墳群」

写真:松縄 正彦

地図を見る

亀甲山古墳の近くに「浅間神社古墳」があります。
この古墳は前方後円墳で、全長60mの規模ですが、前方部は無くなり、後円部に多摩川浅間神社の社殿が建てられています。荏原台古墳群の主導権が田園調布古墳群の首長から野毛古墳群に移り、再度、田園調布古墳群に移ってきた時(5世紀末〜6世紀初)に造られたといわれます。この古墳からは、人物や鹿形・馬形の埴輪など豊富な種類の埴輪が出土しています。

ちなみに多摩川浅間神社は田園調布の氏神様として知られています。

<浅間神社古墳の基本情報>
アクセス:東急東横(多摩川・目黒)線多摩川駅下車徒歩約1分

野毛古墳群の出土品は「世田谷区立郷土資料館」で

野毛古墳群の出土品は「世田谷区立郷土資料館」で

写真:松縄 正彦

地図を見る

ご紹介してきた古墳群は東京の世田谷区と大田区内にあります。
野毛古墳群と一部の田園調布古墳群は世田谷に属すため、古墳からの出土品は「世田谷区立郷土資料館」の2階に展示されています。

野毛古墳群の出土品は「世田谷区立郷土資料館」で

写真:松縄 正彦

地図を見る

野毛大塚古墳からの出土品として各種玉類や埴輪(水鳥、鶏を含む)などが展示されていますが、写真は後円部から出土した内行花文鏡(レプリカ)です。

この鏡は直径11.5cmの銅鏡で、背面には“金文体”で「長宜(ちょうぎ)子孫」と書かれています。これは“長(とこしえ)に子孫に宜(よろ)しからん”の意味で2世紀の中国(後漢時代の後半)で製作された可能性のある鏡とされます。被葬者の首長が、かなり力のある人物であった事が分かる出土品です。

野毛古墳群の出土品は「世田谷区立郷土資料館」で

写真:松縄 正彦

地図を見る

出土品の他に、地形モデルの展示にもご注目下さい。紹介してきた古墳群が崖(国分寺崖線)に沿って、造られているのが良くわかります(写真の真ん中、多摩川の直ぐ上側に位置しているのが野毛古墳群)。
近年、この崖線の下や斜面に住宅が建てられ、洪水の影響を受けていますが、古墳は崖線の上に造られ、洪水の影響は受けていません。古代の知恵でしょうか?

<世田谷区立郷土資料館の基本情報>
住所:東京都世田谷区世田谷1丁目9番18号
電話番号:03-3429-4237
アクセス:東急世田谷線上町駅下車徒歩約5分

LINEポイント還元中!旅行代10万円×還元率10%なら10,000ポイントもらえる!※一部サービス・取り扱い旅行会社のみ 詳しくはこちら

田園調布古墳群からの出土品は多摩川台公園内の「古墳展示室」で

田園調布古墳群からの出土品は多摩川台公園内の「古墳展示室」で

写真:松縄 正彦

地図を見る

田園調布古墳群、特に多摩川台古墳群からの出土品は、多摩川台公園内にある古墳展示室で見る事ができます。

実は今回ご紹介した荏原台古墳群は古代の大事件と関係する舞台でした。日本書紀に「武蔵国造の乱」が記述されています。6世紀(前述の浅間神社古墳が造られた時期に略相当)、武蔵国の国造の地位を、埼玉古墳群の南を本拠とする“笠原直使主(おみ)”と荏原台古墳群周辺を本拠とする同族の“小杵(おき)”が争ったのです。小杵が上野毛(現在の群馬県)勢力を味方に付けた事で、東の強国である上野毛国と大和政権の対立という大事件になりましたが、勝ったのは大和政権を味方につけた使主でした。

古墳展示室ではこの事件の背景などが分かりやすくパネルで説明されています。前述の首長の地位の変遷とこの武蔵国内での勢力関係の変化を頭に入れておくと古墳の大きさや出土品などとの関係がより深く理解できるはずです。

ちなみに御岳山古墳から出土した、鈴形のついた鏡(前述)は、上野毛を中心とした文化の影響を受けているともいわれ、上野毛国との繋がりが推定できます。

田園調布古墳群からの出土品は多摩川台公園内の「古墳展示室」で

写真:松縄 正彦

地図を見る

宝莱山古墳からの出土品の特徴は玉類が多い事です。ちなみに勾玉4、管玉67、丸玉173、小玉391出土しており、古墳展示室でこれらを見る事ができます(写真は丸玉:レプリカ)。

田園調布古墳群からの出土品は多摩川台公園内の「古墳展示室」で

写真:松縄 正彦

地図を見る

浅間神社古墳からは埴輪が豊富に出土しています。写真は馬形(左)と鹿形埴輪(右)です(いずれもレプリカ)。
実は、田園調布駅の東側で埴輪製作址が見つかっており、6世紀にはここで埴輪が製作されていました。荏原台古墳群で用いられた埴輪などはここから供給された可能性があるともいわれます(この製作址は宅地化の影響で現存していません)。

<多摩川台古墳展示室の基本情報>
住所:東京都大田区田園調布一丁目63番1号
電話番号:03-3721-1951(多摩川台公園管理事務所)
アクセス:東急東横(多摩川・目黒)線多摩川駅下車徒歩約5分

古代ロマンとドロドロとした政争が感じられる古墳群

東京の高級住宅街、ここに古墳群があり、しかも古代の大事件とも関係した舞台であったとは実に意外です。古代のロマンとドロドロとした政争、なにか遠い時代の争いが現代にも通じて、古代が身近に感じられるはずです。

2019年12月時点の情報です。最新情報はホームページなどでご確認ください。

LINEポイント還元中!旅行代10万円×還元率10%なら10,000ポイントもらえる!※一部サービス・取り扱い旅行会社のみ 詳しくはこちら
掲載内容は執筆時点のものです。 2019/10/21−2019/10/24 訪問

- PR -

条件を指定して検索

LINEトラベルjpで一緒に働きませんか?

- PR -

旅行ナビゲーター(在宅ライター)募集中!
この記事に関するお問い合わせ

- PR -