香川県「中津万象園・丸亀美術館」は1万5千坪の回遊式大名庭園

香川県「中津万象園・丸亀美術館」は1万5千坪の回遊式大名庭園

更新日:2019/11/23 17:02

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
香川県丸亀市にある「中津万象園・丸亀美術館」は、京極家2代目藩主の京極高豊(きょうごくたかとよ)公が、先祖の地である近江をしのんで作った池泉回遊式の大名庭園です。庭の中央には、琵琶湖の近江八景になぞらえて作った8つの島があり、それぞれが橋で結ばれるという趣向を凝らした作りです。往時の栄華をしのばせる大名庭園でお殿様・お姫様気分になってみませんか?

京極家の先祖の地・近江をしのんで作られた「中津万象園」

京極家の先祖の地・近江をしのんで作られた「中津万象園」

写真:モノホシ ダン

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京極家(きょうごくけ)は、近江源氏・佐々木氏の系譜をひく名門大名です。その始祖は、鎌倉時代に京極家を名乗りはじめ、江戸幕府成立後、若狭小浜、松江、播磨龍野と領知を替え、1658年(万治元年)に丸亀に封じられ、明治維新まで、7代210年あまりに渡って西讃岐の地を治めました。

中津万象園の築庭を開始したのは、2代藩主の高豊ですが、それから約100年の歳月をかけて5代藩主の高中の時代にようやく完成しました。

中津万象園は、東京ドーム約1個分の面積があり、その広大さを実感できるのが、朱塗りの邀月橋(ようげつばし)からの風景。ここからの眺めは格別です。

京極家の先祖の地・近江をしのんで作られた「中津万象園」

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邀月橋からは、近江の琵琶湖を形どった八景池の眺めが見事です。池には、近江八景になぞらえて、帆(矢橋帰帆)・雁(堅田落雁)・雪(比良暮雪)・雨(唐崎夜雨)・鐘(三井晩鐘)・晴嵐(粟津晴嵐)・月(石山秋月)・夕映(瀬田夕照)と銘した8つの島が配されています。

京極家の先祖の地・近江をしのんで作られた「中津万象園」

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池泉に浮かぶ雁の島には、両岸から睡蓮を模した踏み石が渡されていて、睡蓮の浮葉を踏み水面を進むと“湖水渡り”のような爽快な気分になれます。

中津万象園でもっとも有名な「大傘松」

中津万象園でもっとも有名な「大傘松」

写真:モノホシ ダン

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中津万象園には、約1500本もの松があります。とくに松の中で扇の形の松は、美松(扇松)と呼ばれ、藩祖の地の近江から京極家に献上されたものといわれています。

中津万象園でもっとも有名な「大傘松」

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三笠宮崇仁殿下(昭和天皇の末弟)お手植のゴヨウマツにも注目です。ゴヨウマツは、樹齢が長く丈夫で、盆栽としても好まれる松です。

中津万象園でもっとも有名な「大傘松」

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中津万象園でもっとも有名な松が、大傘松(千代の傘松)。日本の名松百選の1つにも選定されていて、樹齢630余年といわれる一本の松を、約300年の歳月をかけて直径15mの傘型に仕立てたものです。枝葉の刈り込みには、いまも年間30人もの庭師がたずさわっています。

中津万象園のパワースポット「石投げ地蔵尊」の不思議とは

中津万象園のパワースポット「石投げ地蔵尊」の不思議とは

写真:モノホシ ダン

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大傘松の近くにある稲荷社は、京極家代々の藩主の信仰が篤かった社で、つらなる赤い鳥居は、おすすめのフォトスポットでもあります。

中津万象園のパワースポット「石投げ地蔵尊」の不思議とは

写真:モノホシ ダン

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石投げ地蔵尊は、石塊に祈願の事項を記し、圏外より圏内の地蔵尊に投入して礼拝されていたものです。この不思議な参拝方法は、大名庭園であるために容易に庶民が立ち入れなかったためで、漁師、農夫、商人等に篤く信仰されていました。その繁盛ぶりは、石塊が積もるほど、この地蔵尊も高く持ち上げられ、この付近一帯では地蔵尊が一番高くなるほどでした。

地蔵尊は、江戸時代の天保年間の大洪水で海に沈みましたが、1983年(昭和58年)に中津万象園の修復とともに復元されました。お参りには、備え付けの白い石に願いの言葉を書いて投げ、お地蔵様の台座にその石が乗ると願いが叶うと言われています。ぜひチャレンジしてみましょう。

中津万象園のパワースポット「石投げ地蔵尊」の不思議とは

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藩祖の地、近江竹生島の弁財天もお祭りされています。弁財天は、知恵弁舌、福徳の神として代々の藩主から信仰されました。

現存する日本最古の煎茶室「観潮楼」

現存する日本最古の煎茶室「観潮楼」

写真:モノホシ ダン

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江戸時代後期に建てられ、現存する日本最古の煎茶室といわれるのが観潮楼です。入母屋造りの中2階の高床式建築で、閉鎖的な空間で茶事をする抹茶席とは対照的に、池に面する三方の障子を開けて外の景色が楽しめる開放的な作りとなっています。

園内に併設の「丸亀美術館」も見てみたい

園内に併設の「丸亀美術館」も見てみたい

写真:モノホシ ダン

また園内に併設されている「丸亀美術館」は、うちわの里・陶器館・絵画館の3つからなっています。うちわの里では、地場産業として発展してきた“丸亀うちわ”を、陶器館では、古代オリエントロマンあふれる彩文土器や陶器・ガラス器などを展示しています。

また入館料が別途必要となりますが、絵画館では、ミレーやコローなど世界の名画を鑑賞することもできます。中津万象園とあわせてご覧になってみてはいかがでしょうか。

中津万象園・丸亀美術館の基本情報

住所:香川県丸亀市中津町25-1
電話番号:0877-23-6326
入園料(庭園+陶器館+うちわの里):大人700円、小人(小中生)300円
絵画館入館料:大人500円、小人(小中生)200円
開園時間:9:30〜17:00
定休日:毎週水曜日
アクセス:JR讃岐塩屋駅から徒歩約15分
車利用の場合は、瀬戸中央自動車道 坂出北ICより約15分

2019年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2019/11/17 訪問

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