写真:小野 雅子
地図を見る320数年もの歴史を誇るイングランド銀行は、シティと俗称されるロンドン金融街の中心にあります。最寄り地下鉄の駅名もバンク(Bank)と超シンプル。駅を出ると目前にそびえる白亜の姿は、イギリスの著名な建築家ジョン・ソーン卿が1828年に完成させた3代目の建物が基礎となっています。
写真:小野 雅子
地図を見るさすがに正面入口は厳重なセキュリティで守られており、関係者以外が入る事など出来ません。しかし建物正面に向かって右側に進むと見えてくるバーソロミュー・レーンという道へ左折すると、博物館の入口と警備員さんが見えてきますよ。
写真:小野 雅子
地図を見る開館時間は基本的に、平日の午前10時から午後5時まで(最終入館時刻は午後4時半)で入場無料。しかしながら年末年始は2週間前後の休館となり、2019年度は12月23日から2020年1月12日までがお休みとなります。
なおロンドンでは他の博物館などでも一般的になりましたが、入館時には持ち物のX線検査を含め簡単なセキュリティチェックを通過します。
写真:小野 雅子
地図を見るそもそもの始まりは、フランスとの戦争で資金繰りが急務となった政府が国民による投資を募るために立ち上げた機関でした。たった数人の行員で始まった頃の初代金庫は、まるでお茶箱かチェストくらいの大きさ。こうした様々な品物と資料を眺めていると、17世紀のロンドンにタイムスリップしていくようです。
やがて1790年までには国債を効率よく管理するシステムを作りあげ、飛躍的な成長を遂げていきます。
写真:小野 雅子
地図を見る投資家の中には、ドイツ出身でイギリスに移住したバロック音楽の作曲家ヘンデルも。彼は音楽だけでなくビジネスの才にも長けていたというのは、ちょっと意外なエピソードですよね!
また2019年11月15日から2020年7月31日までは、イギリスを代表するロマン派画家ウィリアム・ターナーの蓄財に関する展示が開催されます。彼もまたヘンデル同様、芸術活動だけでなく経済的にも大いに成功した人。ターナーの自画像は2020年2月から流通予定のポリマー製20ポンド紙幣でエリザベス女王の裏側にフィーチャーされる事が決まったので、絶好のタイミングとなります。
写真:小野 雅子
地図を見るやがて時代は近代となり、イギリスも2度の世界大戦に参戦。国家資金を管理する役割はますます重要となり、イングランド銀行は拡張の一途をたどります。それにつれジョン・ソーン卿が設計した元の建物では手狭になったため、1939年には大々的な増改築工事が完了しました。
ただ残念ながらその際には建物にあしらわれていた何体ものカリアティード(柱の役目を果たす女性の立像)が撤去されてしまい、多くの市民をがっかりさせました。それらは現在、この博物館に並んでいます。
写真:小野 雅子
地図を見る最初に発行された紙幣は、なんとイングランド銀行のスタッフが金額を手書きで書き込むタイプ。しかしお金の歴史は偽造犯罪との闘いの歴史でもあるわけで、偽造紙幣を作るための道具箱や、それを見破られてニセモノの印鑑を押された実例なども豊富に展示されています。お金の偽造は時代によっては死刑に値する重罪でしたが、欲に勝てない人々がいるのは今も昔も変わらないんですね!
写真:小野 雅子
地図を見る近代に入ると紙幣を印刷するようになり、その原版を掘る職人が使用していた道具セットも展示されています。職人技の粋をきわめた精巧さも容易には偽造させない工夫のひとつでしたが、やがて透かし加工やホログラムなど様々なハイテク技術が取り入れられていきます。
写真:小野 雅子
地図を見る更に偽造を困難にしたポリマー製の紙幣はすでに5ポンド札と10ポンド札が流通しており、2020年2月には先に挙げた画家ターナーを裏面に起用した20ポンド札が登場。残る50ポンド札も、2021年にポリマー紙幣の流通開始が予定されています。
また紙幣だけに限らず、硬貨にも偽造防止の秘策がギッシリ。もちろんイギリスも他国と同じく将来的には完全キャッシュレス時代に突入することが予測されていますが、まだまだ貨幣偽造との闘いは続きそうです。
写真:小野 雅子
地図を見るところでイングランド銀行の地下には、ニューヨークにある連邦準備銀行に次いで世界第2の規模を誇る金塊保管庫がある事をご存知ですか?その殆どがイギリスを始めとする各国家の財務機関が所有するものです。
保管量は金相場によって日々変動するものの、約13キロある純金インゴットが平均して常時40万個ほど。時価1000憶ポンドに相当します。博物館の中にはその光景を写真パネルにした壁とベンチがしつらえてありますので、ギッシリ並んだ金塊をバックに記念写真をどうぞ!
写真:小野 雅子
地図を見る残念ながらというか当然というか、地下の金塊保管庫に入る事は出来ませんが・・・ホンモノの純金延べ棒を直接この手で持ってみる!という貴重な体験は出来ます。
純度99.79%という可能な限り純金の金塊は強化アクリル製の箱に納まり、箱には片手が入れられる大きさの穴が開いています。そこから手を入れて、触ったり持ち上げてみたり出来るという仕組み。
写真:小野 雅子
地図を見る触った瞬間の感触は、表面がややザラついたように感じます。約13キロもある金の延べ棒はズッシリ重く、かなり筋トレした人でなければ片手で持ち上げるのは困難なほど。同時に頭上四方に設置された監視カメラが映しだす自分の姿をモニター画面で見るのも、ちょっと奇妙な体験です。
写真:小野 雅子
地図を見るお土産ショップには文房具やエコバッグ、お菓子、マグカップ、お財布やマネークリップ、記念コインなどが並びます。イングランド銀行のオリジナル商品も色々。
写真:小野 雅子
地図を見る今しがた持ち上げてみたばかりの、金の延べ棒を模したチョコレートもありますよ。また学校の課外授業で来る地元の小中学生が多いこともあり、子ども向けのお土産も目立ちます。
写真:小野 雅子
地図を見る毎年いくつかの特別硬貨が発行されており、それぞれイギリスらしいキャラクターやデザインが特徴です。2019年発行のパディントン・ベアーやシャーロック・ホームズをフィーチャーした限定版50ペンス硬貨は、未使用プレゼンテーションパック入りで販売価格10ポンド。現金で買い物をしてお釣りにこういう硬貨が混じっている確率は非常に低いので、もしお好きなキャラクター硬貨があれば買っておくのも良い記念になりそうです。
堅苦しいイメージの金融史を、一般人や子供にもなるべく分かりやすいよう工夫しているイングランド銀行博物館。小さな施設ですので1時間あれば見る事が出来ますし、ロンドン観光途中のスキマ時間に立ち寄ってみませんか?
住所:Bank of England Museum, Bartholomew Lane, London
電話番号:+44-20-3461-5545
アクセス:地下鉄バンク駅から徒歩1分
2019年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/4/18更新)
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