写真:いなもと かおり
地図を見るアーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、多彩な分野のスペシャリストから構成されているアート集団「チームラボ」。2001年から活動を開始し、これまでも数々の作品を生み出してきた彼らが、高知城にやってきました! チームラボが高知城を光のアート空間に変身させるのは、昨年に続いて2回目。前年度よりもさらにパワーアップした2019〜2020年の「チームラボ 高知城 光の祭」は、一体どのような内容なのでしょうか!?
写真:いなもと かおり
地図を見る入城して最初に出会うのは、高知城が誇る高石垣。加工していない自然石を積んだ「野面(のづら)積み」の石垣は荒々しい印象がある反面、カッチリとして強度が強く、石垣の弱点である雨水の多い高知地域でも耐えうる構造をしています。
作品「呼吸し呼応する石垣 - 高知城」は、全長約500mに渡って光輝く石垣がキャンバス。ただただ美しさを見せつけているだけではなく、明暗に揺らぐ光によってまるで石垣が息をしているかのようです。その光の呼吸は、木々や大地といった「呼応する生命」から伝播してきたもの。光は呼応を繰り返し連続して高知城全体へと広がっていきます。
写真:いなもと かおり
地図を見る鉄門跡を抜けると現れるのが、作品「世界はこんなにもやさしく、うつくしい - 高知城の石垣」です。この作品の特徴は、今この瞬間の絵は二度と見ることができない…その儚くも尊い「今だけ」の世界にあります。
写真:いなもと かおり
地図を見る石垣の上から降り注ぐ文字に人が近づくと、文字がもつ世界に変化します。例えば、「虹」の文字に近づくと虹が出現するわけです。文字同士がもつ世界観が影響し合い、石垣に映し出された今だけの物語が創られていく。文字に近づかなければ世界は現れないですし、タイミングが違えば見える物語が変わってきます。影響し合える人がいてはじめてその物語ができる感覚が、とても深いですね!
写真:いなもと かおり
地図を見る天守をバックに楽しめる、作品「自立しつつも呼応する生命の森」では、埋め尽くされた光の卵形体(ovoid)が「人の存在」を強く感じさせてくれます。この卵形体は、人が触れることで色が変化し、周りの卵形体へと広がっていくのです。自分が伝えた色は向こうの誰かへと届き、そして誰かから発せられた色がこちらへと伝わってくる。人がいるからこそ完成するアートなのですね!
写真:いなもと かおり
地図を見る作品「お絵かき龍馬たち」で出会えるのは、あなたがお絵えきをするデザインする高知ゆかりの人物です。書いた絵に命を吹き込むと、坂本龍馬や長宗我部元親、山内一豊、板垣退助といった歴史上の人物が、目の前の巨大な草原で歩き出し、ときには愉快に踊り出します。触れるとアクションをおこしたり、話しかけてくることも! 歴史とアートの見事な融合ですね。 歴史上の人物と記念写真を撮ったり、一緒に踊ったりと、非日常感が満喫できますよ。
動画:いなもと かおり
地図を見る紅葉真っ盛りの銀杏並木を彩るのは、作品「呼応する木々と自立しつつも呼応する生命」です。人に押され卵形体が倒れると光の色が変化していきます。その変化は周りの木々にも移ろい、石垣にも呼応していくのです。流れるような一体感は、息を呑むほどの美しさ。みなぎる生命力を感じます。
写真:いなもと かおり
地図を見る二の丸の卵形体は、地に足がついていません。作品「浮遊する、呼応する球体」も、人が与える衝撃で色が移ろい広がっていく作品ですが、浮いている分稼動域が広いです。風にあたり右へ左へと首を振るため、動きのある光のアートが楽しめます。
写真:いなもと かおり
地図を見る本丸と二の丸を繋ぐ渡り廊下。かつては攻め手の兵を効果的に仕留めるために築かれた詰門も、チームラボによってインスタレーション作品の一部になりました。
こちらは作品「Black Waves of Kochi Castle」。襖にはコンピューター上で構築された三次元の動く波が映し出されています。しかも、動きが驚くほどリアルです! その理由は水の粒子という細かさレベルで表現し、さらには粒子間の相互作用を計算しているため。作品の世界に吸い込まれるような感覚を味わってみてください。
ちなみに、「Black Waves of Kochi Castle」は2019年12月19日(木)まで。12月20日(金)〜2020年1月13日(月)までは、色が異なる「Waves of Light of Kochi Castle」へと作品が変わります。
写真:いなもと かおり
地図を見る渡り廊下を進むと天守のある本丸にでます。夜間の高知城天守へ登れるのはとても貴重な体験です! 最上階からは城内の光のアートと、高知の夜景が一緒に楽しめます。
※天守閣へのご入場は別途料金が必要です。
写真:いなもと かおり
地図を見る高知城が築かれたのは1601年のこと。関ヶ原の戦いで功績を残した山内一豊が土佐(現在の高知県)一国を与えられ、新城築城に取りかかりました。天守や本丸御殿といった構築物が現存する例はとても珍しく、高知を代表する歴史観光スポットになっています。
「街が街のままアートになる」チームラボのプロジェクト。チームラボの“魔法”によって、高知城はさらに輝きを魅せています。期間限定の、歴史とデジタルテクノロジーの融合をぜひ体感してみてください。
期間:2019年11月8日(金)〜2020年1月13日(月・祝)
時間:17:30〜21:30(最終入場21:00)
住所:高知県高知市丸ノ内一丁目2-1
電話番号:088-854-7100 (チームラボ 高知城 光の祭 コールセンター)
アクセス:JR「高知駅」より車で10分。とさでん交通(路面電車)「高知城前駅」より徒歩3分
2019年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
いなもと かおり
年間120城をめぐる城マニア。國學院大學文学部史学科古代史専攻卒。小学生の時に古墳に目覚め、歴史の道へ。19歳の時に、会津若松城に一目惚れしてから城の虜となる。訪城数は700ほど。日本城郭検定1級、国…
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