福井県“水の都”若狭路・小浜で「お水取り」のルーツを辿ろう

福井県“水の都”若狭路・小浜で「お水取り」のルーツを辿ろう

更新日:2019/12/02 15:29

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
福井・若狭路は、名水・霊水が至る所から湧き出る「水の都」です。この湧水の場所は“若狭井”と名付けられ、若狭井から「閼伽水」を汲み上げて本尊にお供えする儀式が、奈良に春の訪れを告げる神事「東大寺二月堂のお水取り」です。そして奈良東大寺と小浜を結ぶ神事が「お水送り」です。小浜で、お水取り神事ゆかりの遠敷明神を祀る若狭国一宮と「お水送り」神事の行われる若狭神宮寺でお水取りのルーツを辿ってみませんか?
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ハートの彫り物「猪目」を探すのも楽しい

ハートの彫り物「猪目」を探すのも楽しい

写真:モノホシ ダン

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お水取り神事ゆかりの遠敷明神を祀る若狭国一宮は、若狭姫神社(下社)と若狭彦神社(上社)の二社に分かれています。若狭姫神社は、奈良時代の721年(養老5年)の創建で、海幸山幸の神話で有名な、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)を若狭姫神と讃えてお祀りしています。

また遠敷(おにゅう)の地に鎮座されているので「遠敷神社」とも呼ばれています。

ハートの彫り物「猪目」を探すのも楽しい

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若狭姫神社の手水舎には、ハートの彫り物があります。しかし、これはハートではなく、イノシシの目、つまり「猪目(いのめ)」と呼ばれる文様です。

字のごとくイノシシの目を意味し、猪目は古来より魔除けや福を招く護符の意味合いがあり、神社仏閣などの建築装飾やさまざまな器具などの飾り文様として使われています。また十二支の亥年を迎えると、必ずと言っていいほど注目を集める文様でもあります。

若狭姫神社では、社務所の表玄関、大屋根・子屋根の破風の下や、神門の屋根の鬼板などにも見られます。興味がある方はぜひ探してみてください。

ハートの彫り物「猪目」を探すのも楽しい

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神門の前にある随神門は、中央の通路を挾んで、随神像各4体が、左右に正対する珍しい形式です。若狭姫神社の随神は、祭神影向の際、随従の吉祥八人と伝えられています。参拝の前にまず、吉祥八人にご挨拶しましょう。

東大寺二月堂「お水取り神事」と「遠敷明神」のつながりとは

東大寺二月堂「お水取り神事」と「遠敷明神」のつながりとは

写真:モノホシ ダン

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若狭姫神社の神門と本殿は、ともに江戸時代後期の享和年間に造営されたもので、桧皮葺、素木造りで統一されていて、落ち着いた心惹かれる雰囲気を持っています。ご祭神の豊玉姫命は、安産の神様として信仰されています。

本殿左側に聳えている千年杉は、健康長寿、子孫繁栄などのご利益があります。ほかに境内には乳神様として崇められている大イチョウなどのご神木があります。あわせてお参りしましょう。

東大寺二月堂「お水取り神事」と「遠敷明神」のつながりとは

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神門には「遠敷神社」と書かれた扁額がかかっています。これは東大寺二月堂の神事「お水取り」にかかわる遠敷明神のことです。

修二会の創始者である、実忠和尚は「神名帳」を読み上げ、日本国中の神々の名前を唱え勧請しました。この時、魚釣りに興じていて参集に遅れた若狭の国の「遠敷明神(おにゅうみょうじん)」が、遅参のお詫びに、二月堂のほとりに清水を湧き出させ、観音様に奉りました。これがお水取り神事の始まりです。

この際、遠敷明神は、若狭の根来白石の川淵より地下を潜って水を導かせたと伝えられています。

東大寺二月堂「お水取り神事」と「遠敷明神」のつながりとは

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若狭姫神社の境内には、桂の井という霊水が湧き出しています。この井戸の水は、古来より若狭の若返りの水として名高く、この水を戴くと邪気を払い延命長寿を保つと伝えられています。ポンプのバルブをひねって持ち帰りもできますので、車でやってこられた方は、事前にペットボトルなどを用意するといいでしょう。

<若狭姫神社の基本情報>
住所:福井県小浜市遠敷65-41
電話番号:0770-56-1116
アクセス:JR小浜線「東小浜駅」から徒歩約10分

若狭彦神社は、畳・敷物業の神様

若狭彦神社は、畳・敷物業の神様

写真:モノホシ ダン

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若狭姫神社をお参りしたら、南に約1.5kmほどのところにある若狭彦神社(上社)に行ってみましょう。一の鳥居をくぐると、参道を挟んで厳然と聳え立つ二本の大杉は、若狭彦神社の二の鳥居と考えられています。ほかに、夫婦杉もあります。

若狭彦神社は、畳・敷物業の神様

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若狭彦神社にも若狭姫神社と同じく随神門があり、左右に分かれて吉祥八人がおられます。始めにご挨拶しましょう。

若狭彦神社は、畳・敷物業の神様

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若狭彦神社は、畳・敷物業の神様ともされ、現在はインテリア関係者からも厚く信仰されています。神門や本殿は、若狭姫神社と同じく桧皮葺、素木造りで、境内には清々しい神気が漂います。

<若狭彦神社の基本情報>
住所:福井県小浜市竜前28-7
電話番号:0770-56-1116(若狭姫神社)
アクセス:JR小浜線「東小浜駅」から徒歩約30分
車利用の場合はJR小浜線「東小浜駅」から約5分

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お水送り神事が行なわれる「若狭神宮寺」とは

お水送り神事が行なわれる「若狭神宮寺」とは

写真:モノホシ ダン

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お水送り神事が行なわれる「若狭神宮寺」は、奈良時代の714年に若狭国一宮の神宮寺として建立されたと伝えられている天台宗の古刹です。ちなみに神宮寺とは、神仏習合思想に基づき、神社に付随して建てられたお寺のことです。

鎌倉時代の末期に建てられた重要文化財の北門には、木造金剛力士像を一対を安置しています。北門から参拝口まではのどかな参道がのびています。なお、北門(仁王門)は、参拝口から約200mほど離れているので、見逃さないように注意してください。

お水送り神事が行なわれる「若狭神宮寺」とは

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わびさびを感じさせる若狭神宮寺参拝口は、秋になると美しい紅葉に包まれます。

お水送り神事が行なわれる「若狭神宮寺」とは

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北門と同じく重要文化財の「本堂」は、室町時代の1553年(天文22年)越前国守護朝倉義景による再建です。ちなみに義景は、織田信長に滅ぼされた越前朝倉氏最後の当主です。本堂の軒下には、しめ縄がかけられていて、いかにも神仏習合の寺院らしい雰囲気を漂わせています。

内陣には、中央に薬師如来が祀られていて、左右には十一面千手観音や日光菩薩などが祀られています。そして右側には“神号掛軸”が掛けられていて、ここでも神仏習合の名残りを見ることができます。

一般の観光客も参加できる「お水送り神事」の“松明行列”

一般の観光客も参加できる「お水送り神事」の“松明行列”

写真:モノホシ ダン

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前庭には、毎年3月2日の「お水送り」神事で使われる大護摩壇があります。ここでは19時頃から、修験者が斧の大事・法弓大事・宝剣大事を奉じ、水師の願文奏上を終え、達陀(だったん)の火による大護摩法要が奉修されます。

一般の観光客も参加できる「お水送り神事」の“松明行列”

写真:モノホシ ダン

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境内にある閼伽井では、お水取り神事で、ここから閼伽水(聖水)を汲みます。汲まれた閼伽水は、無上の「香水」に変じ、19時30分過ぎに始まる松明行列で「御香水」は、神宮寺から約2km上流の遠敷川淵の“鵜の瀬”まで運ばれます。鵜の瀬では20時30分過ぎに「御香水」を淵の流れに注ぎ込む“送水神事”が厳修されます。送られた水は10日間かけて東大寺二月堂の若狭井に届きます。

なお、「お水送り神事」では、プログラムによって見学可能なものと見学不可なものがあります。また松明行列は、手松明持参の方のみ参加できます。手松明は神宮寺境内で購入できますが、本数が限られていますので予約するのがおすすめです。

なお、松明の火で衣類が損傷することがあります。またお水送り当日は、周辺道路の交通規制が行なわれます。詳しくは、関連MEMOの若狭おばま観光案内所などにお問い合わせください。

若狭神宮寺の基本情報

住所:福井県小浜市神宮寺30-4
電話番号:0770-56-1911
拝観料:400円
拝観時間:9:00〜16:00
休観日:2月15日〜3月5日(お水送り神事の準備のため)
アクセス:JR小浜線「東小浜駅」から徒歩約40分
車利用の場合はJR小浜線「東小浜駅」から約10分

2019年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2019/11/23 訪問

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