写真:沢原 馨
地図を見る東京都八王子市の東南部、「多摩ニュータウン」内の別所地区で、長池見附橋はその美しい姿を見せてくれています。この橋は、かつて四谷見附橋として東京都新宿区四谷で外堀を跨いでいました。
四谷見附橋は大正2年(1913年)に完成、以来、甲州街道の往来を支えて重要な役割を担ってきましたが、交通量の増加から拡幅の必要に迫られ、平成3年(1991年)、現在の四谷見附橋に架け替えられています。
架け替えによって役目を終えた先代の四谷見附橋は、その資材の一部を使って八王子市に移築されました。それが、長池見附橋。今は名を変えて、八王子市で“セカンドライフ”を送っているというわけです。
写真:沢原 馨
地図を見る長池見附橋は平成5年(1993年)に完成、その年の11月に開通式が行われました。橋の下は長池公園という公園の一部で、姿池を中心にシンメトリックにデザインされた広場になっています。姿池の名は長池見附橋の姿を映すことから命名されたものです。
長池見附橋と姿池が織り成す景観はたいへんに美しく、フォトジェニック。特に南側からの景観は素晴らしいものですよ。
写真:沢原 馨
地図を見る旧四谷見附橋は赤坂離宮(現在の迎賓館)に合わせてネオ・バロック調の装飾が施された美しい橋でした。長池見附橋は四谷見附橋時代とは橋長も幅員も異なり、構造も少し違っていますが、その美しさは変わらずあの頃のまま。
今はすっかり周囲の景観にも馴染み、「八王子八十八景」に名を連ねる、八王子市の“名所”のひとつとして市民に愛されています。80年ほどの務めを終えた四谷見附橋の、幸福な余生と言えるかもしれません。大正浪漫の残り香を漂わせつつ生まれ変わった“名橋”、長池見附橋、見に来てみませんか。
写真:沢原 馨
地図を見る遠景の眺めを堪能したら、池の岸辺に降りて長池見附橋の姿を間近に楽しみましょう。見上げるように眺める橋の姿はまた違った表情です。堂々とした風格のようなものを感じるのは、その歴史があるからでしょう。
写真:沢原 馨
地図を見る北側の岸辺から見る長池見附橋の姿も素晴らしいものです。姿池がその名の通りに橋の姿を映し込み、背景には長池公園の緑の木々が見えています。のんびりと散策しながら、長池見附橋の美しい姿を堪能しましょう。
写真:沢原 馨
地図を見る姿池の北側の岸辺には、移築の際に使用されなかった資材の一部を使ったモニュメントなどが置かれています。橋梁マニアの方には魅力的なものでしょう。マニアでなくても、公園の風景の中に溶け込む姿はまるでアート作品のように楽しめますよ。
写真:沢原 馨
地図を見る長池見附橋の姿と共にそれらのモニュメントを写真に収めるのも楽しいものです。いろいろとアングルを工夫して、素敵な作品に挑戦してみてはいかがでしょう。
一角には四谷見附橋の歴史や構造について簡単に解説したパネルなども設置されています。ぜひ目を通して、少し学んでおきましょう。どのモニュメントがどこの部材を使用したものかを解説したパネルもありますので、興味深く見学できるでしょう。
写真:沢原 馨
地図を見るせっかくですから、橋を眺めるだけでなく、渡ってみましょう。長池見附橋の上は車両の通行も可能な一般道ですが、ニュータウンの中の生活道路なので交通量はあまり多くありません。のんびりと散策することができますよ。
写真:沢原 馨
地図を見る橋の周辺は八王子市別所地区、「多摩ニュータウン」の美しい街並みが広がっています。緑豊かな街並みと長池見附橋のレトロな装飾とがうまく調和して、なかなか味わい深い景観です。
写真:沢原 馨
地図を見る欄干には「四谷見附橋」、「よつやみつけはし」と記された橋名板が残されています。もちろん右から左への表記。漢字表記の橋名板には「大正二年九月成」の文字も。長池見附橋がかつて四谷見附橋だったことを、まさに証明するものですね。ぜひ見ておきましょう。
写真:沢原 馨
地図を見る長池見附橋の設けられたエリアの南側には、長池公園のメインのエリアが広がっています。長池公園は里山の風景を残した、自然溢れる公園です。長池見附橋を見学した後は、公園の中の里山風景や雑木林の中へと散策の足を延ばすのがお勧めですよ。
写真:沢原 馨
地図を見る公園のほとんどは雑木林が占めており、木々の間を縫うように園路が巡っています。園路を辿って雑木林散歩を楽しむのもいいものです。
写真:沢原 馨
地図を見る公園の奥まったところには、公園名の由来となった長池が林の中に静かに沈んでいます。長池の周辺は「特別保全ゾーン」、一般の立ち入りはできませんが、その姿は少しだけ覗き見ることができます。
この長池には、1300年代に小山田荘(現在の町田市上小山田町〜下小山田町付近)を治めていた小山田太郎高家の側室、浄瑠璃姫にまつわる伝説が残っていて、池の辺には「浄瑠璃姫の碑」が建てられています。哀しくも不思議な浄瑠璃姫の伝説、概略が記されていますので目を通してみてくださいね。
住所:東京都八王子市別所2丁目
アクセス:
京王相模原線南大沢駅から約1.5km
南大沢駅からバス、「見附橋」下車すぐ
長池公園に来園者用無料駐車場有り
2019年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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