写真:小林 理沙
地図を見るアストリッド女王公園 (Koningin Astridpark)内に19世紀半ばに建てられた「聖マグダレーナ教会(Kerkfabriek Heilige Maria)」があります。聖マグダレーナと聖カテリーナに捧げられた教会です。
イギリスからの移民が当時イギリスで流行していたネオゴシック様式を取り入れて建てたもので、ネオゴシック様式の建物ではヨーロッパ屈指の歴史を持つ建造物です。
写真:小林 理沙
地図を見る教会の前にはベンチとそこに横たわる人のブロンズ像が置かれています。リアルさにギョッと驚いてしまうような像ですが、カナダの彫刻家ティモシー・シュルマルツという敬虔なキリスト教徒の作品です。世界の数カ所に設置されている「ホームレス・ジーサス(Homeless Jesus)」として知られる彫刻です。
写真:小林 理沙
地図を見る教会の入り口には色とりどりの長い布が垂れ下がっています。各布にはincomplete、 blue、wonderfulなどのことばが書かれています。布に巻きつかれながら、いざ中へ!さあ、何が待っているでしょうか。
写真:小林 理沙
地図を見る教会内部に入ると見えるのは、あっと驚く中央に設置されたブランコ!またも教会という概念を覆すものでしょう。触れてはいけない飾りではなく年齢問わず乗って遊べる実用的なものです。
教会内はミサなどのときに着席する椅子が取り除かれていること以外は、カトリック教会の構造を残したままの状態です。
写真:小林 理沙
地図を見るコインを置いてセルフサービスでコーヒーやお茶をいれられるスペースもあります。日本の無人販売の野菜や果物などを売るスタンドを思い出すシステムです。
写真:小林 理沙
地図を見るナイトクラブのような雰囲気の中にポップさも漂うコーナーもあったりします。もともと教会にあった椅子は取り外されていますが、座れるスペースが多いのでゆっくりできる空間です。
写真:小林 理沙
地図を見る紙に願いなどを書き、紙飛行機にして飛ばせるスペースもあります。教会という場所柄、願いも叶いそうですね。
ヨーロッパでは毎年「欧州文化首都」という1年に渡り多くの文化行事の主催地になる都市が定められます。2002年はブルージュが欧州文化首都でした。その一環でキリスト教徒のグループが「YOT」という組織を立ち上げました。
先に種明かしをすると、「YOT」がこの「聖マグダレーナ教会」の美術館化のプロジェクトの主催者です。
写真:小林 理沙
地図を見る「YOT」のプロジェクトは、近年宗教的な機能が失われてきている宗教施設が多いということと、また宗教施設の建築が公共の場所として利用しづらいという事実が基礎になっています。そして、教会が精神的な表現の場であり続けられるように教会の機能を尊重するものです。
写真:小林 理沙
地図を見る聖マグダレーナ教会のあるアストリッド女王公園は観光地の中心となっている運河沿いからわずかに離れたところにあります。観光地の喧騒とは別世界の隠れ家のようなところです。
ベルギー人の美的感覚を感じられる花壇や日本では見かけることの少ない植物を見て散歩するのも小さな楽しみになると思います。観光客の多いシーズンに訪れて人混みに疲れてしまった方にもおすすめです。
写真:小林 理沙
地図を見るアストリッド女王公園から見える教会の一室です。羽が紐に無数についてくるくる回って幻想的です。
聖マグダレーナ教会はYOTが手掛けたプロジェクトの1つです。ベルギー人の宗教との関わり合いやその変化を感じられるのではないでしょうか。
住所:Stalijzerstraat 19, 8000 Brugge
アクセス:Brugge駅からバスで15分
2019年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
小林 理沙
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