横川温泉は茨城県の県庁所在地である水戸から車で1時間ほどの、常陸太田市折橋町にある小さな温泉郷。源泉名から折橋鉱泉とも呼ばれています。奥久慈の山に囲まれた天竜川渓谷沿いに位置するこちらの温泉地には、こじんまりと3軒の宿が並んでいます。
横川温泉の歴史は古く、奥州阿部氏討伐に成功した八幡太郎義家がこの地を通りかかり、川沿いに湧く清水で傷を癒したところ4日で傷が全治したことから、「四日の湯」と呼ばれるようになりました。宝暦3年(1753)、その清水に小屋をかけ営業を始めたのが山田屋旅館の遠い祖先である小林長五郎。山田屋旅館は300年の歴史を持つ、横川温泉で一番の老舗旅館なのです。
写真:さとちん
地図を見る旅館のすぐ横を天竜川が流れ、お部屋やお風呂から清流のせせらぎや小鳥のさえずりを聞きながら、ゆったりと寛いで過ごすことができます。
海の幸、山の幸が豊富な茨城県。山田屋旅館では特に茨城県北部の伝統的な食材や食文化を取り入れた食事をいただくことができます。
見た目にも美しく鮮やかなお料理は繊細な味わいで、お料理が目当てのリピーターも多く訪れています。
上で紹介しているように、阿武隈山系中部に沸く横川温泉のお湯は、源頼義の長男八幡太郎義家によって発見されました。山田屋旅館が営業をはじめて300年あまり、多くの人の病気や怪我を癒してきた温泉は、医師が勧める「温泉治療の宿」にも認定されています。
泉質はアルカリ性の無色透明な硫黄泉。pH10.1は茨城県内でもトップクラスのアルカリ度数を誇ります。肌にまとわりつくようなお湯は美人の湯としても評判!少しぬめりのあるお湯は天然の乳液のよう。お風呂上がりの肌はすべすべでしっとり!体の芯まで温まり、冷え性の女性には嬉しい限りです。
浴室は2方向に窓があり、2階まで吹き抜けなので開放感があります。シャンプーやコンディショナー、ボディソープなど、アメニティも用意されています。
写真:さとちん
地図を見る温泉の後ろは天竜川。内湯でありながら窓を開けると自然あふれる風景とせせらぎの音で露天風呂のような気分を味わえます。一度利用するとお湯の良さにすっかり魅了されてしまうとか。「こんなところにこんな良い温泉があったなんて」と、地元茨城の人にもあまり知られていない秘湯です。
温泉は日帰りでの利用も可能です。
築250年の趣のある建物を2017年7月にリノベーション。常陸太田の建築家岩瀬卓也氏によるデザインの、杉や檜をふんだんに使った木のぬくもりが感じられる和モダンな客室「月庭」「川」「山」が誕生しました。
写真のお部屋は「山」。モスグリーンがポイントカラーのこちらのお部屋は、旅館裏手の山々をモチーフにしてデザインされています。
写真:さとちん
地図を見る「山」のお部屋にはFranceBedのマットレス、「月」と「川」のお部屋には丸八プロの寝具が用意されています。掛布団は羽毛布団。静かな環境に上質の寝具。朝までぐっすりと眠ることができますよ。
写真:さとちん
地図を見るお部屋にはPOLA aroma ess.のアメニティも。20代目若女将の細やかな心配りが嬉しいですね。
こちらで若女将に年齢を訊ねると、一晩中温泉に入っていたくなりますよ。美人の湯効果半端ないです。日本の若女将48のNO.29に選ばれているのも納得の美人女将です。
海の幸山の幸に恵まれた茨城県。山田屋旅館では地元の食材を使うだけでなく、地域の伝統的な食文化も大切にした、ガストロノミー(美食学)をテーマとした懐石料理をいただくことができます。県北の地域食材、里川カボチャ、赤ネギなどを利用した、目と舌で楽しむお料理に胃袋をがっつり掴まれ、虜にされちゃいますよ。
写真:さとちん
地図を見る里美地区では昔から川魚の養殖が盛んでした。厳しい冬の寒さを乗り越えるために脂をたくわえ、夏でも冷たい川は成長を遅らせます。ゆっくり成長するヤマメは臭みがまったくなく、旨味が凝縮しています。
中にクリームチーズが入っている、和洋折衷の斬新な里川かぼちゃの茶わん蒸しも驚きのおいしさです。
写真:さとちん
地図を見る朝ご飯にもこだわっています。使用している食材は地元の漁港から届く新鮮な魚介や常陸太田産の野菜。籠いっぱいのおいしいお惣菜は、どれから箸をのばそうか朝から贅沢な悩みに、ついつい顔がほころんでしまうことでしょう。ご飯は茨城県産こしひかり。お腹と相談しながら、ゆっくりと味わってくださいね。
写真:さとちん
地図を見る周辺には観光スポットも多く点在しています。大小様々な滝が渓谷に連なる「花貫渓谷」までは車で20分。ハイキングコースとしても最適です。特に渓谷にかかる汐見滝吊り橋からの眺めは必見です。
写真:さとちん
地図を見る188柱の神様が祀られている御岩神社は車で25分。アポロ14号の乗組員や向井千秋さんが、地球から光の柱が立っているのを発見!それが御岩神社からの光だったということから、日本最強のスピリチュアルスポットとして注目されている神社です。
写真:さとちん
地図を見るでも、実は旅館の裏の清流や歩いて7分の「横川の下滝」など、近くでも十分自然を満喫できるんです。
夜には満天の星が頭上に広がりますよ。
良質の温泉と極上のお料理、そしてもうひとつリピーターの心をつかんでいるのがあたたかいおもてなしです。若女将をはじめ、若旦那や大女将、みなさん笑顔で接してくださいます。まるで田舎のおばあちゃんの家に遊びに来たような、そんなほっとできる旅館は、家族旅行、女子旅、夫婦旅と、どんなシーンにもぴったりです。
2020年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
取材協力:茨城県
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(2025/2/15更新)
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