沖縄・伊平屋島は歴史ロマン溢れる「てるしの」の島

沖縄・伊平屋島は歴史ロマン溢れる「てるしの」の島

更新日:2020/05/15 14:56

bowのプロフィール写真 bow トラベルライター
沖縄県の有人島で最北端に当たるのが伊平屋島。別名「てるしのの島」とも呼ばれ、手つかずの自然と沖縄の原風景が味わえる素朴な離島です。観光客は少ないものの、日本と琉球の起源にまつわる伝説が残るロマン溢れる島。そして近年は「伊平屋ブルー」と称される美しい海にも注目を集める島です。

まずは知ろう、伊平屋島へのアクセス

まずは知ろう、伊平屋島へのアクセス

写真:bow

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近年LCCの就航が相次ぎ、沖縄の離島にも多くの観光客が訪れるようになりました。しかしそれにより開発が進み本来の離島らしさが失われつつある島もあるのも事実。

そんな中において伊平屋島はアクセスの不便さもあり、観光客が大挙するような島ではありません。しかしだからこそ海あり山ありの様々な絶景と、沖縄の原風景を味わうことができる貴重な島のひとつなのです。何もない、自然豊かな離島でのんびり過ごしたい。そんな方にはうってつけの島ではないでしょうか。

まずは知ろう、伊平屋島へのアクセス

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そんな伊平屋島は沖縄県内では最北端の有人島。ここを目指すにはまずはアクセスを知ることが重要です。伊平屋島へは沖縄本島北部の運天港から1日2便のフェリーでしか渡れず、その運天港までは那覇から車で約1時間半という距離があります。フェリーの接続を考えて綿密な計画をたてましょう。

まずは知ろう、伊平屋島へのアクセス

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運天港から伊平屋島までの船旅は約80分。出航直後は古宇利大橋をかすめて外海へ向かい、デッキから海を眺めていれば旅情感たっぷり。また船内は広々していて快適そのもので、フリーWi-Fiも完備しているので船内が退屈になることもないでしょう。船内には伊平屋島の情報も色々あるのでチェックを忘れずに!

伊平屋島で外せない観光スポット 自然編

伊平屋島で外せない観光スポット 自然編

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それでは伊平屋島の観光スポットを順にご紹介していきましょう。まずは自然編から!樹齢が200年とも300年ともいわれる「念頭平松」は伊平屋島のシンボル。久米島の「五枝の松」と並んでリュウキュウマツの二大名松と呼ばれていて、その存在感は圧倒的で必見です。

伊平屋島で外せない観光スポット 自然編

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伊平屋島最北端に位置する田名岬は「クバ山」と呼ばれています。クバ山のクバとは沖縄の方言で、普通はビロウという名前で呼ばれるヤシ科の常緑樹。このクバ山は見事なクバの原生林に包まれていて、沖縄県の天然記念物に指定されています。ちなみに琉球舞踊で使われる小道具のクバ笠は、クバ山で取れる良質の葉を伊平屋島の名人が編むのだとか。

伊平屋島で外せない観光スポット 自然編

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クバ山からほど近い西海岸には「無蔵水(んぞみじ)」と呼ばれ、海岸沿いの岩の上なのに枯れない泉がある大きな岩があります。小船で海へ出て戻らない夫の帰りを信じ、美しい妻がこの上で何年も待ち続けたといわれ、この岩は夫婦愛の象徴とされています。

伊平屋島で外せない観光スポット 海・ビーチ編

伊平屋島で外せない観光スポット 海・ビーチ編

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離島ならではの感動的なグラデーションの海は「伊平屋ブルー」とも称されます。その伊平屋ブルーの美しさをこれでもかと味わえるのは伊平屋島と隣接する野甫島を結ぶ「野甫大橋」周辺。橋からの眺めはまさに絶景そのもので、驚異的な透明度で海底まで透けて見えるほどの美しさ!沖縄で一番サンゴが美しいというダイバーも多く、最後の楽園ともいえる海なのです。

伊平屋島で外せない観光スポット 海・ビーチ編

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野甫大橋の手前の岬を取り囲むように広がるのが米崎ビーチ。とくに南側のビーチは遠浅で透明度も高く、波も穏やかで海遊びにはもってこいです。またビーチに隣接して設備の整ったキャンプ場もあり、夏場は賑わいをみせます。

伊平屋島で外せない観光スポット 海・ビーチ編

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クバ山の麓にある「潮下浜(すーがはま)」は伊平屋島の人にとってはデートスポット。白砂の米崎ビーチとは違った景観も楽しめ、西向きのためサンセットタイムを過ごすのにもってこいのスポットなのです。

伊平屋島で外せない観光スポット・歴史編

伊平屋島で外せない観光スポット・歴史編

提供元:一般社団法人伊平屋村観光協会

http://www.iheyazima-kankou.jp/地図を見る

日本最南端の天岩戸伝説が残るのが島の北部にある「クマヤ洞窟」。江戸時代の国学者が神武天皇が生まれたのは伊平屋島であり、その根拠としてクマヤ洞窟こそが天岩戸伝説の地なのだとしました。

こんな南の島で日本の始まりの伝説があるとはにわかに信じがたいのですが、実際に洞窟へ入ってみればちょっと信じてしまいそうな錯覚に!そんなクマヤ洞窟はそびえ立つ大きな岩山の陰にあります。海岸沿いの道路から階段を上がって入口まで行きましょう。

伊平屋島で外せない観光スポット・歴史編

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我喜屋集落の外れの海沿いにあるのが屋蔵墓(やぐらばか)。琉球王朝、第一尚氏・尚巴志(しょうはし)の先祖に当たる屋蔵大主(やぐらうふすー)が祭られている由緒ある墓で、県指定文化財。日本だけでなく沖縄のルーツでもあるのが伊平屋島なのです。

伊平屋島で外せない観光スポット・歴史編

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伊平屋島の集落で見られる「神アサギ(アシャギ・アシアゲとも)」は首里からの祝女(ノロ)が休む場所として造られた茅葺きの建造物で、県指定有形民俗文化財。

伊平屋島は沖縄の伝統行事が数多く残されていて、民俗学の宝庫とも呼ばれています。そもそも琉球古来の行事の大半は稲に関する祭。戦後にサトウキビヘの転作とともに多くの祭が消える中、伊平屋島は先祖の田を守り稲作を続けてきた島。それゆえに伝統行事が脈々と受け継がれ今も行われているのです。

伊平屋島に行った証も手に入れよう

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小さな伊平屋島ですが特産品は色々あります。泡盛といえばタイ米が原材料で知られますが、稲作が盛んな伊平屋島では島内産の米を使った泡盛があるのです。お土産伊平屋酒造所の照島は以前は島でしか飲めなかったというレアな泡盛。近年のブームもあり飲みやすい泡盛が増える中でクセのある味は通には堪らない逸品!お土産にオススメです。

伊平屋島に行った証も手に入れよう

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またもずく独特の風味が楽しめる「もずくめん」や、TKGのトッピングにベストマッチなもずくの佃煮「もずくのたまご」など、特産品のもずくを使った品はどれもついつい手にとってみたくなる逸品!他にも特産品の黒糖もいろいろな商品がラインナップされていますのでお忘れなく。

時間のゆっくり流れる伊平屋島を目指そう

伊平屋島は「てるしの」の島と呼ばれていますが、「てるしの」とは太陽神を表す琉球の古い言葉で、文字通り太陽に照り輝く美しい島。そんな島内をくまなくめぐりたいならレンタカーがおすすめ。日程的には少なくとも1泊2日であれば島をじっくりめぐることができるでしょう。また宿はほとんどネット予約に対応していないので地道に電話での予約が中心となります。

そしてなんといっても伊平屋島で心に残るのは人とのふれあい。「伊平屋所帯(いへやじゅーてー)」といわれる伊平屋ならではのおもてなしもぜひ味わってみてください。

2020年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/10/23−2019/10/24 訪問

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