写真:土庄 雄平
地図を見る蔵王連峰北側の山麓に位置する宝珠山「立石寺」は、平安時代に慈覚大師円仁が開山した古刹。奥州で天台宗を布教する拠点となり、中世以降も僧兵をもつ強大な寺院として、この地で大きな影響力を有していました。そのため歴史の表舞台にも数々登場し、特に江戸時代に松尾芭蕉が「閑さや岩にしみ入る蝉の声」という名句を読んだ地として知られています。
写真:土庄 雄平
地図を見るそんな立石寺は、その景観から通称"山寺"と呼ばれ、四季折々素晴らしい景観を見せてくれることも特徴!中でも、一番美しいと名高いのが、今回紹介する雪のシーズンです。特に境内の五大堂からは、白銀の奥羽連峰と山間集落の雪景色を一望する絶景が広がります。
写真:土庄 雄平
地図を見る山形から車に乗ること30分で、立石寺へと到着です。町まで雪に染まる山形の冬ですが、立石寺まで至る県道19号線は程々に交通量も有り、雪道の心配はいりません。基本的に無料駐車場はなく、600円〜700円ほど支払うことになります。但し、駐車場によってはお土産を買うことで無料になる駐車場もあるので利用したいところ。
駐車場へ車を止めて、食堂が軒を連ねる通りから階段を上れば、立石寺の山門が現れます。この先から拝観のスタートです。ここに至るまで階段は三箇所ありますが、どれを通ってもこの場所へ合流できますよ。
写真:土庄 雄平
地図を見る山門をくぐると、しばらく杉林の中を進む石段が続きます。淡々と上っていくと、道の随所に雪を被った灯篭や、お地蔵さん。どこか不思議な時間が流れているのが特徴です。
そして、中腹には松尾場所が名句を読んだと伝えられる場所も!蝉の声はしない冬ですが、静寂な参道の中でポツポツと出る音が、この雰囲気に沁み込んでいくような、そんな情緒が感じられます。
写真:土庄 雄平
地図を見る30分ほど、そうした趣抜群な参道歩きを楽しめば、いよいよ境内の中核「仁王門」へと到着です。冬季はこの辺りの階段で凍結する区間があるので、一番注意したいところ。手すりをしっかり持って、できるだけ凍っておらず踏み跡ができる足場を探して上っていきましょう。
写真:土庄 雄平
地図を見る仁王門を越えたら、絶景ポイントとして名高い五大堂を目指します。仁王門以降は、木々がなくなり、展望が開けるため、山寺の位置する断崖絶壁がよく伝わります。特に見応えがあるのは、崖の上に立つ納経堂です。
朱色の外観が特徴的で、その屋根に雪がこんもり積もり、崖の先には奥羽山脈の純白の峰々が!冬の立石寺だからこそ見ることのできる唯一無二のコラボレーションですね。
写真:土庄 雄平
地図を見るそして開山堂・納経堂を越えて、階段から舞台へと上がれば、五大堂へ到着!舞台の先を見渡せば、そこには心震える絶景が広がります。白く染まった奥羽山脈と、その峰々に抱かれている集落や田畑の雪景色。人の営みと雄大な自然が調和した情景は、息を呑むほどの美しさ。
写真:土庄 雄平
地図を見る五大堂の屋根を使って切り取れば、まるで水墨画のよう!特に、景色の一番奥にそびえる北蔵王の一角「神室岳」の山頂付近は、厳冬期には樹氷で覆われ、青空を背景に眺めれば、神の住む山という意味をもつこの山の神々しさが一層際立ちます。
冬の立石寺だからこそ味わえる情緒を心ゆくまで堪能しましょう!下山の際には、人が少なく、しみじみとした時間を味わえる奥之院へ立ち寄るのがオススメです。
写真:土庄 雄平
地図を見る雪道歩きは上りより下りの方が危ないため、十分に気を付けてマイペースで進みましょう!そんなとき、モチベーションとしたいのは立石寺の麓に位置する食堂の存在。麓では、がっつり食べられるランチメニューから、少し小腹を満たすグルメまで揃っています。
その中で、ぜひお勧めしたいのが山寺名物の「ずんだ餅」でしょう!甘いながらも仄かに枝豆の風味を漂わせる”ずんだ”が、もちもちのお餅と相性抜群で、素朴ながらも癖になる美味しさです。
その一方、同じく名物の「おやき」は、程よい塩味と独特の香りが食欲をそそる絶品なので、少しお腹が空いた方は二つ頼んでみても良いかもしれませんね!
雪景色を楽しんでから、鄙びた食堂でホッと一息つく時間。この何気ない旅のワンシーンも、旅情を高める瞬間ではないでしょうか?
写真:土庄 雄平
地図を見る雪を被り、寒さが一層厳しくなる厳冬期(1月〜3月)。外に出るのが億劫になるシーズンですが、その一方で雪が積もる冬だからこそ見られる絶景が、日本には数々存在します。その中で山形の代表的なスポットが、今回紹介した「立石寺(山寺)」。
雪に包まれた静寂な参道を上り切ると、そこには純白の奥羽山脈と山間集落の雪景色がコラボレーションする水墨画的な風景が広がります。この冬、思わず息を呑むほど美しい冬へ出会いに、山形を訪れてみてはいかがでしょうか?
住所:山形県山形市大字山寺456-1
拝観時間:8時〜17時
入山料(山門 奥之院):大人300円、中人(中学生)200円、小人(四歳児以上)100円
電話番号:023-695-2002
アクセス:山形市街から車で30分、JR山寺駅より徒歩5分
2019年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
土庄 雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤務しながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。山岳雑…
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