写真:乾口 達司
地図を見る「三穂神社(みほじんじゃ)」は岡山県奈義町にある神社。当地に伝わる巨人伝説ゆかりの神社です。巨人の名は「さんぶたろう」。
さんぶたろうは、当地を治める領主と大蛇とのあいだに生まれました。夫に自分の正体を見られた大蛇は幼子に「五色の玉」を与えると、その前から姿を消し、二度と現れることはありませんでした。幼子は「五色の玉」を舐めてすくすく育ち、遂には当地でもっとも標高の高い那岐山よりも大きくなりました。
そして、あまりに大きくなりすぎて、都までわずか三歩でたどり着くほどであったことから「三歩太郎」、それが訛って「さんぶたろう」と呼ばれるようになったのです。ところが、ある日、さんぶたろうは小さな毒針のために死んでしまいます。その五体は風に吹かれて四散。頭部の埋葬されたところこそ、三穂神社の境内であったとされています。
現在の三穂神社はご覧のようなこんもり茂った森のなかに鎮座しています。
写真:乾口 達司
地図を見る写真の拝殿とその奥に鎮座する本殿は、参道よりも小高い丘の上にあります。その丘自体が、あたかもさんぶたろうの頭部であるかのように思えませんか?
写真:乾口 達司
地図を見る参道の近くには、ご覧のような銅像が立っています。銅像の主は「菅原満佐」。実はこの菅原満佐こそさんぶたろうのモデルであるといわれています。
満佐は学問の神さまとして名高い菅原道真の後胤で、鎌倉時代前期に活躍した人物。当地に土着し、戦国時代にかけて大きな勢力を誇った「美作菅家」の祖とされています。
満佐の偉大さがさんぶたろうの伝説となったのでしょうか。興味は尽きないですね。
写真:乾口 達司
地図を見る拝殿に目を向けると、ご覧のような貼り紙を見ることができます。「頭頭頭…」と書き連ねられていますよね?勘の鋭い方なら、もうピンと来るのではないでしょうか。
この「頭」の字は、先ほど解説したように、三穂神社がさんぶたろうの頭部をまつっていることにちなみます。そして、そのさんぶたろうのモデルは学問の神さま・菅原道真の後胤である菅原満佐。つまり、「頭頭頭…」の貼り紙は、さんぶたろうの「頭」に引っ掛けて学問の向上を願ったおまじないなのです。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらも同様の貼り紙です。こういったおまじないがその地域に密かに伝えられているとは、民俗学的な見地からも実に興味深いですね。
学力の向上や志望校の合格を願う受験生の方はお参りしてみてはいかがでしょうか。
写真:乾口 達司
地図を見る鳥居の脇には、ご覧のような大きな釜が安置されています。直径が150センチメートルもある大釜は、さんぶたろうが飯炊きに使っていた釜を復元したもの。しかし、さんぶたろうが都までわずか三歩でたどりつけるほどの巨人であったことを思えば、これでも小さすぎるほどですね。
さんぶたろうの伝説が残る三穂神社の魅力、おわかりいただけたでしょうか。もちろん、学問の向上だけでなく、頭部の健康にもご利益があるとされているため、受験生やその保護者だけでなく、さまざまな人に参拝していただきたい神社です。さんぶたろうの伝説に思いを馳せながら三穂神社に参拝してみてください。
住所:岡山県勝田郡奈義町関本1059
アクセス:中国自動車道美作インターチェンジより車で約30分
2020年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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