大聖堂と要塞橋!フランス「カオール」に残る二つの世界遺産

大聖堂と要塞橋!フランス「カオール」に残る二つの世界遺産

更新日:2019/12/26 11:00

木村 岳人のプロフィール写真 木村 岳人 フリーライター
フランス南部を流れるロット川の沿岸に、ロット県の県庁所在地「カオール」が存在します。スペインの聖地「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」を目指す巡礼路の途上に位置することから中世よりサンティアゴ巡礼とゆかりが深く、旧市街の中心に聳える「サン=テチエンヌ大聖堂」およびロット川に架かる「ヴァラントレ橋」の二件が、世界遺産「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の構成資産に含まれています。
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巨大ドームが連なる「サン=テチエンヌ大聖堂」

巨大ドームが連なる「サン=テチエンヌ大聖堂」

写真:木村 岳人

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カオールはロット川が大きく蛇行する半島状の地形に町が広がっています。地中海から大西洋へと抜けるルート上という要衝に位置しており、古代ローマ時代には既に都市が形成されていました。中世には銀行が集まる金融センターとして発展しましたが、百年戦争やユグノー戦争など数々の戦乱に見舞われ一時は衰退した歴史を持ちます。

町の象徴である「サン=テチエンヌ大聖堂」は1109年から1144年にかけてロマネスク様式で築かれました。当時はサンティアゴ巡礼が盛んに行われるようになった時期であり、カオールを経由する巡礼者たちはこの大聖堂も巡礼教会の一つとして祈りを捧げました。

巨大ドームが連なる「サン=テチエンヌ大聖堂」

写真:木村 岳人

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その後の13世紀から14世紀にかけてゴシック様式で改築され、大聖堂は大きな変貌を遂げました。大聖堂の正面にあたる西ファサードもまた14世紀にゴシック様式で付け加えられたものですが、北側や南側にはより古いロマネスク様式の入口も残されています。

サン=テチエンヌ大聖堂の最大の特徴は、ラクダのコブのような二連のドーム天井。その直径は18m、高さは32mと、他に類を見ない特異かつ壮大な外観です。

ロマネスクとゴシックが融合する大聖堂の内部空間

ロマネスクとゴシックが融合する大聖堂の内部空間

写真:木村 岳人

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大聖堂の内部もまた改築の影響を大きく受けており、身廊の部分は12世紀に築かれたロマネスク様式の半円アーチが、内陣では13世紀に築かれたゴシック様式の尖塔アーチが見られ、比較的シンプルに纏められています。百年戦争終結後の復興期にあたる15世紀には大聖堂に付属する礼拝堂が数棟増築されており、また19世紀には修復工事が実施され、今に見られる姿に整えられました。

ロマネスクとゴシックが融合する大聖堂の内部空間

写真:木村 岳人

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ドーム天井の内側には13世紀のフレスコ画が残っており、聖ステファノの殉教図を中心に、ダビデ王と七人の預言者を目にすることができます。また身廊の左右に並ぶ祭室にも17世紀や18世紀に描かれた壁画が見られ、大聖堂内を華やかに飾り立てています。

回廊からドーム屋根を見上げよう!

回廊からドーム屋根を見上げよう!

写真:木村 岳人

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大聖堂に隣接する回廊は1497年から1502年にかけて増築されたもので、後期ゴシックのフランボアイヤン様式で築かれています。炎が燃え上がるような装飾に加えてリヴ・ヴォールト天井もより複雑な曲線を描いており、シンプルな見た目の大聖堂とは対照的です。建立当初はさらに多くの彫像で華美に飾り立てられていましたが、そのほとんどは調和と秩序を重んじるルネサンス期に取り外されたといいます。

回廊からドーム屋根を見上げよう!

写真:木村 岳人

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また回廊からは二連のドーム屋根を望むことが可能です。間近に見上げる巨大なドームは迫力満点。旧市街の入り組んだ場所に位置する大聖堂の全体を見渡すことができる数少ない場所でもあります。

<サン=テチエンヌ大聖堂の基本情報>
住所:17 Place Jean Jacques Chapou, 46000 Cahors
電話番号:+33-5-65-35-27-80
アクセス:カオール駅からバス「LIGNE4」で約5分、「LIBERATION」バス停下車、徒歩約3分

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要塞化された巨大石橋「ヴァラントレ橋」

要塞化された巨大石橋「ヴァラントレ橋」

写真:木村 岳人

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カオールの西口にあたる「ヴァラントレ橋」は、1308年から1378年まで実に70年もの歳月を掛けて築かれた石橋です。中世のカオールは町の出入口としてロット川に三つの橋が架けられていましたが、現存するものはこの橋が唯一。その規模は幅6m、長さ172m、6つの大アーチと2つの小アーチを持つ壮大なアーチ橋であり、サンティアゴ巡礼者がカオールを後して次の町へと向かう巡礼路でもあります。

要塞化された巨大石橋「ヴァラントレ橋」

写真:木村 岳人

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ヴァラントレ橋の両端と中央には監視のための塔が設けられ、兵士が詰めて町を防衛していました。中世に橋が要塞化されることは珍しくありませんが、当時のまま残る要塞橋は少なく貴重な存在です。

愛嬌ある悪魔が物語る橋の建立伝説

愛嬌ある悪魔が物語る橋の建立伝説

写真:木村 岳人

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中央の塔を見上げると、その上部の隅に悪魔がしがみついているのが見えます。なんとも愛嬌ある表情の悪魔ですが、これには次のような伝説が語られています。

水量の多いロット川ではヴァラントレ橋の建設が思うように進まず、工事を請け負った棟梁は自分の魂と引き換えに工事を手伝うよう悪魔と取引しました。完成の間際、命が惜しくなった棟梁は悪魔にふるいを持たせ、水を取りに行くよう命じました。当然ながらふるいでは水をすくうことはできず、棟梁は水を持ってこれなかった悪魔を契約違反だと責め立て、魂を奪われずに済んだのです。

これに納得しなかった悪魔は完成した橋の石を一つ抜き取り、代わりの石をはめ込んでも崩れ落ちる呪いを掛けました。その悪魔の恨みを鎮めるべく、石を引き抜こうとする悪魔の彫刻を取り付けたといいます。

実際70年もの長きに渡ってようやく完成した、ヴァラントレ橋ならではのユニークな伝説ですね。

<ヴァラントレ橋の基本情報>
住所:46000 Cahors, フランス
電話番号:+33-5-65-53-20-65
アクセス:カオール駅から徒歩約5分

中世の大聖堂と石橋が醸す、カオールの歴史を味わおう

極めて古くからの歴史を持ち、サンティアゴ巡礼の経由地でもある「カオール」。サンティアゴ巡礼にまつわる二つの世界遺産以外にも、旧市街には中世からの町並みが良好に残されており散策のし甲斐があります。

またカオールはワインの産地としても古くから知られ、「カオール・ブラック」と呼ばれる濃い色合いの熟成ワインが世界的に有名です。南フランスを訪れる際にはカオールに立ち寄り、町の歴史とワインを楽しんでみてはいかがでしょうか。

2019年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。

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