写真:Kaycom D
地図を見る静岡県富士宮市にある「白糸ノ滝」(「白糸の滝」と「音止の滝」を含む周辺地域)は、世界遺産富士山の構成資産にも登録されている景勝地。
※指定文化財としての地域は「白糸ノ滝」、滝そのものは「白糸の滝」と表記
中でもメインの観光スポットは、富士山の湧き水が岩壁のあちこちから白糸のようになって流れ落ちる「白糸の滝」で、その大きさは幅約150m、高さは約20mにもおよびます。
現在は観光地として有名ですが、かつては富士講信者を中心とした修行の場としても知られていました。そのため、富士山信仰の対象としての役割もあったことから、世界遺産の構成資産のひとつとなっています。
白糸の滝のビューポイントはいくつかありますが、主なものは、滝壺間近のデッキ、「滝見橋」の上、橋のたもとの展望台、売店通りの階段の手前、そして滝壺に向かって左の階段を上がった場所にある展望台です。
この展望台からは、滝を上から一望できるほか、富士山の姿も一緒に見ることが可能。
白糸の滝の見学は、お土産屋さんが連なる芝川側からか、上から眺める展望台側からになりますが、どちらからスタートしても上の道路で行き来できるので、再度滝壺まで下りる必要はありません。
写真:Kaycom D
地図を見る滝を上から眺める展望台の近くに「お鬢水(おびんみず)」と呼ばれる湧き水の池があります。
かつて、源頼朝が富士の裾野で巻狩を行った際に、この池の水で鬢のほつれを直したことからこの名がついた、という伝説があります。
写真:Kaycom D
地図を見るまた、富士講の開祖である長谷川角行霊人が禊をしていた霊場とも伝えられ、池の岩の窪みには、木之花竜神、真之御柱竜神、磐長竜神が祀られています。
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地図を見る池までは石段を下りていかなければなりませんが、その水の美しさとあたりを包む神聖な空気は、実際に足を運ぶ価値のあるものです。
写真:Kaycom D
地図を見る「音止の滝」は、「白糸の滝」と岩壁を隔てた隣に流れる芝川の滝。高さ約25m、幅約5mで、白糸の滝に比べると豪快そのもの。流れ落ちる音も轟音で、それに伴う伝説からこの名がついたと伝えられています。
「お鬢水」の伝説にも出てきた「富士の巻狩」の際、巻狩に参加していた工藤祐経に父を殺された曽我兄弟が、滝のそば(曽我の隠れ岩)で仇討の相談をしていました。しかし、滝の音がものすごく大きくお互いの声が聞こえなかったため、そのことを神に嘆いたところ音がびたりと止み、無事相談を終えることができました。
このことから、「音止の滝」(または「音無の滝」)と呼ばれるようになったということです。
写真:Kaycom D
地図を見る白糸の滝から音止の滝へ坂を上がっていくと、右側に「厳磐叢神社(ゆついわむらじんじゃ)」があり、滝を真上から眺めることができます。
写真:Kaycom D
地図を見る音止の滝からさらに上流へ行くと、黒塗りの「曽我橋」が現れます。
写真:Kaycom D
地図を見るその橋を渡り案内通りに歩いていくと、右側に「曽我の隠れ岩」が見えてきます。
かつてこの場所の東側には、曽我兄弟の敵である工藤祐経の陣屋があり、曽我兄弟がその陣屋を偵察したあと、仇討の相談をした場所とされています。
写真:Kaycom D
地図を見る「曽我の隠れ岩」からさらに奥へ進むと、今度は工藤祐経の墓が木立の中にひっそりと建っています。ここは、工藤祐経が曽我兄弟の仇討に遭い、埋葬されたと伝えられる場所。
曽我兄弟の兄の十郎は、仇討直後に仁田四郎に殺され、弟の五郎は捕らえられた翌日に処刑されました。ここから約1kmのところには、二人の霊をなぐさめるために頼朝が建てさせた曽我八幡宮があります。
このお墓までは、白糸の滝の観光案内所から徒歩約5分ほどの道のりです。
住所:富士宮市上井出273−1(白糸の滝駐車場)
アクセス:
・JR富士宮駅から富士急静岡バスで約30分
・東名高速道路富士IC、新東名高速道路新富士ICから車で約30分
2020年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
Kaycom D
秘境・絶景・温泉巡りをして、行く先々の写真撮影と旅行記を作成。10代のころから写真を撮り始め、旅行に行くときは一眼レフカメラとコンパクトカメラを携行。これからも、世界中の絶景や旅先で出会った人々、異文…
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