写真:bow
地図を見る南大東島は典型的な隆起サンゴ礁の島。島の周囲は断崖絶壁になっており、船が接岸できないことから人がゴンドラに乗って上陸することなどでも知られている島です。当然そんな島なのでビーチがなく、せっかく沖縄なのに泳げないの?と思われる方もいるかと思います。でも、ちゃんと泳げる場所があるのです。
その名も「海軍棒プール」。なんだかちょっと怖いイメージの名前なのですが、海軍棒とは画像右上の岩に刺さっている棒のこと。少し小さいですが見えますでしょうか?明治25年(1892年)旧海軍の軍艦「海門」がにこの島を訪れた際、測量用に建てた棒(現在は復元された棒)なのです。
この棒は、ここが日本固有の領土であることを示すために「大日本帝國海軍」と書かれていたのだそうです。このことから、この場所は「海軍棒」と呼ばれています。
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地図を見るそんな”海軍棒”の真下、岩礁をくり抜いて造られた人工のプールが「海軍棒プール」!南大東島には砂浜がないため、子供達が安心して泳げる施設を、ということで造られたのだそうです。しかし、プールとはいえコンクリートで固められたわけではなく、掘る作業もダイナマイトを使ってプールのような形に岩をくりぬいたものなのだとか。造り方もワイルドです!
そしてプールと名はついているものの、実際は海そのもの!泳いでいてもザブザブ波が入ってくる超ワイルドなプールです。プールの中にも当然魚達がワンサカ!シュノーケリングを楽しむにはもってこいなのです。
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地図を見る「海軍棒プール」の水深は1.5〜2.5mといったところ。沢山の熱帯魚、カニ、エビ、ナマコ、ウミウシ等々とにかく多彩な生き物たちが目を楽しませてくれます。ぜひシュノーケルを装備の上、お魚達と泳いでみて下さい!プールの中には成長中のサンゴも沢山見ることができます。
また、プールの周囲の岩場には小さなタイドプールが点在していて、沢山の生物の観察をすることもできます。それだけでもかなり楽しめてしまうのは結構ポイントかもしれません!
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地図を見る目の前には太平洋、背後には数十mを超える断崖。そんな中で泳いでいる自分が滑稽に思えるほど、大自然と一体になれるプールが「海軍棒プール」です。
またこの周辺には国指定の天然記念物「南大東島東海岸植物群落」があり、中でも”ボロジノニシキソウ”は日本でも南北の大東島でしか見ることができない貴重な種類だそうです。ちなみに南大東島は別名ボロジノアイランドと呼ばれ、1820年にロシアの海軍佐官ポナフィディン氏が現在の大東諸島を発見し、指揮していた艦船「ボロジノ号」にちなんでボロジノ諸島と命名したとされています。
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地図を見る2013年に公開された、南大東島が舞台の映画『旅立ちの島唄〜十五の春〜』では子供達が遊ぶシーンで「海軍棒プール」が登場します。観光客の少ない南大東島では地元の子供達がいなければ、他の観光客と鉢合わせする可能性は極めて低いので貸切状態になることもしばしば。
この「海軍棒プール」で太平洋の水平線を眺めつつ、独り占めしながら泳げば、自分が今”絶海の孤島”と呼ばれる場所にいることを実感しながら泳げることでしょう。ぜひ、心行くまで堪能してほしいと思います。
「海軍棒プール」は満潮時には海の中に消えてしまいますので、干潮時を狙って行って下さい。また突発的な大波には十分に注意を。海が荒れている時は利用を自粛しましょう。また、トイレはありますが、更衣室やシャワーはありません。水着はあらかじめ”仕込んで”いった方が無難です。
また、定期的に島の方が危険な生物の駆除をしてくれているようですが、ガンガゼ等の毒を持った生物もいますのでご注意を。そして岩も滑りやすい部分もあればゴツゴツした部分もある為、マリンシューズなどを着用している方が安全です。周囲に民家はありませんし、監視係もいないあくまで自然のプールですので自分で自分の身を守る事も忘れずに!
また、南大東島には「海軍棒プール」ともう一か所、「塩屋プール」と呼ばれる人工プールがあります。ちょうど「海軍棒プール」は東海岸、「塩屋プール」は西海岸に分かれており、海のコンディションによってはどちらか一方が泳げなくても、もう一方では大丈夫な場合もあります。海の状況によって使い分けるのも一つの手です。
以上を踏まえていただき、日本一ワイルドなプール「海軍棒プール」を、そして南大東島の自然に触れてみてはいかがでしょうか?
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(2024/9/9更新)
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