写真:安藤 美紀
地図を見る清流・長良川は、1300年以上にわたって「ぎふ長良川鵜飼」が行われている、岐阜市の名所。よく観光客が利用する鵜飼の乗り場は、かつて「中河原湊」と呼ばれた水運の要所でした。
上流から、和傘の原料である木材や、美濃和紙、エゴマ油、竹などが運ばれ、和傘が地場産業として大きく発展!長良川の結晶が、岐阜和傘なのです。
今でも和傘の生産量の7割近くを、ここ岐阜が担っています。
写真:安藤 美紀
地図を見る長良川河畔、通称・川原町と呼ばれるエリアは、築120年以上の古民家が軒を連ね、しっとり落ち着いた雰囲気。
江戸時代には、材木問屋や和紙問屋が建ち並ぶ問屋街でしたが、現在は岐阜うちわのお店やお土産屋さん、鮎菓子のお店、おしゃれなカフェにリノベーションされ、旅人を楽しませてくれます。
写真:安藤 美紀
地図を見るそんな川原町の中心部に位置する「和傘CASA」は、NPO法人が運営する岐阜和傘の専門店。古い町並みに溶け込むような店構えで、格子にかかるポップな和傘が目印です。
写真:安藤 美紀
地図を見る店内には常時60本ほどの岐阜和傘が並び、見て触れて、購入もできます。「和傘CASA」にある傘は、色柄のバリエーションが豊富で、女性らしい可愛らしさもプラス!
柄物は、基本的に1点ものばかり。ここに来たら、自分にぴったりの「宝物探し」をする感覚で、過ごしてくださいね。
こちらが、SNSで大ブレイクした桜和傘。まるで傘の花が開いたようで、乙女心をくすぐられます。
桜和傘は、もともと映画「メリー・ポピーンズ リターンズ」のイメージで制作され、SNSで爆発的な人気に!女性を中心に繊細で優美な美しい和傘に注目が集まり、お値段1本20万円と高額ながら、1年待ちの状態になっています。
桜和傘を作ったのは、傘職人のホープ、河合幹子さん。斬新なデザインなので新作?と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。職人不足により長く途絶えていた伝統の傘を、河合さんが試行錯誤の上、復刻させました。
写真:安藤 美紀
地図を見る桜和傘、桔梗和傘はともに日傘。桜和傘はサイズが小ぶりで、軽くて持ち歩きやすいのが特徴です。一回り大きい桔梗和傘は、大河ドラマ「麒麟がくる」に合わせて、明智光秀の家紋である桔梗をヒントに作られました。
どちらも、美濃の手漉き和紙を使って贅を尽くした最高級品!傘を開いてみると、美濃和紙を引き立てるデザインの美しさにため息がもれます。
写真:安藤 美紀
地図を見る桔梗和傘の内側はパープルですが、外側から見るとブルーになっています。同様に、桜和傘の内側は濃いピンクですが、外側はやさしいピンク。
単に色の違いを楽しむだけではなく、光の当たり具合で色彩が変わるように、河合さんが計算して作られたんですよ。
写真:安藤 美紀
地図を見る岐阜で独立して、お一人でほとんどの工程を製作しているのは、河合さんと、田中美紀さんだけ。二人ともそれぞれ個性があって、作品の雰囲気も全然違います。田中さんが作る和傘は、いわゆる玄人向き。繊細でありつつも、華やかでエレガントなセンスが光ります。
写真にあるマーブル模様の傘は、田中さんの作品の一つ。いかがですか?ほんわかした雰囲気で女性らしいですよね。和紙を包み込む優しい光に癒されそう!
そして、田中さんといえば、FIATと共同で和傘を制作したことでも知られています。
トリコロールカラーが存在感を放つ和傘は、現在「フィアット岐阜」のみで展示。岐阜へ来る際に、足を運んでみてもいいかも!
写真:安藤 美紀
地図を見る2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」は、岐阜が舞台。そこで、「和傘CASA」では、岐阜にゆかりのある3人の武将をイメージした和傘を制作しました。
黒色は斎藤道三。紫色は明智光秀。赤色は織田信長。それぞれ、武将のテーマカラーと家紋が入っています。家紋はプリントではなく、色違いの和紙を切り貼りしたこだわりの逸品。シンプルなデザインなので、服を選ばないのも嬉しいですね。
この意外な和傘は、武将ファンやお城が好きな人にとって、“萌え”な1本になるはず。
写真:安藤 美紀
地図を見る和傘=着物じゃなきゃ!と思っていませんか?
モダンな岐阜和傘は、カジュアルな洋服にも合わせやすく、鞄や靴を使い分けるように普段使いしやすいのが特徴です。お出かけするときに服に合わせて選べば、雨の日や炎天下のお出かけも楽しくなりますよ。
写真:安藤 美紀
地図を見る補強と飾りの意味を持つ「糸かがり」。この繊細で華麗な幾何学模様は、傘をさした人だけが味わうことができる美しい景色!和傘の下から、ずっと眺めていたくなります。
動画:安藤 美紀
地図を見る江戸時代から脈々と受け継がれてきた岐阜和傘。職人不足により、一時存続の危機をむかえたこともありましたが、クラウドファンディングによる協会の設立などで、現在、若い世代にバトンが受け継がれています。
大人のときめきに出会いたい方は、岐阜和傘の旅へ。あなたの想像の斜め上をいく、ステキな1本に出会えますことを!
住所:岐阜市湊町29、長良川てしごと町家CASA内
営業時間:11:00〜18:00
定休日:火曜・水曜
電話番号:090-8335-9759
2020年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください
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この記事を書いたナビゲーター
安藤 美紀
1975年愛知県生まれ。東京や埼玉に移り住み、エンジニアと二足のわらじで「新しいトキメキと癒し」を求めて飛び回っていました。現在は、フリーライターとして独立。まったりした静岡に移住しています。非日常感…
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