写真:鮎川 キオラ
地図を見るJR中央線の御茶ノ水駅と神田駅の間にもう一つ駅があったことをご存知でしょうか。1912年(明治45年)、江戸時代より賑わう神田川沿いに「万世橋駅」が開業しました。その駅名は、神田川に架かる橋の名前に由来しています。
初代駅舎は、東京駅を設計した辰野金吾による赤レンガ造りの豪華なものでした。万世橋駅開業後は、駅前に市電が走り、多くの人が行き交う交通の要所として、銀座に並ぶほどの賑わいだったそうです。
東京駅の開業や関東大震災による駅舎の焼失等で乗客数が減り、約70年前の1943年(昭和18年)に廃止駅となりました。その後、交通博物館(埼玉県さいたま市にある鉄道博物館の前身)として利用されていたので、幼い頃出かけた記憶のある方もいるかもしれません。
写真:鮎川 キオラ
地図を見るその昔、街を彩るランドマーク的な存在だった赤レンガの高架橋。ドイツ人技師による指導で建てられたからか、どこか異国の香りがする美しく連なるアーチが印象的です。今でも高架橋の上には、線路があり現役で活躍しています。
この優雅でありながら、たくましい高架橋の内部を利用して約10店舗ほどの個性的なお店が軒を連ねます。地元神田で定評のあるワイン居酒屋のワインショップや高品質のコーヒー豆のみを取り扱うコーヒー店、日本の伝統工芸を取り扱う雑貨店など気になるお店がいっぱい。高架橋の内部は、まるでギャラリーのように雑貨やインテリアが配置されているので、ふらっと立ち寄るのにおもしろい。
そして、この施設の中でもひと際ユニークな場所が、高架橋上部の旧プラットホームにあるカフェです。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る旧万世橋駅のプラットフォームに出現したガラス張りの「N3331」は、両脇を線路に挟まれた場所に位置しています。その為、カフェの両側を中央線が通過するのです。明るく開放的なガラス張りの店の横を何本も通過していく電車たち。まさに、世界で一番電車に近いカフェなのです。
電車好きの子供なら、窓の外の電車が迫ってくる光景にもう夢中。実際のホームでは、子供が線路にでも落ちたら大変なのでここまで近づけません。こちらのカフェなら近距離で電車の通過をガラス越しに楽しめます。
写真:鮎川 キオラ
地図を見るホームの両隣を電車が通過するなんて経験は、日常的に経験している方も多いと思います。プラットホームの中央に立てば、ほぼ同じ光景を見ることができます。でも、目線が少し低くなったカフェスペースに腰を下ろして見る電車の風景は、迫力が違います。鉄道ファンでなくても、一見の価値ありの圧巻の景色。
1時間に何回かは、上りと下りの中央線がちょうどカフェの前ですれ違うタイミングがあります。その時は、店内から歓声があがります。
日中は、カフェ営業となりますが、夜は全国各地の日本酒をいただけるバーになります。夜景の中を走る電車を眺めながらの一杯も粋なものです。こちらのお店は、貸切り営業となる日も多いので、事前にイベントカレンダーをチェックしてお出かけください。
世界で一番電車に近いカフェ。その近さは、電車に乗っている人と目が合うかもしれないほどの至近距離です。実際には、人間の動体視力では、走り抜ける電車の中の人と目が合うことはありません。でも、電車が何かの事情で減速運転している場合は、少々気まずい。こんな場所にカフェをつくるなんて、ありそうでない発想だと思いませんか。
世界的にも珍しい、両側を電車が走り抜けるカフェでぜひ一服してみてください。ごく普通の通勤電車が通過するだけで、ワクワクするなんてここでしか味わえない感動です。
【N3331】
03-3257-8910
月〜土 11:00〜23:00(L.O. 22:30)、日・祝 11:00〜21:00(L.O. 20:30)
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(2024/9/14更新)
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