写真:藤谷 愛
地図を見るキリシタン大名・大友宗麟が16世紀に建設した丹生島城。宗麟の城下町を経て、現在に続く臼杵の城下町は江戸時代に形成されました。
ポルトガルのイエズス会は、宗麟の庇護のもと1560年代に教会を作り、1580年にはノビシャドと呼ばれる修練院(日本人修道士の育成施設)も建設。臼杵は日本におけるキリスト文化の中心都市でした。
そのノビシャドを復元したのが「サーラ・デ・うすき」。「うすき雛めぐり」のおすすめ散策ルートのスタート地点です。
写真:藤谷 愛
地図を見る復元されたノビシャドと日本の伝統的な蔵造りの建物が中庭を囲むサーラ・デ・うすき。ここでは雛めぐり散策MAPを手に入れると共に、希少な江戸時代の雛飾りを見ることができます。
写真:藤谷 愛
地図を見るここに置かれる雛飾りは、市民がうすき雛めぐりの為に特別に貸し出しているもの。市民の中には古くからの雛飾りをコレクションしている方もあり、伝統的な七段飾りだけではなく、浦島太郎や舌切り雀といったおとぎ話のワンシーンを描いたユニークな人形飾りもあり見応え十分です。
<サーラ・デ・うすきの基本情報>
住所:大分県臼杵市大字臼杵210-3
電話番号:0972-64-7271
開館時間:9:00〜18:00
写真:藤谷 愛
地図を見る前述したサーラ・デ・うすきがある商店街「八町大路」。その商店街にある2軒の呉服屋さんは雛めぐりの外せないスポットです。
まずは「染と織 ふじわら」。藤原家で昭和38年に初節句を迎えた女の子のための雛飾りはなんと御殿雛!
昭和40年代以降はその製作の複雑さなどから段飾りが主流となった為、現在では希少な雛飾りです。
写真:藤谷 愛
地図を見るその女の子が母となって最初の女の子の初節句は平成2年。この時の豪華な七段飾りも見逃せません。
また、お店のお得意様から貰い受けたという、写真の大正時代の雛飾りも希少。お雛様の豪華な髪飾りと三人官女の優しく優雅な表情も必見です。
<染と織 ふじわらの基本情報>
住所:大分県臼杵市大字臼杵455
電話番号:0972-62-2622
営業時間:9:00〜18:00
写真:藤谷 愛
地図を見るもう一軒の呉服屋さんは、創業1655年の「きものの赤穂屋」。1739年には当時のお姫様の婚礼衣装も担当したほどの呉服屋さんです。
町屋造りの店舗のショーウィンドウには、16代目である若旦那さんのお母様の木目込み雛人形や姉妹の雛人形(九谷焼等)など、伝統工芸が並びます。
また、併設する蔵はギャラリーとして使用されており、雛めぐりの期間中には手作りの雛飾りの展示販売もしています。時代やスタイル共にいろいろいな種類の雛人形が並ぶので、じっくりと見学したいスポットの一つです。
<きものの赤穂屋の基本情報>
住所:大分県臼杵市大字臼杵畳屋町242
電話番号:0972-62-2324
営業時間:月〜土曜 9:00〜18:00、日曜・祝日 10:00〜17:00
写真:藤谷 愛
地図を見る都市景観100選の1993年度受賞地区となった臼杵市。特に「二王座歴史の道」はその代表的なエリアです。この二王座界隈には、約200メートル程度の短い道沿いにお寺が6か所もあり、静寂の中に佇む美しい日本の風景の中に身を置くことができます。
写真右手の建物は6つのお寺の中で唯一廃寺となった「旧真光寺」。現在では観光客のお休み処として、またイベント時にはギャラリーとして数多くの展示が行われます。
写真:藤谷 愛
地図を見るうすき雛めぐりの期間中は、臼杵の伝統雛飾り「うすき紙雛」が段飾りとして大量にお出迎え。
写真:藤谷 愛
地図を見る1849年に江戸幕府が発した質素倹約令に従い、臼杵藩でも雛飾りは紙雛のみ、というおふれが出ました。衣装雛を持っている家庭でも隠れて飾ることは禁止、という厳しいものでした。
その結果、臼杵市では和紙を用いた紙雛が浸透。
雛めぐりでは、市民の手による紙雛が江戸時代の文献から忠実に再現、町じゅうに展示される数は3000体にものぼります。特に旧真光寺の飾りは廃寺の建物の雰囲気と相まって、数の上でもカラフルさでも必見飾りなのです。
<旧真光寺の基本情報>
住所:大分県臼杵市二王座
開館時間:8:30〜17:00
写真:藤谷 愛
地図を見る古き良き建築物、文化財が数多く残る臼杵市。将来へ残していくべき臼杵の資源として、修復を施しながら維持していく活動が市民レベルでも広がっています。
写真の「久家の大蔵」は臼杵を代表する造り酒屋「久家本店」の酒の貯蔵庫だった建物で、1868年築。平成12年の修復時にポルトガルのアズレージョタイルで装飾を施し、現在はイベントや展示などが行われる場所となっています。
写真:藤谷 愛
地図を見る久家の大蔵に飾られる雛飾りも、やはり多数のうすき紙雛。
写真:藤谷 愛
地図を見るここでは段飾りに加えてテーブルでの展示を行っているため、紙雛の細かい部分も見ることができます。何層にも和紙を重ねて表現した着物の美しさも見どころです。
<久家の大蔵の基本情報>
住所:大分県臼杵市浜町
開館時間:9:30〜17:00
写真:藤谷 愛
地図を見る1600年に美濃の国から臼杵へ移封された稲葉家。明治時代の廃藩置県によって東京へ移り住みました。彼らが臼杵に戻ってくるときに滞在したお屋敷が「旧稲葉家別邸」(通称:稲葉家下屋敷)。1902年築ですが、武家屋敷の様式が美しい建築物です。
千坪にもなる敷地に建つ屋敷の門や庭園、御居間などが国の登録有形文化財となっており、臼杵市の観光名所の一つでもあります。
写真:藤谷 愛
地図を見るうすき雛めぐりの期間中、この下屋敷にも様々な雛飾りが並べられます。建物の入り口でもある登録有形文化財の大書院では、1804年〜1818年の文化年間に製作された雛人形がお出迎え。
写真:藤谷 愛
地図を見るその他、大正時代や戦前の雛飾りなど、様々な年代の人形を見学することができます。
そして一風変わったものでは、御居間での「おきあげ雛」の展示。
おきあげ雛は筑後川流域で広まった、浮世絵や歌舞伎を題材にした雛飾り。型紙に付けた綿を着物のハギレなどで包んだ素朴な人形です。うすき紙雛と同様、豪華な雛飾りが禁止された時代でも、親の想いと共に作られた素朴な人形。一体一体それぞれに子供の健やかな成長を願う美しさが宿っています。
<旧稲葉家別邸の基本情報>
住所:大分県臼杵市大字臼杵6-6
開館時間:8:30〜17:00
うすき雛めぐりでは城下町の観光スポットを巡りながら、その豪華さだけにとらわれず、雛飾りの歴史や特徴あるお飾りを楽しむことができます。
加えて、市街地の飲食店では雛めぐりの期間中に特別メニューを提供するお店も多数。雛めぐりパンフレット(MAP付き)を参考に、海の幸、山の幸が美味しい臼杵のお料理も楽しんでくださいね。
2023年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/14更新)
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