韓国の街中に無数の古墳!新羅の旧都・慶州で魅惑の古墳めぐり

韓国の街中に無数の古墳!新羅の旧都・慶州で魅惑の古墳めぐり

更新日:2020/02/14 10:12

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員
「慶州(キョンジュ)」といえば、古代に朝鮮半島を統一した王国・新羅の都が置かれていたところ。それを証明するかのように、市街地のいたるところに王族クラスの被葬者を埋葬した古墳が点在しており、独特の街並みを形成しています。今回は慶州における古墳マニア必見のスポットをご紹介しましょう。

市街地のなかに点在する古墳群

市街地のなかに点在する古墳群

写真:乾口 達司

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慶尚北道に位置する「慶州」は、古代、朝鮮半島を支配した新羅の都であったところ。都の上に広がる旧市街地とその周辺地区に点在する歴史的遺構は「慶州歴史地域」の名で世界遺産に登録されており、いまなお発掘調査が進められています。

とりわけ、慶州の街並みを独特なものにしているのが、古墳!新羅の都であったため、付近には歴代の大王やその関係者の古墳が点在しています。

写真は「南山」から慶州の市街地を俯瞰した一枚ですが、街中に見られるこんもりとした土盛りはすべて古墳。慶州の街と古墳とがいかに深く共存しているか、おわかりいただけるでしょう。

市街地のなかに点在する古墳群

写真:乾口 達司

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街中を散策しても、ご覧のように、あちらこちらに古墳が見られます。自動車の縦列駐車と古墳群との共存、何ともシュールに感じられませんか?

樹木で覆われた日本の古墳とは異なり、芝生に覆われた円墳なので、墳丘の形もはっきりしていますね。ただし、貴重な文化財なので、墳丘に登らないでください。

市街地のなかに点在する古墳群

写真:乾口 達司

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交差点の向こうに見える巨大な山のようなものも古墳です。不思議な光景だと思いませんか?

慶州で古墳群といえば、やはりここ!「大陵苑」

慶州で古墳群といえば、やはりここ!「大陵苑」

写真:乾口 達司

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慶州で古墳をご覧になるなら、まずは「大陵苑」に足を運びましょう。12万5400坪という広大な敷地を有する大陵苑には、大小23基の古墳が点在しています。その名は『三国史記』に「大陵に葬られた」と記されている新羅第13代大王・味鄒王の陵墓が苑内にあることにちなみます。

慶州で古墳群といえば、やはりここ!「大陵苑」

写真:乾口 達司

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大陵苑で必ずご覧いただきたいのが、写真の「天馬塚(チョンマチョン)」。その名は、翼の生えた馬が天空を駆ける様子を描いた馬具の「泥よけ」が出土したことに由来します。ほかにも、天馬塚からは金冠や腰帯などおびただしい数の副葬品が出土しており、新羅の隆盛を知るのに格好の古墳です。

天馬塚の場合、石室内の見学も可能。石室がどのように築かれているのかを学ぶことができるほか、天馬が描かれた泥よけや金冠などの出土品の複製もご覧いただけます。ただし、石室内の撮影は禁止。ご注意ください。

慶州で古墳群といえば、やはりここ!「大陵苑」

写真:乾口 達司

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ほかにも、苑内には双円墳である「皇南大塚」などの古墳があり、それらのあいだをぬうように遊歩道が整備されています。古墳を眺めながら、ゆっくり散策しましょう。

<大陵苑の基本情報>
住所:慶尚北道慶州市皇南洞
アクセス:新慶州駅より車で約20分
入園料:有料(大人2000ウォン)

こちらは入園無料!慶州路東里・路西里古墳群

こちらは入園無料!慶州路東里・路西里古墳群

写真:乾口 達司

大陵苑の北側にもたくさんの古墳が点在しています。大陵苑の北側に広がっているのは、慶州路東里古墳群と慶州路西里古墳群。こちらも古墳公園として綺麗に整備されていますが、大陵苑と異なり、入園は無料!

写真は慶州路西里古墳群を撮影したものですが、古墳の重なった様子、古墳好きにはたまらない光景ではないでしょうか。ちなみに、一番向こうに見えているのは山です。

こちらは入園無料!慶州路東里・路西里古墳群

写真:乾口 達司

写真は慶州路西里古墳群のなかにある「雙床塚」。石の寝台が二台発掘されました。

こちらは入園無料!慶州路東里・路西里古墳群

写真:乾口 達司

こちらは「壺棹塚」。朝鮮半島が日本の植民地支配から解放されて以降、韓国側の考古学者によってはじめて発掘調査された古墳で、高句麗とのつながりを示す土器が見つかっています。

<慶州路東里・路西里古墳群の基本情報>
住所:慶尚北道慶州市皇南洞
アクセス:新慶州駅より車で約20分

韓国ドラマでお馴染み!善徳女王陵や三陵

韓国ドラマでお馴染み!善徳女王陵や三陵

写真:乾口 達司

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ほかにも、ぜひ訪れていただきたい古墳があります。その筆頭に挙げておきたいのが、こちらの「善徳女王」の陵墓。善徳女王は第27代の王。その名や業績は日本国内でも放送された韓国ドラマ『善徳女王』でご存知の方も多いのではないでしょうか。

女王は仏教を篤く敬い、皇龍寺の九層塔や芬皇寺などの寺院を完成させています。東アジア最古の天文台とも推定されている世界遺産「瞻星台(せんせいだい)」も女王の時代に築かれたといわれています。

女王の陵墓は狼山と呼ばれる小高い丘陵上にひっそりたたずんでいます。

<善徳女王陵の基本情報>
住所:慶尚北道慶州市山皇南洞
アクセス:新慶州駅より車で約30分

韓国ドラマでお馴染み!善徳女王陵や三陵

写真:乾口 達司

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こちらは南山の西麓にある「三陵」。その名のとおり、3基の円墳が並んでおり、それぞれ新羅の王の陵墓です。三陵は南山登山の出発地点でもあるため、南山に登ろうという方はあわせてご覧ください。

<三陵の基本情報>
住所:慶尚北道慶州市拝洞
アクセス:新慶州駅より車で約30分

時間帯によってさまざまな姿を見せる古墳群

時間帯によってさまざまな姿を見せる古墳群

写真:乾口 達司

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古墳は時間帯によってさまざまな姿を見せてくれます。こちらの古墳は慶州歴史地域にあるもの。夕闇迫る時間帯はこのように見えます。

<慶州歴史地域の基本情報>
住所:慶尚北道慶州市仁旺洞
アクセス:新慶州駅より車で約20分

時間帯によってさまざまな姿を見せる古墳群

写真:乾口 達司

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こちらは慶州路東里古墳群に含まれる「鳳凰台」。その規模から、大王クラスの古墳と考えられていますが、発掘調査がなされていないので、詳細は明らかになっていません。

古墳によっては、夜間、ライトアップされているものもあり、この「鳳凰台」もそのうちの一つ。闇夜に浮かびあがる姿は、昼間とはまた違っていて魅力的ですね。

<鳳凰台の基本情報>
住所:慶尚北道慶州市皇南洞
アクセス:新慶州駅より車で約20分

慶州の古墳を見てまわろう!

慶州ならではの古墳群、いかがでしたか?今回、ご紹介した古墳以外にも、新羅建国期の王たちの墓であるといわれる「五陵」など、市街地とその周辺にはさまざまな古墳が点在しています。慶州を訪れ、新羅の隆盛をしのぶことのできる古墳群を見てまわってはいかがでしょうか。

2020年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/11/18 訪問

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