スペインの地中海沿岸の小さな美村「ペニスコラ」

スペインの地中海沿岸の小さな美村「ペニスコラ」

更新日:2020/03/03 10:30

ペニスコラはスペイン・バレンシア自治州北部の地中海沿岸の小さな美村。
夏は大人気の避暑地ですが冬はとても静かでどこから見ても絵になり、四季折々の美しさが感じられる村です。海に囲まれた高台にあるので夕日も朝日もとても綺麗。また岬から見るペニスコラの村も格別です。
昔から様々な映画やテレビドラマで舞台となっていますが、2015年は人気のテレビドラマ「ゲーム・オブ・ザ・スローン」の舞台にも!

ペニスコラへ行こう!

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ペニスコラはバレンシア自治州カステジョン県のオレンジ海岸沿いにある7500人未満の小さな美村。2013年からスペインの美しい村の1つに数えられています。カステジョンという地名は馴染み薄いかもしれませんが、実は美村の宝庫です。

ペニスコラはバレンシアからは車で北に2時間弱、バルセロナからは南へ3時間弱。ペニスコラの旧市街は地中海に半島状に突き出した高台にあり三方を海に囲まれています。アンダルシアの白い村を思い起こさせる白い可愛い家々の上にお城がそびえたっています。

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ペニスコラは避暑地として有名ですが、冬も静かで過ごしやすく、旧市街や埠頭、漁港など全てが近くにありますので散策もしやすい規模の村です。

バレンシアやバルセロナに滞在の際にちょっと足を延ばして日帰りで行くのも良いですが、夕日や朝日も素晴らしいので一泊するのもおススメ。サマーバケーションを楽しむのも、シーズンオフにマッタリするのもお好みでどうぞ。

小さい村でも歴史は長いペニスコラ

小さい村でも歴史は長いペニスコラ
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紀元前7世紀から町として機能しているペニスコラ。ギリシア・ローマ時代から重要な港町でイベリア人やフェニキア人、ギリシア人、カルタゴ、ローマ人、イスラム教徒と様々な民族が行き交っていました。しかしペニスコラの歴史で重要なのは1233年にジャウメ1世によるレコンキスタ完了後です。

718年から1233年までの500年強はイスラムの支配下となっていた為、アンダルシアの白い村となんとなく似ているのは納得ですね(アンダルシアの白い村はイスラム教徒の住んでいた地域の村の造りです)。村の名前もイスラム時代のバヌスクラ(バニスクラ)が語源となっています。

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ペニスコラに着いたらまずは村歩き。

観光名所のかたまっている旧市街に入るには、まず城壁内部に入らなければなりません。ペニスコラの旧市街はアラブ時代のアルカサバ跡に建設されており、村を取り囲む城壁も中世、ルネサンス期、18世紀のものからなっています。新市街側からはフォスクの門をくぐり城壁に入ってすぐの所に教区教会、その近くには展望台が有り海が一望出来ますよ。

村の家は白い壁に青や薄緑、トルコブルーの扉の家が並びます。カラフルでおしゃれな店の看板なども見て楽しむのが村歩きの醍醐味です。旧市街は坂道が多いので歩きやすい靴でどうぞ。

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季節により表情豊かな海を楽しませてくれるペニスコラ。旧市街は小さいのですぐに見て回れますが、村歩き中にはパパ・ルナ(ルナ法王)のお城と庭園、貝の家、港や岬、ペニスコラの文字などは押さえておきたいですね。

時間が許すなら夕日と朝日も是非どうぞ。夕日はお城の上から、朝日は貝の家の辺りからがオススメです。

ペニスコラの旧市街観光

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お城と庭園の場所は少し離れていますがチケットはセットになっています。料金は5ユーロ、別々の日に行くことも可能です。

お城へ入場するおススメの時間は夕日の時間。お城の最上部から村の屋根と黄色く染まった海に落ちる夕陽は格別です。

お城の上からは旧市街の三方が海に囲まれているのがよくわかります。片側が黄色く染まる海なら反対側は城の緑と白のドーム状の屋根と庭園、その向こう側にはトルコブルーの海が見えますよ。海の上にそびえ立つペニスコラの中世のお城はレコンキスタ完了後のキリスト教徒の時代の1307年に、中世のイスラム教徒のお城の跡にテンプル騎士団のお城として建てられました。

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お城の名前になっているルナ法王は1411年にアビニョンの法王ベネディクト13世として着任します。ローマとアビニョン双方にローマ教皇が立ったカトリック教会大分裂後、アビニョンとローマの大教皇論争が起こります。このことからルナ法王はペニスコラ城に亡命することを決意。その後も法王権を放棄することなく94歳で亡くなります。現在、お城の中では一部展示などもされていますが、特に何も残っていません。

庭園はお城の麓にあります。この庭園は元は城の麓を護る軍事的な機能を果たしていた場所。庭園内の坂を下ると、今でも大砲が置かれたままの、海まで壁一枚の所まで接近出来ます。ペニスコラ城が海により外敵から護られていたのが分かります。

<ペニスコラ城の基本情報>
住所:Calle Castillo, s/n, 12598 Peniscola, Castellon
電話番号:+34-964-480021
アクセス:Mar通りの海岸より徒歩5分

ペニスコラの旧市街観光
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お城の少し先にはCasa de las Conchas、通称「貝の家」があります。青く塗られた建物に貝殻やヒトデなどがびっしり塗り込められた貝の家。この貝の家には1950年代のティモテオとフスタ夫婦と3人の子供の一家の逸話があります。

非常に貧しい暮らしを強いられたフスタは、ペニスコラの歴史を勉強し観光客に語るというアイデアを思いつきます。訪れた観光客相手に説明している内に、ペニスコラで最初のガイドとなります。次第に仕事も増え、この貝の家の土地を買い一家はそこに家を建てますが、海に対する敬愛を示すため家の壁を貝で埋め尽くすことを決めます。家は1961年に完成し、完成と同時にフスタは家の向かいにペニスコラで最初のお土産物屋をオープンします。

生涯を通してペニスコラの観光の起爆剤となったフスタ。貝の家は現在も観光名所の1つとなっています。

<貝の家の基本情報>
住所:Calle Farones, 4, 12, 12598 Peniscola, Castellon
アクセス:ペニスコラ城より徒歩2分

ちょっと足をのばして港と岬へ

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ちょっと面白いのが港。旧市街から15世紀に建てられたサン・ペレの門を出ると港に出ます。午後4時頃になると港に魚介を積んだ船が次々に入港してきます。そしてそのまま港でせりにかけられます。

港のすぐ横にちょっと小洒落たレストランがありますので、そこでご飯を食べながら眺めているのも楽しいかもしれませんね。

ちょっと足をのばして港と岬へ
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ペニスコラの港の端に埠頭があります。港の横を歩いて行っても、階段を上って海の間の埠頭を行ってもいいのですが、先まで行くと灯台があります。

行きか帰りかどちらかは埠頭を行くのがおススメです。海に囲まれた埠頭からは前方に灯台、左に果てしない海、右手に新市街、後ろに旧市街があります。

海に浮かんでいるように見える新市街も、モンサンミッシェルのような印象の旧市街も、写真好きには何度もシャッターを切りたくなる素敵な風景です。夕暮れ時にだんだん空の色が変わっていく時間に行くのもとてもロマンチックですが、人があまり居ないのでちょっとお気をつけて。

「ペニスコラ」の文字と写真を!

「ペニスコラ」の文字と写真を!
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地域名をオシャレにデザインしたオブジェは多くの観光地にありますが、ここペニスコラにもあります。

旧市街の麓の海岸線を少し行った場所に、ペニスコラPENISCOLAのカラフルな文字があります。角度によってはまるでポストカードのように文字と旧市街がキチンと構図に収まりますので、人に写真を送る時にも絶対にオススメです!

「ペニスコラ」の文字と写真を!
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ペニスコラは昔から様々な映画やドラマで使われています。映画はエル・シドをはじめ全19本。2012年以降は有名どころではGame of the throne(2015)やスペイン国内で人気の歴史ミステリードラマMinisterio del tiempo(2017)等、様々なテレビドラマでも使われています。

ペニスコラへのアクセス

いかがでしたか?

ペニスコラは非常に美しい村ですが、唯一の難点は美しい村にありがちな「アクセスのしにくさ」。公共交通機関では電車でもバスでも1本では行きにくいので、可能ならレンタカーで行くのががベストです。

公共交通機関で行くならいったんバレンシア北駅からベニカルロまで行き、そこからペニスコラまではバス。バレンシア北駅からベニカルロまでは約2時間10分(電車により異なります)、そしてRENFE BENICARLO PENISCOLAからペニスコラまではAutos Mediterraneo社のバスで約20分強です。

バルセロナからも同様です。いったんベニカルロ駅まで鉄道で行き、そこからペニスコラませはバスです。バレンシアからもバルセロナからも公共交通機関利用なら3時間弱でペニスコラです。ちょっと大変ですがそれでも行く価値はありますよ。

2020年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/01/07−2020/01/08 訪問

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