写真:モノホシ ダン
地図を見る長町武家屋敷跡は、加賀藩時代に上流・中流階級藩士の武家屋敷が軒を連ねていたエリアです。広大な武家屋敷には、土塀と石畳の路地が続き、藩政時代の情緒ある雰囲気を味わえます。
厚い土塀の内部は砂利を混ぜて突き固め、堅牢に築かれています。外部は、板を張り巡らした上に、泥を塗り固めていくという手法が採られています。土壁面を風雨から守るため、上部には板屋根が架けられています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る冬には雪や凍結から土塀を保護するために「薦(こも)掛け」が行われます。薦掛けは、毎年12月から翌年3月まで設置され、金沢の冬の風物詩となっています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る長町武家屋敷跡の土塀沿いを流れる「大野庄用水」は、金沢で最も古い用水です。犀川から取水し、灌漑に物資運搬、市街地の防御や防火、融雪などに利用される多目的用水でした。武家屋敷跡を悠然と流れる大野庄用水は、昔と変わらない風情と情緒を感じさせます。
写真:モノホシ ダン
地図を見る長町界隈で武家屋敷跡と庭園を唯一、一般公開しているのが加賀藩の藩祖前田利家に仕えた直臣、野村伝兵衛信貞の屋敷跡「武家屋敷跡 野村家」です。
野村家は、代々奉行職を歴任し、この地に約1000坪(約3300平方メートル)もの広大な屋敷を拝領した名家でしたが、武家制度の解体とともに屋敷の住人は変わり、現在の建物は加賀藩の豪商、久保彦兵衛の屋敷を一部移築したものです。
写真:モノホシ ダン
地図を見る屋敷に入ってすぐのところに展示されているのが、野村伝兵衛が末森城合戦で着用した甲冑です。末森城の戦いは、1584年(天正12年)9月に、前田利家と佐々成政によって行われた合戦です。
前田利家の味方の羽柴秀吉が、小牧・長久手の戦いで織田信雄・徳川家康連合軍と対峙していたころ、家康に与することになった越中の佐々成政が秀吉派の利家を脅かすために、利家の領国であった能登国の末森城を約8000の兵で攻めてきました。
金沢城に在った前田利家は、わずか約2500の寡兵を率いて、落城寸前だった末森城を、佐々勢の背後から急襲して勝利を収めました。この北陸の桶狭間ともいうべき戦いで、馬廻衆として一番槍を果たしたのが野村伝兵衛で、利家は感状を授け、千石の加増を申しつけました。
写真:モノホシ ダン
地図を見る「上段の間」と「謁見の間」は、豪商、久保彦兵衛が藩主を招いた豪邸の一部から移築したもので、金に糸目をつけない総檜造りの格天井や山水画を施した襖が素晴らしい。
写真:モノホシ ダン
地図を見る武家屋敷跡 野村家で一番のみどころが世界レベルの庭園です。米国庭園専門誌の2003年度日本庭園ランキングで3位、2009年発行の外国人観光客向けガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で二つ星を獲得しています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る庭園は、樹齢400年以上の山桃やシイの古木が残り、濡縁にせまる曲水や落水、さくらみかげ石の大架け橋、各種の灯篭などがバランス良く配置されています。屋敷と庭園が見事に調和した加賀文化の深さを感じてください。
写真:モノホシ ダン
地図を見るまた、2階の茶室では、お抹茶(300円)をいただくことができます。茶室からは異なった視点から庭園を眺めることができます。さらに展示資料館「鬼川文庫」では、野村家伝来の刀剣や前田家からの書状などが展示されています。落ち着いた癒しの空間で、ゆったりとした時間を過ごしてください。
<武家屋敷跡 野村家の基本情報>
住所:石川県金沢市長町1丁目3番32号
電話番号:076-221-3553
開館時間:8:30〜17:30(4月〜9月) 8:30〜16:30(10月〜3月) ※入館は閉館の30分前まで
入場料:大人550円 高校生400円 小中生250円
休館日:12月26日・27日 1月1日・2日
アクセス:JR金沢駅から北鉄バスで「香林坊」下車、徒歩約5分
写真:モノホシ ダン
地図を見る武家屋敷跡 野村家のすぐ隣にあるのが「茶菓工房たろう 鬼川店」です。「茶菓工房たろう」は、金沢市で、今までにない新しいコンセプトの和菓子を作りたいという想いで生まれた創作和菓子店です。
写真:モノホシ ダン
地図を見るおすすめは、「たろうのようかん」で、羊羹でありながら生チョコのような「ホワイトチョコ」に「カカオチョコ」、すっきり素朴な甘さの「あずき」などがあります。試食もさせていただけるので、お好みの味を選びましょう。
写真:モノホシ ダン
地図を見る茶菓工房たろうでは、ほかにもいろいろな創作和菓子がありますがおすすめは、蒸した抹茶カステラにカカオチョコようかんをのせ、金箔をあしらったチョコレートケーキ「はなとこたろう」。
アーモンドクラッシュの香ばしさがアクセントになったひとくちケーキです。パッケージもオシャレで、金沢のお土産として喜ばれること請け合いです。さらに鬼川店では、奥に10席ほどのカフェスペースもありますので、絶品の甘みをいただくのもいいでしょう。
<茶菓工房たろう 鬼川店の基本情報>
住所:石川県金沢市長町1丁目3番32号
電話番号:076−223-2838
営業時間:8:30〜17:30
アクセス:JR金沢駅から北鉄バスで「香林坊」下車、徒歩約5分
写真:モノホシ ダン
地図を見る長町武家屋敷跡おすすめのカフェでは、1911年(明治44年)創業の老舗和菓子店・村上製菓所の直営の「菓ふぇ MURAKAMI Nagaya-mon店」が。場所は、武家屋敷跡 野村家沿いを流れる大野庄用水をはさんだ向かい側です。
写真:モノホシ ダン
地図を見る店舗の手前はテイクアウトスペースになっていて、喫茶スペースは1階の奥にあります。喫茶では、できたての和菓子を心地良い空間でいただけます。写真は、「団子セット」。少しずついろんな種類を食べることのできる2玉団子です。定番のみたらしは、和三盆糖を加えてつくる風味豊かなタレが特長。よもぎ団子にはつぶ餡がたっぷりとのっています。
ほかに米粉の「パンケーキセット」もおすすめです。散策の疲れを癒すのにちょうどいいボリュームですよ。
<菓ふぇ MURAKAMI Nagaya-mon店の基本情報>
住所:石川県金沢市長町2丁目3番33号
電話番号:076-264-4223
営業時間:10:30〜17:30(ラストオーダー16:30)
アクセス:JR金沢駅から北鉄バスで「香林坊」下車、徒歩約5分
いかがでしたか。本文ではご紹介できませんでしたが、土塀つらなる長町武家屋敷界隈は、ほかにもみどころがいっぱいです。
「前田土佐守家資料館」は“利家とまつ”ゆかりの加賀藩の名家です。「旧加賀藩士高田家跡」では、復元された長屋門と池泉回遊式庭園を見ることができます。「金沢市足軽資料館」では、加賀藩足軽の堅実な暮らしぶりを知ることができます。
いずれも大野庄用水沿いにありますのて、この機会にあわせて訪れてみてはいかがでしょうか。
2020年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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