写真:土庄 雄平
地図を見る今回紹介する「天蓋山」が位置するのは飛騨市の山間部。飛騨は高山の隣の市にあたりますが、登山口までは車で50km以上走らねばならず、まさに秘境エリアです。まず高山から国道472号を北上し、飛騨古川を越えて飛騨細江から国道41号、神岡町から県道484号線を使ってアクセスします。
高山市内に雪がなくても、国道41号線の数河峠には雪が見られ、風情ある飛騨の山間部の雪の風景を楽しむことができます。また飛騨古川から見る岐阜・富山の山並みも必見!
写真:土庄 雄平
地図を見るそして県道484号線から伊西峠(トンネル)へとアクセス!舗装状態は良いですが、何度もヘアピンが続くルートで、中腹まで上ってくるとダイナミックな飛騨の山並みが広がります。この伊西峠の先にある「山之村集落」は"天空の集落"と称されますが、その名称も納得の高度感です。
写真:土庄 雄平
地図を見るそして山之村へ到着すれば、一面白銀世界。全く別の場所へとワープをしたかのような景色変化です。登山口の山之村キャンプ場付近に車を止めて、登山を開始しましょう!
なお県道484号線は積雪や凍結が予想されるので、スタッドレスは必須。できれば4駆の車が望ましいです。天候や路面状況が悪い場合は、登山を強行しないようにしてくださいね!
写真:土庄 雄平
地図を見る登山道は「山之村キャンプ場」のロッジの横を縫いながら始まります。土日であれば、トレース(足跡)があるので、それを辿ると安心です。また「天蓋山」は終始電波が立っている山なので、グーグルマップ等で現在地を確認できるのも、ハードルが低い理由の一つ。
しかしながら、これから登るのは豪雪地帯の雪山。防水ウェア上下、手袋、防水の靴そして雪山登山装備であるアイゼンは必須です!準備を怠らないようにお願いします。
写真:土庄 雄平
地図を見るキャンプ場入り口から徒歩10分程で、天蓋山の正式な登山口に到着するので、そこで登山届を出して、いざ登山スタートです!まず前半は渓流に沿って、緩やかに登っていく易しい道。雪を被った木々が趣抜群で、フワフワの雪を進んでいくのがとても楽しいですよ。
写真:土庄 雄平
地図を見るなお渓流は、幾つか小さな滝も呈しており、厳冬期はその周囲に氷柱(つらら)ができます。様々な造形が面白く、太陽に照らし出されてキラキラ輝く様は、うっとりと眺めてしまう美しさ。
雪山ならではの自然の美しさ、非日常感を思いっきり楽しみながら、登山道を進んでいきましょう!渓流を少し横切る地点まで来たら、いよいよ中盤です。
写真:土庄 雄平
地図を見る渓流区間を越えると、いよいよ本格的な登りが始まります。距離は短いですが、中々傾斜があり、体力が必要なため、ここが正念場!途中で何度か休憩をはさみながら地道に登っていきましょう!
なお、この区間で雪質が硬い場合、逆にシャビシャビだと危険なので、必ずアイゼンを靴に装着してください。また複数人で登られる場合は、安全確保のために前の人と適度に間隔を空けて登るのが基本です。
写真:土庄 雄平
地図を見るそうして登ること約1時間で、7合目〜8合目に当たる「雀平」へ到着。そして、そこで来た道を振り返ってみると、目の前には北アルプスの雄大な峰々が!剣岳・立山から穂高連峰まで一連視野に収めることができ、純白に覆われた気高い山容は、心揺さぶられる美しさ。
運が良ければ、樹氷とのコラボレーションも楽しむことができます。雀平はスペースが広く、山頂に至るまでの唯一の展望スポットなので、休憩しながら飛騨地方の抜群の展望を満喫してくださいね!
写真:土庄 雄平
地図を見るそして雀平を過ぎればラストスパート!また幾つか急登がありますが、危険はなく短いので自分のペースで乗り切りましょう。山頂近くなれば、樹氷の森へと迷い込みます。キラキラと樹氷が輝く情景は、雪山ならでは。さながら冬に咲く桜のような面持ちですね。
写真:土庄 雄平
地図を見る樹氷の森をくぐりぬけ、景色が開けてくれば、ようやく山頂へ到着です。すると、そこには360度の大展望が広がっており、そのダイナミックなパノラマに思わず「おぉ〜!」と声を上げてしまうことでしょう!
先ほど雀平で見えていた「北アルプス」の山並みは勿論のこと、目の前にどっしりと構える「白山」(標高2702m)や木曽の名峰「御嶽山」(標高3067m)、天空の要塞の如き存在感を放つ「乗鞍岳」(標高3026m)など、日本の屋根を形成するパノラマは圧巻かつ壮麗!
写真:土庄 雄平
地図を見る特に北アルプス方面は樹氷越しに、白銀の山容を望むことができ、そのコラボレーションは思わず息を呑む美しさです。剣岳・立山・黒部五郎岳・槍ヶ岳・穂高岳など名だたる山々を見渡すことができるので、いろんな画角を探しながら写真撮影を楽しんでくださいね!
写真:土庄 雄平
地図を見るなお山頂は広く、円形のベンチも設けられているため、ゆっくりと滞在することが可能!天蓋山は地元の登山愛好家を中心に登られるマニアな山なので、山頂が混むことはありません。食事や休憩をとりながら、山頂に広がる日本屈指の山岳美を心ゆくまで味わいましょう!
なお下山ですが、総じて危ないところはなく、1時間〜2時間見ておけば安心です。日没の3時間前には遅くとも下山を開始してくださいね。
写真:土庄 雄平
地図を見る北アルプスと白山連峰の間の飛騨地域に位置し、周囲に遮られる山がないことから実現した「天蓋山」の奇跡の大展望!北アルプス・白山・御嶽山・乗鞍岳という、日本の屋根と呼ぶべき3000m級の峰々の山容は、冬の時期により一層美しく、神々しささえ感じさせます。
写真:土庄 雄平
地図を見るそして、その高峰たちと樹氷がコラボレーションする景色も「天蓋山」ならでは。まさにその風景は、冬のこの山だからこそ見られる一つの絵画作品です。
往復6.5km、標高差約600mと比較的楽な道のりで、危ない箇所も少なく、装備を整えれば雪山初心者でも登頂は難しくありません。登山口までのアプローチには少々難があるものの、この山に登れば「雪山」の虜になること間違いなし!ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか?
住所:岐阜県飛騨市神岡町和佐保
アクセス:高山ICから山之村キャンプ場(登山口)まで車で約2時間、登山口から山頂まで往復4〜6時間
※備考
・アイゼンは必須装備です。また冬山の稜線は風が一段と寒いため、防寒着には余裕を持っておくと良いでしょう。
・スニーカーでは冬山は登れません。防水性能をもったトレッキングシューズを持参しましょう。
・12月中旬以降、急激に冷えた翌日に、登山を行うと樹氷が見れる確率が上がります。
2020年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/3/19更新)
- 広告 -