写真:Hiroko Oji
地図を見るベルギー北部、オランダに近いアントワープは、17世紀バロック期最大の画家ルーベンスはじめ、ヴァン・ダイクなどのフランドル派の画家たちが活躍した町で、市内には彼らの名画に出会える美術館や博物館が点在しています。
中でも観光のハイライトのひとつが「ルーベンス・ハウス」。玄関口となる中央駅から西に延びる通りをまっすぐ進み、メインストリートとなるショッピング街のメール通りのほぼ中央にあるのがワッペル広場。大きな鷲の像があるこの広場で左折するとわかりやすいです。
写真:Hiroko Oji
地図を見るワッペル広場で左折した左側、煉瓦造りの歴史を感じさせる建物がルーベンス・ハウスです。
ルーベンス・ハウスは1610年から5年間かけて購入した邸宅をルーベンス自身が設計図を作成し改築したという住居兼アトリエで、亡くなるまでの約30年間をここで過ごしました。現在は市立博物館として公開されています。アントワープ・シティ・カード(※)を持っていれば無料で見学できます。
※24時間・48時間・72時間有効の3種類があり、観光スポットに加え市内のバス&トラムにも無料で利用できるカード。マルクト広場や中央駅の観光案内所で購入できます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る煉瓦造りのルーベンス・ハウスの向かいにあるこのガラス張りの建物内でチケットが購入できます。アントワープ・シティー・カードを持っていても、ここでチケットと交換しましょう。リュックなどの荷物はここでロッカーに預けるようになっています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る彼自身が改装や増築に関わったという館内には17世紀当時の暮らしぶりがそのまま再現されており興味深く見学できるようになっています。
ルーベンスは画家としての才能だけでなく、7ヵ国語をあやつる外交官として活躍しました。また古典的知識を持つ人文主義学者、美術品収集家としても有能だったことから交友関係も広く、芸術家や貴族、富豪、知識人などたくさんの訪問客がありました。各部屋では訪問客を迎えるにふさわしい調度品が揃えられています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る当時の暮らしぶりがそのまま伝わってくる室内には、足を抱えるようにして横になったとという小さめのベッドや装飾豊かな暖炉はじめ、美しいデザインのシャンデリアや素晴らしい木彫りが施された調度品などがそのまま残されて展示されています。他の見学者がいなければ、中世にタイムスリップしたような感覚に浸れます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る木彫り装飾が美しい調度品が多い館内ですが、絵画装飾でも目を惹くもののひとつが写真のアンティーク家具。
たくさんの小引き出しのついたキャビネットのひとつには扉に神話を題材にした絵が描かれています。他にもまるで森の中?と言いたくなるような絵や天使の可愛らしい姿が描かれたりしていて興味が惹かれます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る中世にタイムスリップしたかのような錯覚を覚える部屋には、重厚で素晴らしい装飾の調度品と共に名画の数々!ルーベンスはもちろんのこと愛弟子ヴァン・ダイクはじめブリューゲル、ティントレットなどの作品も見られます。
写真:Hiroko Oji
地図を見るルーベンスと共にバロック期を代表するレンブラントが残した自画像はおよそ40作品ですが、ルーベンスが残した自画像はわずか4作品のみ。そのうちのひとつで1630年頃の作品がこのルーベンス・ハウスでも見られますのでお見逃しなきように!ちなみに他の3作品は、フィレンツェ、ウィーン、英国王室コレクションで見ることができます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る絵画のみならず半径ドームのギャラリーには石像もあり、さながら小さな美術館のようで
写真:Hiroko Oji
地図を見るルーベンス・ハウスでは館内の展示だけでなく屋外でも見逃せないポイントがあります。
それがこの柱廊!庭園のほぼ中央にあり建物で囲まれ石畳で覆われた中庭と庭園を繫いでいます。この門は17世紀当時そのままの姿で残されており、古代ローマ時代の凱旋門に基づいています。そこに建築家としての才能もあるルーベンス自身がローマ神話に出てくる2人の神の彫像を設置しました。画家の守護神マーキュリーと知恵の女神ミネルヴァです。
写真:Hiroko Oji
地図を見る石畳の中庭に面しているのはアトリエとして使われていた建物やポルティコと言われる柱廊。特にアトリエの外壁装飾が美しい!
写真:Hiroko Oji
地図を見る天井の高い広い空間を持つアトリエでは優秀な弟子やアシスタントたちと共に2000点もの作品を制作しました。
17世紀においては画家それぞれの得意分野を生かした分業方式が一般的だったといわれています。ここではルーベンスが下絵を描いたあと色彩の指示を出して弟子や他の画家が制作。最後にルーベンスが筆を加えて仕上げたもので、これらすべてが「ルーベンス作」とされたとのこと。このアトリエで腕を磨いた一人が、後にイギリスの宮廷画家として活躍したヴァン・ダイクです。
写真:Hiroko Oji
地図を見る庭園には小さな花壇や石像などがありとても落ち着く雰囲気。ここは色とりどりのお花が咲く春など暖かい季節がおすすめです。庭園から見ると邸宅の大きさがよくわかります。
写真:Hiroko Oji
地図を見る一角には神殿風の建物や噴水も設置されていて見学後一休みして寛げます。
住所:Wapper9-11,2000 Antwerpen
電話番号:+32-3-201-15-55
開館時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日
2020年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/11更新)
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