写真:小野 雅子
地図を見るイギリスにおけるアート全般の振興と発展を期して国王ジョージ3世の指揮により創設された王立芸術学院は、それから250年以上が経ってもイギリス芸術界の中枢。現在活躍する多くのイギリス人アーティストがここで学び、その後も学院メンバーとして後続の指導に尽力しています。
また一般市民に芸術を広めるべく所蔵コレクションの常設展示が入場無料なのは、観光者にとっても嬉しいかぎり。ロンドンのピカデリー、高級デパート「フォートナム&メイソン」から大通りを隔てて相向かいというロケーションも便利です。初代院長を務めたロココ期の画家ジョシュア・レイノルズの銅像が、来場者を出迎えてくれますよ!
写真:小野 雅子
地図を見るこの王立芸術学院があるバーリントン・ハウスは、バーリントン伯爵家という貴族の館だった建物。19世紀中頃にイギリス政府が買い取ったのち改築して今に至る館内は、天井や柱などの美しい細部も一見の価値があります。
写真:小野 雅子
地図を見るモダンなデザインの照明器具をあしらった箇所も、クラシックな建物の雰囲気との調和が見事。さすがアーティストの学び舎ですね。
写真:小野 雅子
地図を見る常設展示されている中でもひときわ目立つのは、巨大なヘラクレス像。これは1546年にローマのカラカラ浴場から出土した物のレプリカで、制作されたのは1790年。この王立芸術学院のためにローマで造られ、ロンドンへ運ばれたものです。
他にもヴァチカン美術館にあるベルヴェデーレのトルソーやラーオコオーン像なども本格的なレプリカがあって、学生のデッサンにも熱が入りそうです。
写真:小野 雅子
地図を見る絵画群では初代院長ジョシュア・レイノルズから、19世紀イギリスの大御所ウィリアム・ターナーやジョン・コンスタブルなどが並びます。またイタリア旧家に飾られていたミケランジェロの彫刻作品や、現代英国アート界で注目を浴びるグレイソン・ペリーのユニークな卒業作品なども展示され、新旧アートのエッセンスが魅力。
写真:小野 雅子
地図を見る建築部門には18世紀〜19世紀の建造物から様々なスタイルの柱やフリーズを展示。また現代の大きな課題である環境問題に注目したムーヴメントも活発で、イギリス各地で採集した水藻が原料となった素材を駆使した作品なども目を引きます。
写真:小野 雅子
地図を見るそんな王立芸術学院で現在「ピカソ・アンド・ペーパー」と題した企画展が開催されています。20世紀を代表する奇才パブロ・ピカソは幼少期から91歳の晩年まで精力的に活動しただけでなく、異常なまでに何でも保管していた人。スケッチブックのデッサンはもちろん、メモ帳や封筒など手元にあった紙片に描かれた落書きのようなものから友人との書簡に至るまで、彼自身が「秩序あるカオス」と呼ぶほど家中にうず高く積み上げていたそうです。
とりわけ「紙」という素材の多様性と可能性を追求し続けたピカソ。紙に鉛筆、インク、ガッシュ、色付きチョークなどで描いた絵の数々、そして古新聞や壁紙や日本の和紙など様々な紙でコラージュや立体作品も数多く作っています。
写真:小野 雅子
地図を見るひとつの作品を創作するにあたり、それが油絵や彫刻または陶器などどのような形であっても何枚も何枚も執拗なまでにスケッチを繰り返し、またその殆どを保存していました。それらの制作工程を分かりやすく展示・解説している本展では、大小300点以上のアイテムが公開されています。
写真:小野 雅子
地図を見る色々な材質の紙を駆使したコラージュ作品、紙を切り抜いて組み合わせた立体作品などだけでなく、段ボールのように丈夫な紙を使用した前衛的バレエ衣装の制作まで・・・彼と紙との関係は、変幻自在で無限の想像力そのものと言えます。
かと思えばイカや犬など動物の形をシンプルに切り抜いただけで、まるで子供が遊びで作ったような紙切れまであり、彼の純粋な探求心にはひたすら感服するばかり。20世紀スペインが生んだ稀有なアーティストの創作過程とその心理を探る、たいへん貴重な企画展になっています。
写真:小野 雅子
地図を見るさて常設展示や企画展を見終わったら、館内ショップやカフェにも寄ってみましょう。特にショップでは王立芸術院ならではのオリジナル・グッズが豊富に揃い、ちょっとお洒落なお土産になりそうな品がいっぱい。
写真:小野 雅子
地図を見る随時開催している企画展にそった限定品もバラエティ豊富で、前述の「ピカソ・アンド・ペーパー」関連グッズは2020年4月13日までの開催期間中、店頭に並びます。また2020年3月29日から6月14日まで予定されている「ゴーギャンと印象派展」が始まればゴーギャン、モネ、ルノワール、ドガなどの名画にちなんだ商品が揃い、アートで素敵なお土産探しに良さそうです。
写真:小野 雅子
地図を見る子供向けの可愛らしいグッズは一杯あり過ぎて、大人でも欲しくなるくらい。小さなアーティスト御用達の色鉛筆やクレヨンといった画材セットに絵本やパズルなど、さすが厳選のラインナップです。
写真:小野 雅子
地図を見る館内には6つのカフェとレストランがあります。過去250年の王立芸術学院ポスターが壁一面を彩る「ポスター・バー」や手軽にお茶や軽食が楽しめる「RAカフェ」、1970年代から198年代にかけて院長を務めたアーティストにちなんだ「サー・ヒュー・カッソン・ルーム」などはカジュアルで旅行者にも入りやすい雰囲気です。また、ちょっと格調高いレストラン「ザ・グリーンルーム」や、学院メンバーのみが利用できる「ジ・アカデミシャンズ・ルーム」も。
写真:小野 雅子
地図を見るとりわけ喫茶に軽食・ランチにと利用価値大なのが「RAカフェ」。ほど良い採光の開放的なスペースと、壁に描かれた歴代学院メンバーによる絵画に囲まれて、ほ〜っと寛ぎのひとときを過ごせますよ。
写真:小野 雅子
地図を見るセルフサービスで選べるケーキやスコーンなどの焼き菓子、サンドウィッチにサラダなどの軽食は、アート鑑賞の合間に燃料チャージするのにぴったり。淹れたてのコーヒー紅茶などドリンクのみでもOKで、今しがた観てきた作品等についてゆっくり反すうするのに最適です。
今回ご紹介した「ピカソ・アンド・ペーパー」のような企画展や、毎年夏の恒例イベントで一般公募作品が有名アーティストとともに展示される「サマー・エキジビション」、そして入場無料でサクッと楽しめる学院所蔵の常設コレクション・・・と思い思いに楽しめる王立芸術学院。アートな観光スポットとしてお勧めです!
2020年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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