写真:野水 綾乃
地図を見る板室温泉は那珂川の源流部に近い、静かな山あいの温泉地。10軒ほどの温泉宿が軒を連ねる温泉街の中心部に、「ONSEN RYOKAN山喜」はあります。
もともとは「山喜荘」という湯治客主体の宿でしたが、2008年に建物を一新、「ONSEN RYOKAN山喜」として生まれ変わりました。建物のコンセプトは京都の町家。壁に囲まれた外観からは建物の内部を伺い知ることはできませんが、一歩中に入ると風情のある中庭が迎えてくれます。夜はガラス窓から漏れる室内の明かりが優しく中庭を照らします。「ONSEN RYOKAN山喜」はこの陰影の演出が素晴らしく、落ち着く空間を生み出しています。
写真:野水 綾乃
地図を見る館内は随所にアートが飾られていて、珪藻土や芦野石などの地元の石にこだわった内装と調和しています。各部屋にも異なるアートが飾られていますので、注目してみてくださいね。
写真:野水 綾乃
地図を見る地元の芦野石の床と十和田石の壁が印象的な男女別の内湯は、抑えた照明が深いリラックス状態へと誘ってくれます。温泉は40℃前後のアルカリ性単純温泉がかけ流しにされていて、長くゆったり浸かることができます。
こちらの浴槽、よく見ると一角だけ深くなり、天井から綱が垂れ下がっています。これは板室温泉に古くから伝わる入浴法「綱の湯」を再現したもの。綱につかまり、立ったまま深めの浴槽に浸かることで、膝や腰に負担なく温泉を楽しむことができ、末端の毛細血管まで血行が良くなります。
昔はこの綱の湯で湯治した後は杖が不要になるほどに回復したそうで、「杖いらずの湯」と呼ばれていました。板室温泉でも綱の湯が体験できるところは少ないので、ぜひ独自の湯治文化を体験してみてください。
写真:野水 綾乃
地図を見る露天風呂は外のデッキにあります。魚を捕る道具の筌(うけ)をリメイクしたライトがぼんやりと灯り、裏山の緑を浮かび上がらせます。外にあるため、露天風呂だけは源泉を加温してかけ流しにしています。
さらに嬉しいのが、内湯と露天風呂がセットになった男女別の大浴場を、夜は貸し切りで入れること。22時〜24時の4組限定で、50分間無料で貸し切りにできます。カップルや家族で水入らずの温泉タイムを過ごしてみてはいかがでしょうか。
写真:野水 綾乃
地図を見る「ONSEN RYOKAN山喜」の客室は全8室。すべて異なる造りとなっています。共通しているのは、珪藻土の壁、天井の土佐和紙、そして温泉地熱を使った床暖房。自然素材と自然エネルギーを活かした空間のおかげで、清々しい心地よさが感じられます。
まずご紹介するのは、いちばんリーズナブルなローベッドの洋室。ツインベッドの手前にはソファのくつろぎスペース、奥の窓際には文机があります。全室ともベッドリネンには肌触りのいい麻100%のものを使用しています。女子二人旅にはちょうどよいサイズの部屋です。
写真:野水 綾乃
地図を見るこちらは窓際に書斎コーナーが付いた客室。こんな部屋にこもって、読書や書き物に集中するのも良さそう。一段高くなった琉球畳の間にはチェックイン時に布団が敷いてありますので、到着してすぐごろ寝もOKです。
写真:野水 綾乃
地図を見る専用のお風呂が付いたビューバスタイプの客室も2部屋あります。湯船はヒノキ造りで、窓を開ければ露天風呂のような開放感。季節に移ろう裏山の緑を眺めることができます。湯口からあふれるのはもちろんかけ流しの温泉です。
写真:野水 綾乃
地図を見るこんなの見たことない!というのが、好きな枕を選べるフィッティングルーム。実際にベッドに横たわり、枕の硬さや高さを実際にお試ししながら選ぶことができます。
備長炭を練り込んだパイプ枕、天使のようなふわふわの感触の低反発枕など、4種類ある枕はすべて東京西川と「ONSEN RYOKAN山喜」のダブルネーム。4種類それぞれ高中低の高さが用意されているので、12種類から自分にぴったりの枕が選べます。敷布団も好みの硬さのものに変えてくれるので、理想の寝心地を叶えてくれますよ。
写真:野水 綾乃
地図を見る部屋着には男女とも紺色のアオザイ風のものが用意されています。いい具合にくたっとして着心地が良く、湯上がりの肌にも優しく馴染んでくれます。食事処でも部屋着のまま行くことができます。
写真:野水 綾乃
地図を見る食事は朝夕とも食事処の個室でいただくので、お風呂上がりのスッピンのままでもOK。リラックスした状態でゆったりと那須の味覚を活かした料理を味わいましょう。
鳥のチャーシュー、松茸の当座煮、湯葉豆腐など、旬の素材を活かした前菜もお酒を進ませます。生ハムやカラスミなども自家製で仕込んでいますので、時期によって登場することもあるかもしれません。
写真:野水 綾乃
地図を見る夕食のクライマックスは、それぞれの個室で仕上げてくれるすき焼きです。A5ランクの栃木県産和牛を使用していて、とろける肉の食感がたまりません。
写真:野水 綾乃
地図を見る朝食も個室の食事処でいただきます。メインは、アツアツの状態で提供してくれる自家製がんも。自家製の豆腐を山喜の温泉で煮て、角がほどよく溶けたところを味わう湯豆腐もたまりません。
ほかにも、那須産卵の茶碗蒸し、地元牧場の牛乳、那須産牛乳で作った自家製ヨーグルトなど、那須塩原らしさが存分に味わえ、元気になれる朝ごはんです。
いかがでしたでしょうか。板室伝統の湯治文化を受け継ぎながらも、現代のスタイルに合わせたくつろぎ感がある宿です。女性人気が高いのも頷けますよ。
「ONSEN RYOKAN山喜」のある板室温泉までは、東京から新幹線で約1時間、那須塩原駅からバスで約50分と約2時間で到着できます。ちょっと疲れた、というそんな時、ふらっとプチ湯治に訪れてみてはいかがでしょうか。
行き帰りには、裏那須として話題の板室街道沿いにある「黒磯」のオシャレスポットに立ち寄ってみてください。詳しくは関連MEMOの記事でご紹介しています。
2020年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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