山頂は360度の絶景!飛騨高山・冬の「猪臥山」は美しすぎる霧氷の山

山頂は360度の絶景!飛騨高山・冬の「猪臥山」は美しすぎる霧氷の山

更新日:2020/02/14 13:40

土庄 雄平のプロフィール写真 土庄 雄平 山岳自転車旅ライター・フォトグラファー
岐阜県高山から最も近い山であり、初心者でも登りやすく、素晴らしい展望を有している「猪臥山」。全国的にメジャーな山ではないのですが、冬になると遠方からも沢山の登山客が訪れ、1年で一番賑わいます。その理由は、冬季に咲く「霧氷の華」!急激に冷えた日の翌日に山へ登れば、稜線を覆い尽くす美しい冬の芸術品に出会うことができるのです。晴れれば青と白の対比が鮮やかで、山頂で見られる霧氷&北アルプスのコラボは絶景!

初心者でも登りやすい!飛騨高山・冬の名山「猪臥山」

初心者でも登りやすい!飛騨高山・冬の名山「猪臥山」

写真:土庄 雄平

無雪期より必要な装備や、難易度が上がる「雪山登山」。そのためハードルが高いと思われがちですが、登る山をしっかり選定すれば、危険を伴わずに冬ならではの絶景を楽しめる素晴らしいアクティビティへ変わります。

選定の基準として(1)距離が短く、標高差が少ないこと(2)連日多くの登山客が登り、トレース(足跡)=登山道が明瞭なこと(3)登山口まで車でアクセスしやすいこと(4)霧氷や山頂の展望など、冬山ならではの景色を楽しめること。

初心者でも登りやすい!飛騨高山・冬の名山「猪臥山」

写真:土庄 雄平

以上の4点が挙げられますが、今回紹介する「猪臥山(いぶしやま)」はその全てを満たしており、まさに雪山入門に最適な山。そして何より、人気の秘訣となっている「霧氷」は全国屈指の美しさを誇っており、急激に冷え込んだ日の翌日にこの山を訪れれば、言葉を失う絶景に出会うことができますよ!

「猪臥山」登山は"猪臥山トンネル"から!緩い林道歩きが特徴

「猪臥山」登山は"猪臥山トンネル"から!緩い林道歩きが特徴

写真:土庄 雄平

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それでは冬の「猪臥山」登山について、ルートを詳細に紹介していきましょう!まず登山口ですが、飛騨高山から西へ車で30分程走った場所にある「猪臥山トンネル」に位置しています。高速道路を使う場合、飛騨清見ICから車で10分とアクセス抜群!また車20台程止めることのできる無料の駐車場も有しているのが嬉しいですね。

「猪臥山」登山は"猪臥山トンネル"から!緩い林道歩きが特徴

写真:土庄 雄平

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駐車場の裏から続く林道へ入っていけば登山のスタートです!前半3km程はずっと緩い道が続いていきます。とても人気の山なため、トレース(足跡)が多く、積雪が多い場合でも雪に足を取られることはありません。

閉ざされた冬の森の静寂へ耳を傾けながら、ふかふかの雪道歩きを楽しみましょう。非日常的な時間にきっとワクワク気持ちが高まること間違いなし!

「猪臥山」登山は"猪臥山トンネル"から!緩い林道歩きが特徴

写真:土庄 雄平

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一回小さな川を挟むので、そこだけ滑らないように注意!そして山頂まで残り1.5km地点から少し急な登りが始まります。ここは普通の靴のままでは登るのが厳しいため、アイゼンやチェーンスパイクといった装備が必須です。必ず事前に購入して持参しましょう!

最初は木々に閉ざされて、やや暗い道ですが、次第に景色が開けてきます。これは稜線へ到着するフラグ!ラストスパートを踏ん張ってくださいね。

圧倒的な「霧氷」の森が登場!心震わされる美しさ

圧倒的な「霧氷」の森が登場!心震わされる美しさ

写真:土庄 雄平

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そうして1kmほど登坂すれば「猪臥山」の本領が、とうとう姿を現します。なんとそこには、カラマツの巨木が雪化粧を施され、尾根に展開する絶景が!真っ白な「霧氷」が、背景の山並みや青空と絶妙に調和し、見応え抜群です。

圧倒的な「霧氷」の森が登場!心震わされる美しさ

写真:土庄 雄平

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そして、ここから山頂に至るまでの約500mほどの区間こそ「猪臥山」が人気の山である理由と言えるでしょう!

カラマツの巨木から、少しずつブナの森へと迷い込み、霧氷の佇まいがより繊細に!そのため、青空との対比がより一層際立ちます。見上げれば、辺りを覆い尽くす「霧氷の天井」。まさに雪山が作り上げる絵画的風景です。

圧倒的な「霧氷」の森が登場!心震わされる美しさ

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「霧氷の森」を過ぎたら、少しずつ展望が開けてくるので、ここで一度振り返ってみるのがオススメ!なぜなら、先ほど通ってきた「霧氷の森」が太陽に照らされて燦然と輝くから。見渡す限り白く、心洗われるような風景に思わず立ち尽くしてしまいますね。

北アルプスとのコラボが絶景すぎる!「猪臥山」霧氷の稜線

北アルプスとのコラボが絶景すぎる!「猪臥山」霧氷の稜線

写真:土庄 雄平

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霧氷の森を過ぎ、一度坂を登り終えたら、そこは「猪臥山」の稜線世界。すると目に飛び込んでくるのは、霧氷と北アルプスのコラボレーション!そのダイナミックかつ引き込まれるような青と白の景色は、息を呑む美しさです。

飛騨地方の山は、森林限界が低い(標高1400m〜1500m程)という特徴があり、この「猪臥山」の稜線は、ちょうどその境界付近の標高。故に適度に木々と展望があり、そこへ北アルプスを望む絶妙な立地も加わって「猪臥山」でしか見られない絶景が生み出されるのです。

北アルプスとのコラボが絶景すぎる!「猪臥山」霧氷の稜線

写真:土庄 雄平

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しかし、そのコラボは「北アルプス」に留まらないのもポイント!実は、この猪臥山には周囲に遮る山がなく360度の展望が広がるため、御嶽山や乗鞍岳、白山といったアルプスと並ぶ日本屈指の高峰を望むことができます。そして勿論、それらの山との霧氷のコラボレーションも見逃せないのです!

特に、稜線越しに見る「乗鞍岳」の雄大な山容は必見!登山道とともに撮影すれば「猪臥山」の世界観が伝わる一枚を撮影できることでしょう。

北アルプスとのコラボが絶景すぎる!「猪臥山」霧氷の稜線

写真:土庄 雄平

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ここまで来れば、山頂はもう目と鼻の先!あとは山頂一帯に広がる絶景を思い思いに楽しむのがオススメです。

霧氷越しに見る山岳美、光に照らされて輝いたり、青空とのコントラストが美しい霧氷。どこを見渡しても、うっとりと眺めてしまう素晴らしい景色が展開しています。まさに冬に見る満開の桜のような情景は、一生忘れられない思い出に残ること間違いなし!

なお、山頂を越えて違うルートから下山するコースもありますが、景色の満足度とコースの難易度的に往復同じ道を使うのがベター。帰りは2時間ほど見ておけば余裕があって良いでしょう。

日本屈指の美しさを誇る!冬の「猪臥山」雪山登山

日本屈指の美しさを誇る!冬の「猪臥山」雪山登山

写真:土庄 雄平

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初心者が雪山入門をする場合、最初にお勧めしたいのが、今回紹介した飛騨高山にある「猪臥山」。なぜなら、登山口までアプローチしやすく、登山道も危険がなく、距離も標高差も適度なのは勿論のこと、山頂周辺では日本屈指の「霧氷」の絶景に出会うことができるから。

日本屈指の美しさを誇る!冬の「猪臥山」雪山登山

写真:土庄 雄平

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特にカラマツからブナ、そして霧氷と北アルプスなど高峰とのコラボレーションへと続いていく景色変化が感動的で、一度味わえばきっと雪山ならではの世界観の虜になってしまうでしょう!

雪山登山には高機能な防水ウェアや防水靴、そしてアイゼンやチェーンスパイクなどの装備が必要ですが、それを揃えてでも見に行く価値あり!ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか?

猪臥山の基本情報

住所:岐阜県高山市清見町池本
アクセス:飛騨清見ICから猪臥山トンネル登山口まで車で10分、高山市街から車で30分、登山口から山頂まで徒歩で往復4〜5時間

※備考
・アイゼン(チェーンスパイク)・防水ウェア・手袋は必須装備です。また冬山の稜線は風が一段と寒いため、防寒着には余裕を持っておくと良いでしょう。
・スニーカーでは冬山は登れません。防水性能をもったトレッキングシューズを持参しましょう。
・12月中旬以降、急激に冷えた翌日に、登山を行うと樹氷が見れる確率が上がります。

2020年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/02/02 訪問

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