奈良の伝統工芸を知る!工芸体験やお土産も選べる「なら工藝館」

奈良の伝統工芸を知る!工芸体験やお土産も選べる「なら工藝館」

更新日:2020/02/19 12:53

花月 文乃のプロフィール写真 花月 文乃 地域文化・民俗文化リサーチャー、グラフィックデザイナー、旅行ライター
奈良時代に日本の首都だった平城京は、シルクロードの終着点といわれ、奈良で毎年開催される正倉院展では、異国情緒あふれる工芸品を目にすることができます。奈良にはその歴史と風土から生まれた様々な工芸品があります。

今回は、奈良の土地に根ざした工芸作家の方達の作品を一同に目にすることができる「なら工藝館」をご紹介します。

奈良の伝統工芸から奈良を知ろう!

奈良の伝統工芸から奈良を知ろう!

写真:花月 文乃

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なら工藝館は、受け継ぐ・創作する・開放するの3つを基本理念に奈良工芸の振興発展を図る情報発信と活動をしています。
館内の常設展では、奈良伝統工芸の作家の方達の作品が展示されています。

奈良の伝統工芸から奈良を知ろう!

写真:花月 文乃

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なら工藝館には、代表的な奈良の伝統工芸とその成立過程、制作工程の展示が1階と2階にあり、初めて訪れた人にもその概要がわかるように解説されています。

奈良の伝統工芸から奈良を知ろう!

写真:花月 文乃

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奈良の伝統工芸の成り立ちは、その歴史や風土と深い関わりがあり、奈良工芸からは、奈良の歴史と文化を垣間みることができます。

国指定伝統工芸品の奈良墨と奈良筆は、空海が遣唐使として唐へ渡った際、その製法を学び日本へ持ち帰ったことが起源とされます。

まだまだある!奈良伝統工芸

まだまだある!奈良伝統工芸

写真:花月 文乃

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奈良漆器は、螺鈿で美しく装飾された正倉院文様が特徴的です。漆は仏教伝来をきっかけに天平文化とともに花開きました。
多くの優れた作品が正倉院に収められている奈良は漆器の発祥地といわれています。

奈良漆器の作家の方の中には、正倉院の宝物の修復や復元にたずさわっている方もいます。

まだまだある!奈良伝統工芸

写真:花月 文乃

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古楽面は、7世紀初めに仏教伝来と共に伝来し、奈良の社寺に奉納されました。初めに伎楽と共に「伎楽面」が、次に伎楽に代わる「舞楽面」が、さらに行道の際に使用される「行道面」が、伝わりました。

主に、舞楽と伎楽の古面を模造した観賞用の面が古楽面です。

まだまだある!奈良伝統工芸

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奈良人形(一刀彫)は、春日大社の春日若宮おん祭の田楽法師の花笠や島台を飾る木彫り人形が始まりと伝わります。能楽発祥の地としても知られる奈良では、そのモチーフは能人形を主体とします。

奈良の代表的な工芸には他にも、乳白色の柔らかい地色に素朴な奈良絵文様が特徴の赤膚焼、鹿のツノを加工した鹿角細工、江戸時代に麻織物の一級品として知られた奈良晒、春日大社の神官の手内職が始まりとされる奈良団扇などがあります。

奈良伝統工芸のイメージが変わる!個性豊かな工芸達

奈良伝統工芸のイメージが変わる!個性豊かな工芸達

写真:花月 文乃

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館内一階の常設展では、奈良伝統工芸の作家の方達の作品が展示されています。展示されている作品は、一般的な奈良工芸のイメージを覆す斬新なものです。

奈良伝統工芸のイメージが変わる!個性豊かな工芸達

写真:花月 文乃

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例えば、赤膚焼。これら3つは全て赤膚焼の作家の方の作品です。乳白色の地肌に素朴な奈良絵が描かれた陶磁器が、赤膚焼の一般的なイメージですが、それぞれの作家の方により独自の世界観が表現されています。

奈良伝統工芸のイメージが変わる!個性豊かな工芸達

写真:花月 文乃

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なら工藝館では、奈良伝統工芸後継者育成事業もおこなっています。

奈良伝統工芸後継者育成事業は2006年から始まりました。奈良市主催で、3年ごとに35歳までの希望者を募り、その中から選出された3人が、奈良の作家さんの工房で3年間研修します。館内には、継者育成事業で研修中、あるいは修了した作家さんの作品も展示されています。

ベテランの方の作品も、若手の方の作品もそれぞれ個性があり、新しい挑戦と感覚に出会うことができます。

奈良伝統工芸を体験してみよう!

奈良伝統工芸を体験してみよう!

写真:花月 文乃

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2階の研修室では、体験教室が開催されています。講師の作家さんの都合もあるので、事前に予約と問い合わせが必要ですが、なら工藝館では、1日体験教室の受付もしています。

体験できる奈良伝統工芸は、奈良団扇・奈良筆・陶芸・とんぼ玉・機織り(秋篠手織り※木綿・奈良晒※麻)などがあります。制作した作品は、当日持ち帰ることができるものと後日出来上がったものを郵送するものがあります。

奈良伝統工芸を体験してみよう!

写真:花月 文乃

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また、2階書籍スペースにある本は、手にとって閲覧することができます。

奈良伝統工芸を体験してみよう!

写真:花月 文乃

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1階にもDVDが無料で見れるコーナーがあり、奈良伝統工芸をより深く知りたいという人にはお勧めです。

お気入りをお土産にしよう!

お気入りをお土産にしよう!

写真:花月 文乃

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一階の常設展に出品されているほとんどの作家さんの商品は、販売コーナーで購入することができます。

お気入りをお土産にしよう!

写真:花月 文乃

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販売コーナーには、一刀彫や奈良絵が描かれた赤膚焼、筆や墨といった奈良ならではのお土産が並んでいます。お気に入りの作家さんが見つかれば、販売コーナーで商品がないか探してみるといいかもしれません。

お気入りをお土産にしよう!

写真:花月 文乃

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販売コーナーでは、季節にあわせた商品の販売もしています。お正月は干支、3月は雛人形、5月は五月人形など、季節感のある商品を選ぶことができます。

他にも、常設展で展示している作品でも、売値が記載されているものは購入することができます。

なら工藝館の基本情報

住所:奈良県奈良市阿字万字町1番地の1
電話番号:0742-27-0033
アクセス:
近鉄奈良線近鉄奈良駅より徒歩10分
JR奈良駅より徒歩18分

2020年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/01/30 訪問

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