写真:山口 琴美
地図を見るヤヴズ・スルタン・セリム・モスクは、世界遺産に登録されている「イスタンブール歴史地区」内にあります。イスタンブールのヨーロッパ側を旧市街(歴史地区)と新市街に分ける金角湾を見下ろす小高い丘の上にあり、シンプルな外観ながらも天に向かってシュッと伸びる2本のミナレットが美しいモスクです。
このモスクは、1520年に亡くなったセリム1世のために、息子にあたるスレイマン大帝の命によって造られたモスクで、7年もの歳月をかけて1527年にやっと完成しました。
写真:山口 琴美
地図を見るオスマン帝国の最盛期を築き上げたとして有名なのが壮麗帝スレイマンですが、スレイマンの父親にあたるのがセリム1世です。
彼はオスマン帝国第9代目の皇帝として、帝国を繁栄させるための土台を築き上げました。アナトリア半島やアラビア半島の方にまで領土を拡大していったセリム1世は、アッバース朝を滅ぼして、聖地メッカ、メディナをオスマン帝国の保護下に置き、その脅威を周辺諸国に知らしめました。これは彼が残した功績の中でも最も重要なもののひとつです。
在位期間がわずか8年ほどであったのにも関わらず、このように帝国のために命を尽くしたことから、いまでも多くの信者がモスクの敷地内にある彼の霊廟に訪れ、魂の平安を祈っています。
写真:山口 琴美
地図を見るセリム1世は、父親のバヤジット2世の消極性に不満を抱えながら皇子時代を過ごしました。スルタンの座に就くべく、常備軍歩兵イェニチェリの力を借りて兄弟たちを排除し、ついには父親の地位をも廃位して自らスルタンの位に登りつめました。
写真:山口 琴美
地図を見るこうした性格から「冷酷者(ヤヴズ)」と例えられるセリム1世ですが、ヤヴズ・スルタン・セリム・モスクは、正しく彼の性格を表しているかのように余計な飾り気のないシンプルな内装で、きりっとした雰囲気が立ち込めています。まるで、設計者がセリム1世の功績や気質を理解して表現したかのような空間が広がっています。
写真:山口 琴美
地図を見るヤヴズ・スルタン・セリム・モスクは丘の上に建っているということもあり、モスクの敷地内から見える景色は絶景です。
金角湾に架かる橋や、旧市街の歴史ある街並み、新市街のランドマークであるガラタ塔のほうまで見渡すことができます。このようなイスタンブールの景色を眺めることができるのも、このモスクならではの魅力のひとつです。
イスタンブール歴史地区は、アヤソフィア博物館やトプカプ宮殿、ブランド・バザールなどの有名な見どころがたくさんありますが、少し足を延ばすだけでも、ガイドブックには載っていないような歴史ある魅力的なスポットに出会うことができます。
イスタンブールで旧市街を散策するときは、ぜひセリム1世に会いに行ってみてはいかがでしょうか。
住所:Balat,Sultan Selim Cd.No:18,34087 Fatih/Istanbul
アクセス:メトロM1線「エムニイェット・ファーティ」駅から徒歩約20分
2020年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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