写真:小野 雅子
地図を見るキングスクロス駅は、ロンドンを代表する主要ターミナル駅のひとつ。ロンドン市内の地下鉄はもちろんイングランド北東部やスコットランドへの鉄道が運行し、隣接するセントパンクラス駅からはベルギーやフランスへのユーロスター列車も発着しています。また映画ハリーポッター・シリーズではホグワーツ特急の始発駅として登場したため、ハリポタファンの聖地としても有名!
写真:小野 雅子
地図を見る大英図書館は、そのキングスクロス駅から3分ほど歩いた所にあります。でもこの図書館がオープンしたのは、1973年と意外に新しめ。実はそれまで大英博物館内に併設されていた国立図書館と、ロンドン各地にあった中央図書館、書誌学協会、科学技術図書館などを一つに統合したものが、この大英図書館なのです。
入館するための手続きは不要、入口で簡単な手荷物検査を通過すれば誰でも入れます。インフライトサイズのキャリーケースやバックパックならば地下のクロークへ預けられますが、スーツケースなど大型荷物を携えている場合は入館出来ませんのでご注意を。なお書物や資料を実際に利用したい場合は、利用者登録デスクにて手続きのうえ指定された部屋で閲覧します。
写真:小野 雅子
地図を見る書籍や紙誌のほか文献、地図、楽譜、美術品、切手、映像&音響資料など2億点以上という、世界最多の所蔵品数を誇る図書館。さらにイギリスとアイルランドにおける法定納本図書館(国内刊行の全出版物を保存する義務のある図書館・日本ならば国会図書館)でもあるため、その数は日々増大を続けます。
そのため建物全貌が見られる模型でも分かるとおり地下5階・地上9階あわせて11万2千平方メートルにおよぶ膨大な敷地面積があるばかりか、西ヨークシャーにある保管庫も活用。この本館をデザインする際には巨艦のイメージも重ねたそうで、たしかに「智」を運ぶノアの方舟のようにも見えてきますね!
写真:小野 雅子
地図を見る館内で最も目立つのは、ジョージ3世王の蔵書を収納するキングズ・ライブラリー。18世紀の王室に相応しい蔵書を目指した彼は古典文学、歴史、聖書、地図などを部下に蒐集させ、見事なコレクションを完成させました。
彼が所有していた約6万5千冊の古書のうち利用頻度の高いものを収めた巨大な書架は、まさに機能美の粋。中に収納された本は、利用登録者が希望すれば館員さんが書架から取り出してきて閲覧させてくれます。
写真:小野 雅子
地図を見るこちらは新旧の切手コレクション。切手を収納したパネルを1枚ずつ引き出すと、びっしり陳列された切手を見る事が出来ます。骨董品的な価値のある古切手も多いため、収納された切手を写真に撮ることは厳禁。昨今の映像・印刷技術は精巧なので防犯上やむをえませんね。
写真:小野 雅子
地図を見る世界初の切手、通称「ペニーブラック」を発行した1840年代のプレス式印刷機も展示。黒インクで印刷されたその1ペンス切手には若きヴィクトリア女王の横顔が描かれ、今も蒐集家にとって垂涎アイテムです。
ところでイギリスの切手には国名が印刷されていない事をご存知ですか?それは郵便切手がイギリス発祥で、当初からそうだったため。現在でもイギリスの切手には金額やエリザベス2世女王の横顔シルエットはありますが、国名記載はないんですよ!
写真:小野 雅子
地図を見るもっとも見応えがあるのは「サー・ジョン・リトブラット・ギャラリー」という常設展示室。このギャラリー建設にあたり10億ポンド(約1330憶円)を寄贈した実業家にちなんで名付けられた室内には、当館が所有する至宝がズラリと並びます。
ミケランジェロのデッサン、ダ・ヴィンチのメモ書きからバッハ、モーツァルト、ショパンの手書き楽譜などはほんの一部。古地図に初期の聖書やコーランも含め、さすが大英博物館から袂を分けた充実ぶりに目を見張ります。
日本の物も多数所蔵しており、とりわけ奈良時代の百万塔陀羅尼(ひゃくまんとうだらに)は日本でも法隆寺以外では数基しか現存しない希少さ。もちろん浮世絵も人気の展示品です。
写真:小野 雅子
地図を見る近代では「不思議の国のアリス」のルイス・キャロルによる日記や書簡、「高慢と偏見」「エマ」などを著したジェーン・オースティンの簡易机なども来館者に人気です。
またビートルズのコーナーも充実。ジョン・レノンやポール・マッカートニーによる手書きの歌詞が展示され、ヘッドフォンで彼らの音楽を聴くことが出来ます。
なお以前はこの展示室内での撮影は禁止されていましたが、現在ではフラッシュを使用しなければOKとなりました。とはいえ自分で撮った画像であっても、個人的なSNS以外で使用する場合には大英図書館担当部門からの承諾が必要。その点は十分ご留意くださいね!
写真:小野 雅子
地図を見る多数ある重要文献の中でも、大憲章(マグナカルタ)は白眉。13世紀にイングランド王ジョンが貴族から強制的に調印させられたこの文書は後世、人身の自由を保障し不当な逮捕や搾取を禁止する法令の規範となり、アメリカ独立宣言の草稿者ジェファーソンやインド独立を率いたガンジーにも影響を与えました。
写真:小野 雅子
地図を見る歴史的文献や希少本が多く、ややもすれば古臭く堅苦しいイメージを与えがちな大英図書館。それを払拭するかのように、敷地内の至る所に現代アートが展示されています。
まず建物前の広場には、エドゥアルド・パオロッツィによるブロンズ像「ニュートン」。18世紀末から19世紀始めにかけて活躍した詩人&画家ウィリアム・ブレイクが描いたニュートンの絵にちなんだ、力強い大作です。
写真:小野 雅子
地図を見るエントランスホールでは、受付カウンターとカフェの間にあるビル・ウッドロー作のベンチが際立ちます。作品名「Sitting on History」は「歴史の上に腰かけて」とでも訳せばよいでしょうか。実際に座ることの出来る実用的なアートで、ここで記念写真を撮る来館者が多いのも頷けますね!
写真:小野 雅子
地図を見るエントランスホール東側の壁にかかっているのはR.B.キタイの絵画を元に織られた7平方メートルもあるタペストリーで、T.Sエリオットの詩「荒地」やコンラッド「闇の奥」から材をとり戦争の恐ろしさを描いたもの。他にも図書館という場所に相応しい作品が沢山あります。
これら館内の見どころと常設展示ハイライトを巡る見学ツアー(英語)もあり、毎日午前11時と午後2時の2回催行。約1時間かけて効率よく回れると好評です。料金は1人10ポンド、申し込みはエントランスホール中央のカウンターでどうぞ。
写真:小野 雅子
地図を見る館内には沢山のデスクがあり、高速Wi-Fiはもちろん電源も随所に設置。街中のカフェと違い何も買わなくても席を占領できるうえ空調完備でトイレも清潔、ドリンクや軽食も館内カフェで手軽に調達できるし居心地抜群です。ラップトップやタブレット持参で長居したい場合に最適なので、良い席をゲットしたい人は朝の開館前から並ぶほど。
写真:小野 雅子
地図を見る地階にあるショップでは大英図書館の所蔵品をあしらったオリジナル商品を中心に、文具や書籍から日用雑貨までバラエティ豊かなアイテムが並びます。古地図や文豪にちなんだ小物などは、ちょっと知的な香りのするロンドン土産に良さそう。またルイス・キャロル関連の所蔵品も多いため、「不思議の国のアリス」グッズが沢山あるのも嬉しいですね!
写真:小野 雅子
地図を見る教科書で名前だけは知っていた「大憲章」を間近に見たり、バッハやモーツァルトの手書き楽譜に感激したり・・・思い思いに楽しめる大英図書館は、気軽に立ち寄れる穴場スポットですよ!
住所:British Library, 96 Euston Road, London NW1 2DB
電話番号:+44-330-333-1144
アクセス:
キングスクロス・セントパンクラス駅から徒歩3分
ユーストン駅から徒歩5分
開館時間:
月曜日〜木曜日 9:30〜20:00
金曜日 9:00〜18:00
土曜日 9:30〜17:00
日曜日 11:00〜17:00
2020年2月の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/4/20更新)
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