写真:吉田 彩緒莉
地図を見るユーラシア大陸最西端に位置するポルトガルはまさに「西の果ての国」。ポルトガルの西にある首都リスボンから、日帰りのショートトリップで行けるロカ岬(Cabo da Roca)こそ、ユーラシア大陸最西端の場所です。
写真:吉田 彩緒莉
地図を見るロカ岬には世界中からユーラシア大陸最西端の日没を見ようという多数の観光客がやってきます。1日観光ツアーのバスなどを申し込む人もいますが、今回は自力での移動方法をお教えします。
まずはリスボン市内の中心にある「ロシオ駅」から電車で約40分の「シントラ駅」まで向かいます。「シントラ駅」に到着したらカスカイス(Cascais)行き403番のバスに乗りましょう。
バスを乗り換えるシントラという街は「シントラの文化的景観」として1995年にユネスコの世界遺産に登録されています。特に日帰りにこだわらない人は、シントラに1泊して、シントラ観光と合わせてロカ岬の日没を見に行くのもお勧め。
日帰りでリスボンに戻る場合、ロカ岬からはシントラ駅へ戻らず、403番のカスカイス行きバスでカスカイスへ向かいましょう。約30分ほどですが、終点の「カスカイスバスターミナル」ではなく、1つ前の停留所がカスカイス駅の最寄バス停になります。乗客はほとんどここで降りるのでわかりやすいですが、不安な場合は降りる乗客に確認を。
カスカイス発の電車はリスボンでは行きに使ったロシオ駅でなくカイス・ド・ソドレ駅に着くので、ロシオ駅周辺のホテルに泊まっている人は、15番のトラムでロシオ駅近いロシオ広場に戻ると良いでしょう。
写真:吉田 彩緒莉
地図を見るバス停を降りてすぐの観光案内所では「最西端到達証明書」がもらえます。ポルトガルに住んでいない方は、ユーラシア大陸の最西端に来ることは滅多にないでしょう。ここはぜひゲットしておきたいものです。
また、日没後はバスの本数が少なく日没を見終えた乗客が行列します。日没より時間に余裕をもって到着の上、証明書を発行してもらってから、日没を待つように。
写真:吉田 彩緒莉
地図を見る日没が近くなるとロカ岬の灯台もオレンジ色に染まります。そして、ユーラシア大陸最西端の夕日をひと目見ようとやって来る観光客の姿もどんどん増えていきます。
この灯台は1772年に建設され、250年近くたった今でも現役というから驚きです。
写真:吉田 彩緒莉
地図を見る岬に建つ十字架モニュメントには、ポルトガルの詩人ルイス・デ・カモンイスの詩の一説が刻まれています。
「ここに地果て、海始まる」
この碑の前に建つと、ユーラシア大陸の最西端にまさに今立っているという感動で心がいっぱいに。
写真:吉田 彩緒莉
地図を見るロカ岬の断崖に立ち海を見渡すと、なぜここが「地の果て」と形容されたのか、わかることでしょう。
目の前に広がるのはどこまでも続く真っ青な大西洋。向こうには陸ひとつ見えない広大な海景色は「この海の果てには何があるのか?」という好奇心を多くの人にもたらしたと言います。ポルトガルが7つの海を制した15世紀の大航海時代は、ユーラシア大陸の最西端と言う土地自体がきっかけとなったのでしょう。
世界的な冒険家ヴァスコ・ダ・ガマもポルトガルに生まれ、旅立ち、インド航路を開拓。記録に残るヨーロッパ人の日本への初上陸は1542年、ポルトガル人でした。最西端の国が極東の国に興味を持つのは当然のことといえるでしょう。
多くの国を訪ね、航路を開拓した偉業は「地の果て」だからこそ達成できたに違いありません。
写真:吉田 彩緒莉
地図を見る昨今インスタグラムをはじめとしたSNSの流行と自撮りブームで「地の果て」であるロカ岬に悲劇が多発しています。それは滑落事故。
ロカ岬の観光案内でも柵より向こうには立ち入らないよう呼び掛けていますが、自撮り好きの人々が無視して柵内に入り、自撮りをしているうちに滑落して死亡する事故が増加。崖のぎりぎり際ではなくとも、いつ崖が崩れるかわかりません。波も荒く滑り落ちたら助からない可能性が高いので、柵の向こうには絶対に立ち入らないよう気を付けてくださいね。
写真:吉田 彩緒莉
地図を見る日没が迫ると、地の果てならではの遮るもののない空と海の境界線がなくなるほどに、一面オレンジ色に染まります。この光景をどう例えたら良いのでしょうか。その場にいる全員がオレンジ色の光に包み込まれる様子に、思わず涙する人も。
ユーラシア大陸の最西端に沈む夕日を求めてやってきたこの地。極東アジアから極西ヨーロッパへとやってきた旅路を思いながら「思えば遠くへきたものだ」という思いがこみ上げて来るでしょう。
写真:吉田 彩緒莉
地図を見るカモンイスの読んだ「地の果て」は海の始まりでもあります。夕日はどこにいても遠く西遠方に沈んでいくのです。太陽はどの場所にも平等で、地はここで終わっても海はここから始まり、空は永遠と続いていくということが、よくわかるはず。
遠くユーラシア大陸の最西端までやってきた結果、人々の胸に去来するのは太陽は西に沈むとはいえ最西端でもその先に西の海に沈んでいくということ。地球は本当に丸いのだという実感です。
ちなみにこの夕日は日没が17時58分の2月初旬にとらえたもの。この時期はバスと電車でリスボンからロカ岬への日帰り旅は十分成立します。
ところが・・・ポルトガルの日没は4月から10月までとても遅くなります。中でも7月は21時が日没のため、最終バスの時間に間に合いません。夏休みに夕日を見るためにユーラシア大陸の最西端の地・ロカ岬を訪れるのであれば、1日バスツアーやロカ岬の夕日を見るツアーなど別の方法を考えましょう。
11月〜4月までは電車とバスを使って個人で行きやすいシーズン。ただし日没より早めに到着し、バスの時間に合わせて岬からバス停に戻るようにしてくださいね!
住所:Estrada do Cabo da Roca s/n, 2705-001 Colares, Portuga
電話番号:351-219-280-081
アクセス:カスカイス駅より403番バス乗車で約30分。またはシントラ駅より403番バス乗車で約40分
2020年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事を書いたナビゲーター
吉田 彩緒莉
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