3月3日はひな祭り、ということで豪華七段のひな人形をご自宅に飾る方もいらっしゃることでしょう。しかし、ここ越前おおのひな祭りは超絶二十段!
メイン会場の平成大野屋の平蔵(ひらぐら)に飾られる人形の数はなんと2000体!いったい何人囃子ですかね?中央の内裏雛に目が行きがちですが、上部に鎮座しているのも各ご家庭なら本来主役級の内裏雛です。
そしてひな人形の常識を覆す、背面も飾っていくスタイル。見えないところまでびっしりひな人形で埋めていく発想には驚かされますね。元来、子女の健康を願って飾られているのですが、これだけ飾れば超健康間違いなし。
この越前おおのひな祭りのきっかけは、まちの人形店である「人形のやまだ」が中心となって家庭で飾られなくなったひな人形を飾る(供養する)イベントを企画したのが始まり。
ひな人形を購入したくなったら、もちろん「人形のやまだ(四季を彩る人形館)」で購入できます。
ちなみにこのメイン会場の平蔵を併設する平成大野屋は大野市のまちづくり会社が改装した歴史建造物で、イベントスペースや道の駅としてリバイバルされています。越前大野城の麓に位置する時計台(結ステーション)が平成大野屋へのアクセスの目印で、周辺には大きな観光客用の無料駐車場もあります。
なお、平蔵はすばらしいことに開催期間中(例年1月中旬〜3月下旬)、休館なし、さらに見学無料!
<基本情報>
住所:福井県大野市元町1-2
電話番号:0779-69-9200
アクセス:JR越前大野駅から徒歩15分
こうしたひな人形無料展示スポットはまだまだあり、「JR越前大野駅」や「城下町東広場」そして「大野市観光協会」と駅から徒歩数分圏内に点在しています。しかし、メイン会場以外は通常のひな人形なので、平蔵見学後はむしろ町歩きをメインにしても良いでしょう。
例えば、越前おおのの自慢のひとつにまちのあちこちで湧き出る名水(湧水地)があるのですが、そのひとつである「御清水(おしょうず)」は前述の平成大野屋のすぐそば。
湧水を汲んで持って帰れるので、車で来られた方はペットボトルなどを用意するのが良いでしょう。なお後ろの足湯のような場所は野菜の洗い場になっています。
430年の歴史をもつ越前おおののまちは小京都の名の通り、碁盤の目になっています。南北の道は数字と「番」の組み合わせ、東西の道は数字と「間」の組み合わせで呼ばれます。中でも古い民家や醤油屋が並ぶ「七間(しちけん)通り」は、石畳の道と相まって歴史あるたたずまいを感じさせてくれるスポットです。
ひな祭りシーズンが終わり、春分を迎えると朝市が立つのもこの通りです。大野市の観光協会もこの通りにありますので、越前大野駅から徒歩で平成大野屋方面に来る場合は立ち寄るのも良いでしょう。
その大野市観光協会のある五番通りから一本東にはいった通りは、「寺町通り」と呼ばれる小京都感あふれるフォトジェニックなスポット。寺社をここに集めて京都風のまちなみを創ろうとしたことから、十数件の寺社が軒を連ねるノスタルジックな小道です。
冒頭で述べた越前大野城の城下には今も当時の武家屋敷が残っていて、有料で公開されています。特に国指定登録文化財の「旧内山家」はそれだけでも一見の価値があるのですが、ひな祭りシーズン中はひな人形も飾っているので一粒で二度おいしいスポットになっています。入館200円とリーズナブルな価格設定です。
<基本情報>
住所:福井県大野市城町10-7
電話番号:0779-65-6122
アクセス:JR越前大野駅から徒歩15分
平蔵のとなりにある「二階蔵」も明治時代の銀行の蔵を改装した歴史建造物で、中は上述の七間通りの江戸時代の様子のジオラマなどが展示されている、ちょっとしたミュージアムになっています。こちらは無料ですので入らない手はないですね。
まち歩きで歩き疲れたら、大野名物に舌鼓を打ちましょう。そばや醤油など名水を活かした産品が多い大野ですが、実はその醤油を使った「醤油カツ丼」発祥の地。福井県全体ではソースカツ丼のほうが有名ですが、ここ大野では醤油カツ丼を食べないといけません。
まちの各所で食せますし、前述の平成大野屋に併設されている「はいから茶屋」でも提供されています。また青豆醤油をはじめとするお土産も平蔵に併設されている「結楽座」で販売されていますので、ぜひ立ち寄っていきましょう。
越前大野城は織田信長に仕えた金森氏が造った居城ですが、その織田信長との戦いに敗れ、滅亡したのが「一乗谷」の朝倉氏です。従うか戦うかで明暗を分けたといってはアレですが、福井市と越前おおのを結ぶ道路及び線路の途中にある一乗谷は戦いによって焼土と化したため、史跡ではなく遺蹟として残っています。
越前おおののまちと異なり建物はほとんど残っていませんが、戦国城下町の名残がまた違った神秘的な雰囲気を醸し出しています。
後述する京福バスは休日に限り、福井駅に向かう便が、遺跡巡りの基点となる「一乗谷朝倉氏遺跡資料館」に停まります。時間があればこちらも立ち寄ってみるのも良いでしょう。
<一乗谷朝倉氏遺跡資料館の基本情報>
住所:福井県福井市安波町4-10
電話番号:0776-41-2301
アクセス:JR一乗谷駅から徒歩3分
今回ご紹介した越前おおののまちはコンパクトに見どころがまとまっており、JR越前大野駅から徒歩や自転車で巡ることができます。
ただ休日に福井駅からアクセスするなら本数の多く、且つ乗降自由の休日フリーきぷのある京福バスを利用して、平成大野屋に近い「大野銀座」で乗降するとより便利です。
もちろん車でアクセスしても良いのですが、沿岸部と異なり北陸の山間部はかなりの豪雪地帯。ひなまつりシーズンの春先まで道路が雪で覆われていることもあり、普段雪道を運転しない人はその点をご留意ください。
それでは気をつけていってらっしゃいませ〜。
2020年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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