写真:きんぎょ 美歩
地図を見る金沢観光のメインスポット「兼六園」。実はその園内にも坂道が10以上もあり、兼六園の出入口にも、坂道の名前が付いているのをご存知でしょうか?
兼六園下の交差点から樹木や桜木に沿って、「石川門」に向かう坂道がありますが、ここは「紺屋坂」といいます。現在は多くの土産店が立ち並んでいますが、もとは染め物屋を意味する加賀藩お抱えの「紺屋」のあったことがその名前の謂れです。
紺屋坂の上は石川門の前で、多くの観光客が出入りする「桂坂口」があります。昔は老木の「桂」の木があったからです。
写真:きんぎょ 美歩
地図を見る石浦神社から左手の兼六園に入園する入り口は、「真弓坂」です。金沢城に向かい、弓なりになっていることで名付けられました。
真弓坂口は「金沢21世紀美術館」から兼六園へのアクセスにも便利で、美術館からは歩いても数分の場所にあります。坂道からはコマユミなどの樹木越しに、金沢城の石垣も眺められ、城下町らしい雰囲気を感じられるおススメの坂道です!
写真は、石川県立美術館の傍で、加賀藩前田家の奥方御殿といわれる「成巽閣」の裏門へと続く、兼六園の「随身坂口」です。傍らの「金澤神社」に向かう道は兼六園の梅林にも近く、春先には、梅のほのかに香る風情も楽しめますよ!
写真:きんぎょ 美歩
地図を見る「真弓坂」の右手に石川県立美術館に延びるのは「広坂」です。
もともとは兼六園内に加賀藩の作事部門があり、周辺に重臣の邸宅があったことなどから、作業のために使用された坂道です。
兼六園に続く、鬱蒼とした森をくりぬいて造られた坂道であったことが窺えるような、自然豊かな道は、長く傾斜も緩やかで、冬場は写真のように足元が滑らないよう、金沢らしい風情ある工夫もなされています。
坂の途中には兼六園側に、馬も通ったほど広い「川口門跡」と石垣、その石段も苔生してそのまま残っていますので、お見逃しなく!
<兼六園の基本情報>
住所:金沢市丸の内1番1号
電話番号:076-234-3800(石川県金沢城・兼六園管理事務所)
開園:年中無休
開園時間:3月1日〜10月15日は7:00〜18:00 (退園時間)10月16日〜2月末日 8:00〜17:00 (退園時間)この他、無料の早朝開園もあります
入園料:大人(18歳以上)320円 小人(6歳〜18歳未満) 100円
アクセス:金沢駅より兼六園シャトルバスなど多数
「暗がり坂」があるのは、金沢を代表する観光スポットのひとつ「主計町茶屋街」です。春は桜並木が美しい浅野川沿いにあります。
川沿いの小路にちょっと入るだけで、まるで迷路のような雰囲気です。人影も少なく、周囲に漂う静けさと弁柄格子が織りなす風情は、金沢観光の中でも、特におススメのシャッタースポットですよ!
「暗がり坂」は、茶屋街の小路にある「主計町事務所」の奥にあります。「暗がり坂」のあたりは昼でも薄暗いので、別名「暗闇坂」ともいわれています。
写真:きんぎょ 美歩
地図を見る「暗がり坂」の階段の上には「久保市乙剣宮」があり、弁柄格子の茶屋街と神聖な神社を繋ぐ坂道となっています。
茶屋街の片隅の、日差しのある坂の上に続く道…。この坂を通り行き来した人と、それを見送った人など、この界隈に生活した各々の思いが偲ばれるようなネーミングですね。誰かに思いを馳せながら、ぜひ歩いてみましょう!
<主計町茶屋街暗がり坂の基本情報>
住所: 石川県金沢市主計町3-15 地先
アクセス:「城下まち金沢周遊バス」が便利です。市内バス利用の場合は「橋場町」下車徒歩5分ほど
散策自由
写真:きんぎょ 美歩
地図を見る石川県立美術館の裏には、「美術の小径」と「歴史の小径」と名付けられた2つの坂道があります。
この付近は通称「本多の森」といいますが、加賀藩の重臣本多家は、この一帯に、当主が詰める公の上屋敷と家族が居住する中屋敷、そして家臣の住む下屋敷を持っていました。
写真は「歴史の小径」です。
「歴史の小径」は、上屋敷と崖下の中屋敷を結んだ道で、当主も通ったとされるつづら折りの「御用坂」です。「本多家」の上屋敷の裏手にあり、金沢市指定史跡として2017年に整備されました。
写真:きんぎょ 美歩
地図を見る門跡や塀跡、石垣等の遺構を見学しながら、武士たちも駆け抜けたであろう急坂。当時の武家社会を思い浮かべながら、歩いてみてはいかがでしょうか。
写真:きんぎょ 美歩
地図を見るこちらの写真は「美術の小径」です。
「美術の小径」や「歴史の小径」は、どちらも金沢市立中村記念美術館を経て、「金沢21世紀美術館」方面と、「緑の小径」と名付けられた散策路で繋がる「鈴木大拙館」方面に行くことができる、歴史とアートの坂道です。
坂の上から下屋敷のあった本多町、賑やかな香林坊や片町方面へと地元の人が近道に利用することも多い小径は、自然も豊かで観光客も少なく、歩いて散策するのにおススメの道です!
金沢観光が初めての方はもちろん、リピーターならぜひ歩いてほしい散策路ですよ!
<歴史の小径と美術の小径の基本情報>
住所:金沢市本多町3丁目2
アクセス:「城下まち金沢周遊バス」または「兼六園シャトルバス」が便利です。市内バス利用の場合は「本多町」または「出羽町」下車 「金沢フラットバス」ご利用の場合は「県立美術館前」下車
散策自由
写真:きんぎょ 美歩
地図を見る兼六園から「広坂」を、「辰巳用水」の石標のある石引町を抜けると、小立野通りです。金沢城の搦め手で上級武士の屋敷があった「小立野」には、崖下への坂道がいくつもあります。
写真は「嫁坂」です。坂の上に住んでいた加賀藩重臣の篠原出羽守が、鈴木大拙館のある崖下の本多町に、大事な娘を嫁がせました。その嫁入り道具を運ぶ為にわざわざ切り開いた坂だというのが、この「嫁坂」の謂れです。
この坂の上から憎い嫁を蹴落としたという、当時から急な坂道だったことが窺われるような、怖い一説もありますよ。
<嫁坂の基本情報>
住所:石川県金沢市石引4−8−1先
アクセス:市内バス「石引町」下車徒歩5分ほど 石川県立美術館から徒歩15分ほど
散策自由
「小立野」には、前田利常の正室で、3歳で江戸から輿入れしたことでも知られる珠姫の菩提寺「天徳院」があります。この界隈には「馬坂」「鶴間坂」「亀坂」などの急勾配の坂道があります。
写真の「馬坂」は昔、農夫が馬を引いて小立野へと通った道です。かっては森であったことを思わせるような、くねくねと曲がり木々が生い茂る坂道の先には、小立野が高台であることを実感するような、見晴らしのいい風景が!
この道は、歩行者や自転車専用の生活道路として、現在も利用されています。
<馬坂の基本情報>
住所:石川県金沢市扇町5-21
アクセス:市内バス「小立野」下車徒歩10分ほど 石川県立美術館から徒歩25分ほど
散策自由
写真:きんぎょ 美歩
地図を見る写真は兼六園の小立野口近くにある「八坂」です。
金沢市内には、ご紹介した以外にも「蛤坂」や「桜坂」、「不老坂」や「観音坂」など、ぜひ訪れてほしい特徴的な坂道が多数あります。
坂道の周囲の風情も、謂れにまつわる話も千差万別いろいろありますので、それらを楽しみながら散策するのもおススメです!
<八坂の基本情報>
住所:石川県金沢市東兼六町2−37先
アクセス:「城下まち金沢周遊バス」または「兼六園シャトルバス」が便利です。兼六園「小立野出口」から徒歩5分ほど 市内バス利用の場合は「出羽町」下車徒歩5分ほど
散策自由
金沢城址は、市内を対峙するように流れる「浅野川」と「犀川」の間にある小立野台に位置し、両側には「寺町」「卯辰山」などの丘陵地が繋がっています。
茶屋街や美術館などが小ぢんまりとした城下町のエリアに点在しているので、「坂道」観光は、金沢らしさを堪能しながら金沢の観光名所の制覇にも!
金沢市内は、バスはもちろん、自転車や徒歩でも手軽にまわることができるほど、金沢駅や金沢城公園、兼六園周辺に観光スポットがまとまっています。自分だけのお気に入りのスポットを探しながら、金沢観光をお楽しみください。
2020年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/14更新)
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