世界遺産の教会がそびえる猫の村。フランス「ラ・ロミュー」

世界遺産の教会がそびえる猫の村。フランス「ラ・ロミュー」

更新日:2020/02/28 10:01

木村 岳人のプロフィール写真 木村 岳人 フリーライター
フランス南西部のガスコーニュ地方に「ラ・ロミュー」という村があります。「サン=ピエール参事会教会」を中心に家が並ぶ小さな集落ですが、昔から猫の伝説が語られており「猫の村」として知られています。

またこの村はカトリック三大聖地の一つ「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」へ続く巡礼路の経由地でもあり、参事会教会が世界遺産『フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路』の構成資産に含まれています。

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ローマ巡礼を終えた修道士によって拓かれた集落

ローマ巡礼を終えた修道士によって拓かれた集落

写真:木村 岳人

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ラ・ロミューが位置するのは、ブランデーの産地として有名なアルマニャック地域における拠点の一つ「コンドン」の郊外。周囲を広大な農場によって囲まれており、サン=ピエール参事会教会が聳える姿は緑の畑に浮かぶ島のようです。

村の始まりは11世紀後半、ローマ巡礼を終えた二人のドイツ人修道士により小さな修道院が築かれたことに端を発します。「ラ・ロミュー(La Romieu)」という村の名は、ガスコーニュ語で巡礼者を意味する「Roumiou」に由来するのです。

ローマ巡礼を終えた修道士によって拓かれた集落

写真:木村 岳人

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現在のラ・ロミューは広場を中心に一本の路地が東西に通るだけの、とてもシンプルかつコンパクトな集落です。とはいえ、昔ながらの様相を残す家々は歴史ある町並み景観を形成しており、2018年には“フランスの最も美しい村”の一つに認定されました。

枢機卿によって築かれたサン=ピエール参事会教会

枢機卿によって築かれたサン=ピエール参事会教会

写真:木村 岳人

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ラ・ロミューはローマ教皇クレメンス5世の従兄であり枢機卿にまで上り詰めた「アルノー・ドー」の出身地でもあります。14世紀初頭、ドー枢機卿は生まれ故郷に宗教的な基盤を整えるべく、ラ・ロミューに教会を築きました。それが現在、世界遺産になっている「サン=ピエール参事会教会」です。

参事会教会(コレジアル)とは聞きなれない言葉かもしれませんが、大聖堂(カテドラル)が司教(カトリック教会において地域を統括する聖職者)が管理する教会であるのに対し、参事会教会はその名の通り参事会、すなわち自治体が管理する教会です。

枢機卿によって築かれたサン=ピエール参事会教会

写真:木村 岳人

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集落の規模と比べるとサン=ピエール参事会教会があまりに巨大で驚かされますが、それだけドー枢機卿の権力と財力が強大だったということに他なりません。まさにラ・ロミューを象徴する存在だといえるでしょう。

ゴシック様式で統一された教会内部

ゴシック様式で統一された教会内部

写真:木村 岳人

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参事会教会の内部に入るには、隣接する観光案内所で入場料を支払う必要があります。教会内部はリヴ・ヴォールト天井や尖塔アーチ窓など、ゴシック様式でまとまっており統一感あるたたずまいを見せています。

祭壇の左側には塔への入口があり、そのうち現在は聖具室として利用されている一階部分の壁や天井には14世紀末期のテンペラ画が描かれており、荘厳な美しさを醸しています。

ゴシック様式で統一された教会内部

写真:木村 岳人

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螺旋階段を上っていくと、塔の上に出ることができます。集落のみならず周辺地域まで見渡せる眺めは実に素晴らしいのですが、ここでぜひ注目して頂きたいのが階段の途中から出られる屋根裏です。

リヴ・ヴォールトの天井裏や、屋根の小屋組を直に見ることができる教会はそうありません。教会建築の構造をより深く理解する手助けになることでしょう。

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破壊されてもなお留める回廊の美

破壊されてもなお留める回廊の美

写真:木村 岳人

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教会の北側に隣接する回廊もまたゴシック様式で築かれています。しかしながら、一部のアーチの内部が崩れていたり、柱が削られていたりとやや痛々しい状態です。これは16世紀のユグノー戦争において、プロテスタント軍の攻撃を受けた時の傷痕です。

破壊されてもなお留める回廊の美

写真:木村 岳人

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一部が破壊されてもなおゴシック様式ならではの華やかな美しさは残っており、ロマネスク様式の流れを汲む柱頭彫刻を目にすることもできます。

ラ・ロミューに語られる猫の伝説

ラ・ロミューに語られる猫の伝説

写真:木村 岳人

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集落内を歩いていると、あちらこちらに猫の像があることに気付きます。これはラ・ロミューに移住してきた芸術家「モーリス・セロー」が1990年に築いた作品です。そのモチーフになったのが、この村で古くから語られている猫の伝説です。

ラ・ロミューに語られる猫の伝説

写真:木村 岳人

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1338年、ラ・ロミューにアンジェリーヌという女の子が生まれました。不幸にも幼くして両親を失ってしまい、村の親切な夫婦に引き取られました。アンジェリーヌは猫をとてもかわいがり、猫もまたアンジェリーヌがどこへ行くにもついていきました。

ある時、村は二年にも渡る深刻な飢饉に見舞われます。食料が尽きた村人たちは猫をも食べざるを得ない状況に陥ってしまいました。村から猫が消えていく中、それを憂いたアンジェリーヌはつがいの猫を屋根裏に隠したのです。

その後に天候に恵まれ再び作物が採れるようになったのですが、村に猫がいなくなってしまったことからネズミが大繁殖して作物を荒らすようになりました。アンジェリーヌは屋根裏に隠していた猫が産んだ20匹の子猫を村人に分け与え、お陰でネズミの害はなくなり村人たちは猫に感謝したといいます。

ラ・ロミューに語られる猫の伝説

写真:木村 岳人

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村の名である「ラ・ロミュー」の「ミュー」が猫の鳴き声に似ていることもあり、ラ・ロミューは今やすっかり「猫の村」となりました。市庁舎の前、家の門、窓の縁など、様々な場所に猫の姿が見られますので、ぜひとも探しながら歩いてみてください。

ラ・ロミューの基本情報

住所:La Romieu, Gers, Occitanie
電話番号:+33 5 62 64 00 00(ラ・ロミュー観光案内所)
アクセス:コンドンから車で約20分
<サン=ピエール参事会教会>
拝観料:5ユーロ
拝観時間:
1〜2月:日曜日および祝日の14時〜17時
3月:月〜土曜日は13時半〜18時、日曜日は14時〜18時
4月:月〜土曜日は10時〜12時および13時半〜18時、日曜日は14時〜18時
5〜6月:月〜土曜日は9時半〜19時、日曜日は14時〜19時
7〜8月:月〜土曜日は9時〜19時、日曜日は10時〜13時および14時〜19時
9月:月〜土曜日は9時半〜19時、日曜日は14時〜19時
10月:月〜土曜日は9時半〜18時、日曜日は14時〜18時
11月:月〜土曜日は13時半〜17時、日曜日は14時〜17時
12月:日曜日および祝日の14時〜17時

2020年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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