写真:小野 浩幸
地図を見るミツマタの群生する大分県九重町野倉地区へは、福岡方面からの場合は玖珠IC、別府・由布院方面からの場合は九重ICで下車し、車で約20分ほど。滝滑りで有名な「龍門の滝」から更に2キロほど入った、小さくて静かな山里です。
群生地は林道沿いにありますが、地元林業関係者以外の車両は進入を禁止されているため、集会場付近の専用駐車場を利用してください。
写真:小野 浩幸
地図を見る林道の入り口には、地元「野倉ミツマタ保存会」の皆さんによる特産品を販売するテントが設けられていて、ここで料金300円を支払うことになっています。
また、入り口に建てられている案内板を見ることで、この地の歴史を知ることができます。野倉には平家の落人伝説が残っています。壇ノ浦の合戦で敗れた公達とその家族が逃れ、この山村まで辿り着きました。一団の中には傷ついた武将やこれ以上歩くことのない女性や子ども50人ほどはこの地に残り、他の150人はここからさらに離れた熊本県の五木村や宮崎県の椎葉村へと落ち延びたといいます。
この山はいつしか平家山と呼ばれ、麓に残された人々は源氏の追討に怯えながら、わずかな田畑を開墾して隠れ住むようになったとのことです。
写真:小野 浩幸
地図を見る林道の入り口から緩やかな坂道が続きます。群生地までゆっくり歩いて15分ほど。全て舗装路ですので歩きやすく、ちょっとした運動不足解消になるでしょう。渓流の流れる水の音や鳥のさえずりなどを聞きながら、自然を満喫してください。
写真:小野 浩幸
地図を見るジグザグが続く林道の、最後のカーブを曲がると突如現れる巨大なミツマタの風景。独特な甘い香りが漂い、黄色の絨毯が杉林の斜面を彼方まで覆っています。多くの方がこの瞬間に感動し、思わず溜息をもらすことでしょう。歩いた疲れも一気に吹き飛ぶはず。
写真:小野 浩幸
地図を見るミツマタの森には写真愛好家の方も多く訪れています。特徴のある花なので、最高の被写体ですよね。日の差し込み具合や日陰とのコントラストなども計算しながら撮影されています。
写真:小野 浩幸
地図を見るミツマタは、日本では主に九州や四国に群生していますが、ここまで広大な規模のミツマタ群生地は大変珍しいものです。平家伝説と同様にミツマタも長い歴史があるかと思いきやそうではなく、2012年頃から杉林の間伐を始めたところ杉林の斜面に日が差し込むようになり、わずか数年でミツマタが群生し、今では5ヘクタールもの規模になりました。
写真:小野 浩幸
地図を見る花のつく枝先が3つに分かれていることからミツマタという名前がつきました。花を良く見ると4枚の花びらが球状に固まっているんですね。とても可愛らしいので盆栽で使う方も多い花です。
もともとは中国南部からヒマラヤが原産で、日本には平安時代とか室町時代に入ってきたという諸説があり、定かにはなっていません。
楮(こうぞ)や雁皮(がんぴ)と同様に樹皮の繊維から和紙の原料として育成されてきました。特にミツマタを使った和紙は光沢があり、しなやかで破れにくいことから、紙幣などに使われてきました。
写真:小野 浩幸
地図を見る野倉のミツマタは3月中旬頃から咲き始め、4月いっぱいまで見ることが出来ますが、見頃は3月中旬から4月上旬です。シーズン中は、写真愛好家や家族連れで賑わいます。気候変動によっても開花時期は変わりますので、事前に現地の情報をサイトなどで調べておくと良いでしょう。
住所:大分県玖珠郡九重町大字松木2966
電話番号:0973-73-5505 九重町観光協会
会場保全料:おひとり様300円(未就学児は無料)
交通:JR恵良駅から車で約20分
2020年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
小野 浩幸
地元の大分県を中心に九州のあちこちに出かけています。心を奪われるような風景、磨崖仏や隠れキリシタン史跡などのミステリアスなスポット、神社や寺院にある不思議な造形の彫刻などを巡っております。
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