控え目に言って日本屈指!織物名産地の群馬「桐生」を感じる一本道

控え目に言って日本屈指!織物名産地の群馬「桐生」を感じる一本道

更新日:2020/03/05 14:31

浅井 みらののプロフィール写真 浅井 みらの 総合旅行業務取扱管理者、全国通訳案内士(英語)、世界遺産検定2級、JSBA スノーボード バッジテスト 1級
良質な素材を使い、複雑な文様で徳川家も魅了した桐生織。その評判は“西の西陣、東の桐生”と日本を代表する織物と賞賛されるほど。歴史を遡れば1300年も前に絹織物を納めた記録があり、関ヶ原合戦など歴史の節目にも活躍。長年の実績におごらず、明治以降も最新技術を取り込み、国の近代化に貢献しました。町の発展が始まった桐生天満宮から延びる本町通りを歩くと、織物の名産地「桐生」の遺産が町の今昔を伝えてくれます。

新型コロナウイルスの発生と感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除されましたが、2020年6月18日(予定)までは一部都道県との間の移動の自粛が求められています。各種報道機関の発表、施設や各自治体のホームページなどで最新の情報をご確認ください。(LINEトラベルjp)
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町の発展は一本の道から

町の発展は一本の道から

写真:浅井 みらの

栃木県との県境に位置し、渡良瀬川、吾妻山と自然に囲まれた群馬県桐生市。この一帯は奈良時代より朝廷に絹織物を献上したとされ、鎌倉倒幕に出向く新田義貞が桐生の絹で戦に用いる幟(のぼり)を作ったり、関ヶ原合戦の直前には徳川家康からも要請されたりと、名だたる人物に必要とされてきました。

町の発展は一本の道から

写真:浅井 みらの

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町が本格的に整備され始めたのは1591年。徳川家康の命を受けたのが始まりで、桐生天満宮に近い区画から本町一丁目、二丁目と丁番も割り振られていきます。

本町通りという桐生天満宮から延びた道も整備され、江戸、明治、大正にわたる重要伝統的建造物が並びます。本町通り沿いと桐生天満宮を含む歴史情緒が感じられる一帯は“重伝建(じゅうでんけん、重要伝統的建造物群保存地区)エリア”という呼び名で親しまれ、桐生を知るのにぴったりな町歩きコースです。

町の発展は一本の道から

写真:浅井 みらの

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桐生天満宮で見逃せないのが白木の拝殿に対し、日光東照宮でお馴染みな権現造りの豪華絢爛さが際立つ拝殿の側面や後面の本殿。屋根付近だけでなく地面に近い箇所にも細かな彫刻が施され、今にも動き出しそうな躍動感が感じられます。

<桐生天満宮の基本情報>
住所:群馬県桐生市天神町1-2-1
電話番号:0277-22-3628

大正時代の余韻が残る金善ビルで刺繍体験

大正時代の余韻が残る金善ビルで刺繍体験

写真:浅井 みらの

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機械化により桐生織が活躍した明治以降、企業は続々と近代的なビルを建築し始めます。本町通りに堂々と佇む、金善(かなぜん)ビルもそのひとつ。大正10(1921)年頃に当時ではまだ新しい鉄筋コンクリート造りが採用され、モダンな白亜の外観が大正ロマンの余韻を感じさせます。

地上4階、地下1階建て。国の有形文化財にも登録され、事務所だった1階はセレクトショップ“Life & Gift KINARI“となり、桐生織も販売。他に自社製品の刺繍も輝きを放っています。

大正時代の余韻が残る金善ビルで刺繍体験

写真:浅井 みらの

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織物の影響を受け、桐生は刺繍も有名。実は横須賀名物のスカジャンで欠かせない華やかな刺繍も当初は桐生で制作していました。

まるで絵画のような微妙なライン引き、色使いを可能にさせたのが、刺繍用に特化させた桐生発祥の横振りミシン。手で布を、足でミシンを稼動させるのに加え、膝にバーを設けたのが特徴。このバーを膝で操作することで針の横振りを調節します。一人前になるまで十数年かかるという、まさに職人技です。

動画:浅井 みらの

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「刺繍をもっと身近に感じてほしい」という想いから、こちらでは体験も実施。工場で使われる本格的ミシンが自動で刺繍を縫い上げていく様子を間近で見ることができます。

刺繍のデザインはパソコンのソフトを使いますが、生地がよじれるなど思い通りに仕上がらないこともしばしば。布とデザインの相性を考慮しながら図面を描くには現場で培った縫製の経験が不可欠とのこと。横振りミシン同様、こちらも現代ならではの職人技です。

<Life & Gift KINARI(キナリ)の基本情報>
住所:群馬県桐生市本町5-345 金善ビル1F
電話番号:0277-47-6977
営業時間:11:00〜18:00
定休日:水曜。イベントにより不定休の場合も

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写真:浅井 みらの

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織物を筆頭に刺繍やレースなどの関連品と共に発展してきた桐生は、ものづくりや新たな取り組みを志す人たちを磁石のように集める力があるのかもしれません。

重伝建エリアの真ん中あたり、本町通りに建つ古民家が帽子専門店“usine”に生まれ変わりました。全面ガラス張りの店内は光に溢れ、目の前で作業風景が見られることも。国内でも珍しい帽子専門の工房です。

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写真:浅井 みらの

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一つひとつを手作業で作り上げるのがこだわり。昭和に製造された帽子用ミシンを駆使し、下縫いせず指の感覚を頼りにテープ状のブレードをらせん状に縫っていきます。平面が徐々に立体へ、その変貌ぶりもさることながらスピードの速さに瞬きも惜しむはず。

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写真:浅井 みらの

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桐生という土地を生かし、地元企業の素材を使って帽子を作るという新しい取り組みも開始。「身に着けてくれる人が喜んでくれる帽子を作りたい」と語る視野には、桐生に暮らす人たちも当然含まれています。どんな化学反応がこれから起きていくのか、そこには笑顔の連鎖反応も加わりそうです。

<usine(ユージーン)の基本情報>
住所:群馬県桐生市本町2-3-1
電話番号:0277-46-8663
営業時間:11:00〜18:00
定休日:不定休

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ぶらりぶらりな町歩きも桐生なら特別に

ぶらりぶらりな町歩きも桐生なら特別に

写真:浅井 みらの

桐生のシンボルとなっているのが、ギザギザ屋根が特徴の“ノコギリ屋根工場”。主に織物の工場として建設され、桐生市内全体に点在しており、本町通り周辺でも見ることができます。屋根が短い部分に窓が設けられ、北向きに面することで朝日や夕日に影響されず、一定の明るさのもとで色合いを確認していました。

現役続行の工場もありますが、役目を終えた工場は改修され、ギャラリーやレストランとして活躍中です。工場のすぐ近くには民家が並び、仕事場と生活感が溶けこんでいる桐生の雰囲気が感じられます。かつては蚕の食料となる桑畑も周辺にあり、子供たちはおやつ代わりに桑の実を食べていたのだとか。

ぶらりぶらりな町歩きも桐生なら特別に

写真:浅井 みらの

道端に何気なく置かれた染色された糸と糸車。そぞろ歩きをしていても織物の関連品がふと目に入ってくるのが、桐生の町歩きならではの醍醐味です。

ぶらりぶらりな町歩きも桐生なら特別に

写真:浅井 みらの

織物をデザインする際、ある程度の発想力や遊び心も求められたはず。そのため本町通りを歩いていると、オーナーの嗜好やこだわりが感じられるユニークな建造物が目を楽しませ、創造の豊かさに惚れ惚れしてしまいます。

他にも!桐生のおすすめグルメ&スポット

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写真:浅井 みらの

2km圏内に名所がギュッと集まっている桐生の本町通り周辺。しかし、隈なく歩けばお腹も空くはず。ガッツリ補給したいときは、揚げたてカツに秘伝ソースをかけたご当地グルメ、ソースカツ丼がおすすめ。シンプルな味つけな分、白米もすすみます。

他にも!桐生のおすすめグルメ&スポット

写真:浅井 みらの

小麦の生産量が多い群馬県では、独自のうどんも誕生。通常のうどんより平たく、幅も3倍以上のひもかわも桐生の郷土料理です。

織物産業で忙しかった女性の調理時間を減らすよう考案されたなど諸説ありますが、つるつる、もちもちした食感はやみつきに。温かいもの、つけ麺などバリエーションも多く、通年食べたくなるメニューです。これらのご当地メニューは市内の飲食店複数で食べられます。

他にも!桐生のおすすめグルメ&スポット

写真:浅井 みらの

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さらに興味があれば本町通りから徒歩約5分の桐生織物記念館へ。建物自体も国の登録有形文化財に指定され、数々の機織り機を展示。その中でも明治以降に海外から取り入れたジャカード機は桐生織の生産を飛躍させた立役者です。

横須賀のスカジャンはじめ、桐生はまだまだ知られていないことばかり。控え目なのが群馬県の県民性なのか、その築き上げてきた歴史や文化を知るほど稀有な存在に魅了されます。

<桐生織物記念館の基本情報>
住所:群馬県桐生市永楽町6-6
電話番号:0277-43-7272
営業時間:10:00〜17:00
定休日:毎月の最終土曜・日曜、8/13〜16、12/29〜1/3

桐生を知るには町歩きから!

本町通りを中心にガイド付きツアーも実施されています。織物から始まり、織物で発展した群馬県「桐生」。しかし、町を歩けば刺繍や縫製など織物以外の産業も発達し、“織都(しょくと)”という響きがぴったり。

町全体が集結して一張羅を仕立てるように桐生の観光名所も一つだけでなく複数を巡ってこそ、より桐生の風土が分かり、魅力も倍増してくるもの。ぜひ訪れた際は、日常風景に溶け込みつつ磨かれてきた桐生織の今昔を辿ってみてはいかがでしょうか。

2020年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

取材協力:群馬県観光物産国際協会

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掲載内容は執筆時点のものです。 2020/02/28 訪問

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