写真:小野 雅子
地図を見るスペインのバルセロナにおけるモデルニスモと言えば、誰もが真っ先に思い浮かべるのがアントニオ・ガウディではないでしょうか。現在も建設が続いている2世紀越しの大プロジェクト、サグラダファミリア教会は彼の没後百周年となる2026年に完成が予定されている事もあり、昨今ますます注目を集めています。
写真:小野 雅子
地図を見るしかし今回ご案内するカタルーニャ音楽堂はその有名なガウディではなく、リュイス・ドメネク・イ・ムンタネーによる設計。ムンタネーは若くしてバルセロナ建築学校(現在はカタルーニャ工科大学建築学部)教授となり、また後には政治家としても活躍した多才な人物です。バルセロナ建築学校で彼から学んだ生徒の1人がアントニオ・ガウディであることも、彼がいかに先駆的であったかを証明していますよね!
写真:小野 雅子
地図を見るムンタネーは当時マドリードで流行していたアラブ様式の装飾と、モデルニスモの特徴である湾曲したラインを組み合わせた豪華絢爛なスタイルを確立しました。近代建築の特徴である合理的な鉄構造に、伝統的なセラミックなどの装飾を鮮やかにミスマッチさせた結晶が、このカタルーニャ音楽堂なのです。
写真:小野 雅子
地図を見るそもそもこのカタルーニャ音楽堂は、1900年代初頭にカタルーニャ・ルネッサンス(文芸復興運動)を先導した合唱団オルフェオ・カタランの本拠地として建てられたもの。それから100年余りたった現在でも、同合唱団が定期的にコンサートを行っている由縁です。
もちろん国内外の有名アーティストによるコンサート会場としても大変人気があり、ほぼ連日のようにコンサートやショーを開催しています。クラシック、ジャズ、フラメンコ、ポップスなど多彩な内容を繰り広げていますので、滞在中にお好きな演目があれば是非どうぞ。
写真:小野 雅子
地図を見るとはいえ殆どのコンサートは夜8時やそれ以降からの開演。バルセロナでの滞在日数が限られがちなツーリストにとっては昼間の観光がメインとなる場合が多いため、夜のコンサートは時間&体力ともに少々ハードかもしれません。
でも世界遺産に認定されたほどの芸術的な建築物、その素晴らしさを細部までじっくり鑑賞してみたいですよね!そこでお勧めなのが日中の見学ツアーです。
写真:小野 雅子
地図を見る見学ツアーには何種類かのコースがある中、最も手軽で催行回数も多く便利なのがガイド付きツアーです。あいにく日本語ガイドのツアーは現在のところありませんが英語、スペイン語、カタラン語、フランス語、イタリア語、中国語の6言語から選び、それぞれのガイド職員による説明を聞きながら見て回ります。
所用時間は約55分、料金は20ユーロ(10歳未満は無料)。なお21日前までにウェブ予約をすれば20%割引の16ユーロとなりますし、バルセロナ空港と市街中心を結ぶエアポートバス会社が無料配布する観光マップにも20%割引券が添付されている事がありますので、見かけたら要チェック!
写真:小野 雅子
地図を見るさてツアーが始まると、最初に大きなスクリーンのある部屋に通されます。そこでカタルーニャ音楽堂の基礎知識的なショートムービーを鑑賞後、いよいよガイドさんに率いられて館内見学。
エントランスやファサードの彫刻、バルコニーに林立するタイルモザイクの柱など外観にも見どころが多いのですが、何と言ってもメインのコンサートホールは別格の美しさ!細部まで手の込んだ装飾に埋め尽くされた空間は、溜め息とともにしばし言葉を失うほど。
写真:小野 雅子
地図を見る1905年に始まった建設に際してはバルセロナ市内の実業家・富豪らが多大な寄付をし「カタルーニャの芸術・伝統工芸を昇華させよう」という気運が満ちていました。そのため制作にあたったアーティストや職人達はもちろんのこと、使用されている陶器タイルやガラス、木材、鉄骨など資材もすべて地元産。たった1つだけ違うのはドイツ製のパイプオルガンだけ、という徹底ぶりです。
写真:小野 雅子
地図を見る舞台から客席の壁、柱、天井などどこも見惚れるばかりの優美な装飾ですが、やはり最大の圧巻は天井中央のステンドグラス。中央に太陽のイメージを配し、それを取り囲むような女性たちは合唱団を象徴しているといい、あたかも天上からの歌声が聴こえてくるようです。
窓からの採光を最大限に取り入れているため、日中は一部のシャンデリアを除いて電灯をつけていません。華麗かつ繊細なステンドグラスからの自然光を堪能できるのは、昼間の見学ツアーならではの醍醐味!
写真:小野 雅子
地図を見る見学ツアーの前後にお茶や軽食を楽しみたいならば、地階にあるカフェがお勧めです。朝9時から深夜まで営業しておりツアー参加者やコンサート観客だけでなく、誰でも気軽に利用できるのも嬉しいポイント。
写真:小野 雅子
地図を見るお茶やコーヒー、ソフトドリンクにお酒と飲み物だけでもOKですし、ケーキやスナック菓子やサンドウィッチなどの軽食も手頃な料金。また午後1時から午後4時までの日替わりランチはメイン、デザート、飲み物つきで12ユーロとお得です。
それに何より、このヴィジュアル!もしも時間の都合で見学ツアーもコンサートも無理そうならば、ここでお茶するだけでも雰囲気を味わえそう。
写真:小野 雅子
地図を見るカタルーニャ音楽堂からはピカソ美術館やバルセロナ大聖堂、ガウディが手掛けたカーサ・バトリョも徒歩圏内。バルセロナが誇る華麗なる世界遺産を、心ゆくまで楽しんでくださいね!
住所:Palau de la Música, 4-6, 08003 Barcelona
電話番号:+34-932-95-72-00
アクセス:地下鉄L1線またはL4線のウルキナオナ(Uruquinaona)駅から徒歩2分
2020年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
小野 雅子
国際結婚・海外での育児・また国際離婚を経たイギリス生活は、かれこれ25年以上となりました。ロンドンに長らく住んでいましたが、2017年に現パートナーとともにイングランド西部ウィルトシャー州へ移住。現在…
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