日本海側初の国立美術館!東京国立近代美術館工芸館が金沢へ

日本海側初の国立美術館!東京国立近代美術館工芸館が金沢へ

更新日:2021/02/18 09:34

Mayumi Tのプロフィール写真 Mayumi T 金沢出身の歴史探索家、B級グルメマニア、北陸の旅先案内人
2020年10月、東京都千代田区の東京国立近代美術館の分館である工芸館の所蔵品が、金沢の地へ移転しました!名誉館長はあの中田英寿氏。日本が誇る伝統工芸品の数々が鑑賞できます。

国立工芸館は金沢市内中心部の美術館や博物館、歴史的建造物が建ち並ぶ「兼六園周辺文化の森」に位置しています。自然あふれる緑豊かな金沢の地で、長い歴史を刻んできた巨匠の作品をじっくりと鑑賞してみませんか。

東京から金沢「本多の森公園」の地に移転!

東京から金沢「本多の森公園」の地に移転!

提供元:太田拓実

https://www.momat.go.jp/cg/地図を見る

「東京国立近代美術館工芸館」は日本で唯一の工芸を専門とする国立の美術館で、1977年(昭和52年)に東京都千代田区の皇居に程近い北の丸公園内の旧近衛師団司令部庁舎(重要文化財)に開館、2020年(令和2年)10月に金沢市に移転し、現在に至っています。

陶磁、ガラス、漆工、木工、竹工、染織、金工など各地の工芸作品が所蔵されており、その約3900点のうち約1900点が金沢の地に移転予定(作品は順次移転、他作品は都内、東京国立近代美術館本館での展示などに活用)。展覧会の開催や作品の収集、保存がされており、工芸文化の新たな発信拠点となっています。

東京から金沢「本多の森公園」の地に移転!

写真:Mayumi T

地図を見る

名誉館長はあの中田英寿氏!そしてこの国立工芸館が移転した「兼六園周辺文化の森」は、日本三大名園のひとつである兼六園を中心に石川県立美術館、いしかわ赤レンガミュージアム(石川県立歴史博物館、加賀本多博物館)、金沢城公園、金沢21世紀美術館、鈴木大拙館など藩政期以降から現代まで、歴史的建造物や文化施設が集まるエリアとなっています。

金沢市内中心部の香林坊(こうりんぼう)や近江町市場、武家屋敷にも近く、市内の主な観光スポットなどと併せて巡ることができ、石川・金沢の街の歴史や文化を存分に楽しむことができます。

周辺の緑や自然に溶けこむ建築美

周辺の緑や自然に溶けこむ建築美

写真:Mayumi T

地図を見る

明治の時代に建てられた二つの旧陸軍の施設、旧陸軍第九師団司令部庁舎と旧陸軍金沢偕行社(いずれも1997年に国登録有形文化財)を移築するとともに、以前に撤去された部分や外観の色などを復元しています。

正面向かって左側の建物、1898年(明治31年)建造の旧陸軍第九師団司令部庁舎は当時、師団司令部の執務室として使用されていました。展示室部分はRC造で復元して新築、金沢市内の中心部周辺の豊かな自然に囲まれ、白い外観がとても映えています。

周辺の緑や自然に溶けこむ建築美

写真:Mayumi T

地図を見る

向かって右側の1909年(明治42年)建造の旧陸軍金沢偕行社は当時、陸軍将校の社交場として使われていました。こちらも外観は今回の移築に伴い、建築当時の色を再現しています。

細部のクラシカルな造り

細部のクラシカルな造り

提供元:太田 拓実

https://www.momat.go.jp/cg/地図を見る

旧陸軍第九師団司令部庁舎、旧陸軍金沢偕行社のそれぞれの建物はクラシックな洋風建築。とても歴史が感じられるとともにモダンな印象で、明治の頃からの歴史ある佇まいが感じられます。

※写真は旧陸軍第九師団司令部庁舎内の2F階段ホール

細部のクラシカルな造り

提供元:太田 拓実

https://www.momat.go.jp/cg/地図を見る

1Fから2Fにわたる3室の展示室は季節ごとに展示を替え、様々なテーマに沿って展覧会が開催されています。

1Fには工芸に初めてふれる方向けに見どころをわかりやすく紹介。3D画像でインタラクティブに楽しめる最新デジタル技術にふれられるコーナー、展覧会図録やグッズを扱うミュージアムショップ、アートライブラリなどがあります。2Fは金沢出身の重要無形文化財保持者(人間国宝)である、松田権六氏(1896-1986)の工房を移築・復元、制作道具や資料が展示されています。同じく2F「茅の部屋」では、作品になる前のアイデアスケッチや図案などの資料が展示されています。

※写真は旧陸軍金沢偕行社の2F多目的室

屋外の展示物にも注目!

屋外の展示物にも注目!

提供元:太田 拓実

https://www.momat.go.jp/cg/地図を見る

陶芸家である金子潤(1942〜)氏の3メートルを超える大型の作品が、この国立工芸館エントランスの中庭で鑑賞できます。新たに収蔵したもので、とても迫力のある作品。陶芸の醍醐味が感じられる作品の一つとなっています。

屋外の展示物にも注目!

写真:Mayumi T

地図を見る

こちらは屋外に展示されている橋本真之氏の約10年をかけて制作された金工作品で、OPEN前に東京都千代田区の工芸館の庭より移転。こちらも大きな作品で、屋外で観賞できることから細部のつくり、金工の素材というものをじっくりと間近で感じとることができます。

橋本真之(1947年〜)《果樹園―果実の中の木もれ陽、木もれ陽の中の果実》1978-88年(C)

屋外の展示物にも注目!

写真:Mayumi T

地図を見る

工芸館の裏側からも美しくクラシカルな建築を間近で見ることができます。明治時代後期の建築美を思いっきり感じとってみましょう。

夜間はライトアップも!

夜間はライトアップも!

写真:Mayumi T

地図を見る

夜間はライトアップがされており、昼間とは違った印象でいっそう長い歴史を歩んできた建築を鑑賞できます。

古くから伝統文化がさかんな金沢の地に移転された国立工芸館。いしかわ赤レンガミュージアムや金沢21世紀美術館にも程近いので、石川県の観光とともにぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

国立工芸館の基本情報

住所:石川県金沢市出羽町3-2
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9:30〜17:30(入館17:00まで)
休館日:月曜日(祝日開館、翌日休館)、展示替期間、年末年始
アクセス:電車…金沢駅東口(兼六園口)北鉄バス3番乗り場18系統乗車「広坂・21世紀美術館」バス停下車 徒歩約7分(他にバス路線あり、詳細は公式サイトで)
車…北陸自動車道 金沢西ICより約30分、または金沢東IC、森本ICより約20分。(国立工芸館周辺、文化施設共用駐車場(無料、約250台)

2021年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/10/24 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -