写真:成瀬 康子
地図を見る「清春白樺美術館」は、清春芸術村の創設者である吉井長三(1930-2016)が設立した美術館です。白樺派の中心人物であった武者小路実篤(1885-1976)が、小さくても気持ちの良い美術館を建てたい、と望んでいた事を知り実現させました。
その望み通り、この小さな美術館には同人誌「白樺」で行動を共にした白樺派の活動・思想を紹介する資料や作品の他、白樺派が愛したゴッホやルオーなどの洋画も展示されています。
建物は谷口吉生氏(1937-)による設計で、美術館というより別荘のような作りで、こじんまりとした中にも変化に富んだ魅力的な空間が展開しています。
写真:成瀬 康子
地図を見る美術館の前にそびえ立つ親指、こちらは20世紀フランスを代表する彫刻家セザール・バルダッチー二(1921-1998)の作品。
セザールは、1960年代より、人体の一部を型取り、それを拡大させる「膨張彫刻」を発表するようになりました。横に立つとその大きさが実感出来ますよ!
写真:成瀬 康子
地図を見る白樺の森の中にひっそり建つこちらの小さな建物は、同じく谷口吉生氏(1937-)設計の「ルオーの礼拝堂」です。中にはフランスを代表する画家、ジョルジュ・ルオー(1871-1958)の作品が展示してある他、入口の扉上のステンドグラスはルオー自身によるものですのでお見逃しなく!
豊かな自然の中にはもう1つ美術館があります。それは安藤忠雄氏(1941-)設計の「光の美術館」です。展示内容は年に3回程変わりますが、こちらは人工照明ではなく自然光のみで作品を鑑賞する設計なので、開口部から差し込む光そのものも楽しんで!
写真:成瀬 康子
地図を見るツリーハウスのように見えるこちらのユニークな建物は、茶室「徹」です。建築史家でもある藤森昭信氏(1946-)の設計で、テーブルのような台座から梯子をかけて上ります。
内部は公開していませんが、サポーター会員になると中に入るチャンスがありますよ!4メートルの高さから広々した芸術村の敷地を見渡しながら過ごす時は格別でしょう。
写真:成瀬 康子
地図を見る清春芸術村では価値ある建物の移築や再現も積極的に行っています。例えば、こちらは外からのみの見学ですが、吉田五十八設計の梅原龍三郎のアトリエを東京より移築したものです。
梅原龍三郎(1888-1986)は日本を代表する洋画家で、吉田五十八(1894-1974)は「旧歌舞伎座」などを設計した近代数寄屋建築の生みの親と言われる名建築家なんですよ。
写真:成瀬 康子
地図を見る敷地内のみならず、駐車場脇のレストラン「素透撫(stove)」も見逃せません!
こちらの建物は、芸術村の実現に尽力を惜しまなかった故小林勇(岩波書店会長)の築79年の自宅を鎌倉より移築し、新素材研究所(杉本博司+榊田倫之)が内装設計を手掛けたものです。
シンプルな空間も素敵ですが、無添加・無化学調味料・100%グルテンフリーの料理を口にすると、思わず「美味しい〜」という言葉が口をついてしまいます!
写真:成瀬 康子
地図を見る遠くからも目に入る、入り口正面の建物は「ラ・リューシュ」です。あの有名なパリのエッフェル塔を設計したギュスターブ・エッフェル(1832-1923)設計によるもので、1900年のパリ万博のワイン館の再現となります。
なぜ再現なのかと言うと、実は取り壊しが決定していたワイン館を吉井長三氏が買い取り、こちらに移築する予定でしたが一転、保存が決定したので代わりにエッフェルの設計図を買い取り再現したと言う訳なんです。
オリジナルのパリと同じように、アトリエとしての使用の他、資料室やミュージアムショップとしても活用されているので是非覗いてみて!
毎年春になると咲き誇るこちらの桜は、この地が「清春小学校」だった頃から大切に受け継がれているもの。樹齢は90年以上でその数30本!山梨県の指定天然記念物でもあります。
もし季節を選べるのなら、桜の季節だと広い敷地の中でゆっくり寛ぎながら、アートと建築とそして桜と3倍楽しめますね!
住所:山梨県北杜市長坂町中丸2072
電話番号:0551-32-4865
アクセス:JR小淵沢駅またはJR長坂駅より、北杜市民バス 北部巡回線にて「清春芸術村」下車、目の前。車なら中央高速長坂インターチェンジより15分。
2020年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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