写真:土庄 雄平
地図を見る久米島へのアクセスの拠点である「久米島空港」から北東へ車で約10分。ただひたすら長閑な田園風景の中を進むと、突如現れる穴場スポットが今回紹介する「ヤジャーガマ」。現地へ到着すると、木道が地下へと延びており、その道を進んでいくと鬱蒼とした森の中に囲まれている大きな洞窟へと辿り着きます。
写真:土庄 雄平
地図を見る穏やかで平面的な風景とは打って変わって、まるでRPGの世界に出てきそうな佇まい。大きくえぐり抜かれた地形、一見不規則に見えるものの、よく見れば規則的に侵食された岩肌、そしてその洞窟と周囲を覆う森林の明暗のコントラスト。静けさも相まって実に神秘的な雰囲気を醸し出しています。
写真:土庄 雄平
地図を見る入り口から独特の外観をみせる「ヤジャーガマ」ですが、本番はその入り口から先!実は総長800mにわたって鍾乳洞が発達しており、その中を探検することができるのです。もちろん個人で懐中電灯などを用意して行くこともできますが、お勧めしたいのは現地ガイド付きの体験ツアー!
なぜなら鍾乳洞の中は、一応道として整備されているものの、真っ暗であり、天井から鍾乳石も伸びているため、決して安全とは言えないから。また、ヤジャーガマの見所をしっかり押さえられる点もポイントです。久米島町観光協会を通じて「島の学校体験プログラム」の一つとして予約することができますよ!(関連MEMOのリンクをご参照)
写真:土庄 雄平
地図を見るそれではいよいよ「ヤジャーガマ洞窟」の中へ入っていきます。ここから先は、太陽の光が一切届かない正真正銘、久米島のアンダーグラウンド。どんな世界が広がっているのかワクワクしますね!
写真:土庄 雄平
地図を見る狭い入り口の先は、基本的に一本道で、天井が高く広々としたスペースと、やや狭いスペースが交互に現れます。周囲を明かりで照らしながら進んでいくと、まず目を引くのは鍾乳石です。特に狭いエリアにおいて、琉球石灰岩の柱がいくつも発達している景観には驚き!中には天井から伸びて地面と一体化しているものも。何万年にもわたる悠久の自然を感じさせてくれます。
写真:土庄 雄平
地図を見るそんなヤジャーガマですが、今でも浸食活動は続いており、天井の至る所で鍾乳石の生成過程が見られます。ライトで照らし出せば、まるで宝石のように輝き、うっとりと眺めてしまうことでしょう!また天井は所々黄金色に光っている箇所もあります。これは水滴の付いた苔に光が反射しているから。色のない真っ暗な世界だからこそ、一つの色が一層鮮やかで美しく映りますね!
写真:土庄 雄平
地図を見るもちろん鍾乳石が連続し、洞窟自体で見応え抜群な「ヤジャーガマ」なのですが、その中に暮らしている生き物や、かつてこの洞窟を生活に利用してきた人々の痕跡もポイント!
例えば、洞窟内では絶滅危惧種に指定されているオキナワコキクガシラコウモリが飛び交ったり、鳴いている様子や、鍾乳石の上を自らの触角を頼りに歩いているクメカマドウマなどを確認することができます。まるで未知の生物を探している冒険者の感覚で面白いですね!
写真:土庄 雄平
地図を見るまた、かつてこのヤジャーガマは(1)海と田畑のちょうど中間に位置し、好立地であったこと、(2)雨風をしのげる天然地形であったこと、その二つの理由から人々の生活拠点として利用されていたことが分かっており、その時に食べられた貝殻が今でもそのまま転がっています。また近代には墓地、戦争の時代には防空壕としても活用されました。
ヤジャーガマは自然だけでなく、この地の人々の成り立ちや暮らしを探る上でも不可欠な歴史資料なのです。
写真:土庄 雄平
地図を見る暗闇の中、ヤジャーガマを歩くこと約15分、とうとう暗闇の先へ日光がさしている場所が現れます。ヤジャーガマの終点は外であり、そこには浸食された大地と緑が織りなす神秘的な景観が広がります。それはまるで妖精でも住んでいそうな、何かふつふつとパワーが湧いてくるような、筆舌に尽くしがたい荘厳な面持ち。まさか洞窟の先に、こんな場所があるなんて誰も想像することができないのではないでしょうか?
写真:土庄 雄平
地図を見るそして特筆すべき点は、その風景の傍らに見られる人骨。実は、琉球地方では魂は煙のようなものだと捉えられ、魂を海の彼方の聖なる地ニライカナイに還すために風葬(死体を風雨にさらして自然に消滅させること)を行っていました。
写真:土庄 雄平
地図を見るヤジャーガマの天井から差し込む陽光が、人骨を照らし出していく様子は、まさに天からの祝福(導き)を受けているよう!死者の魂が自然に帰っていく様子が、イメージとして想起されます。
写真:土庄 雄平
地図を見る久米島と言えば、ハテの浜に代表されるように、一にも二にも海のイメージが先行してしまうかもしれませんが、それを覆すのが今回紹介した「ヤジャーガマ」!リゾート感漂う離島のイメージとは一線を画すような、暗く鬱蒼として、そして神秘的な世界が広がっています。他の場所では絶対に味わうことのできない未知の「久米島」を、ぜひ一度探検してみてはいかがでしょうか?
住所:沖縄県島尻郡久米島町字仲地
電話番号:098-851-7973(島の学校)
アクセス:久米島空港から車で10分、久米島港から車で15分
2020年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
取材協力:久米島町観光協会
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(2024/10/13更新)
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