写真:毎川 直也
地図を見る矢向湯の最寄り駅はJR南武線「矢向駅」。昔ながらの商店が営業を続ける商店街が東西にのびています。駅を出て正面にある木(写真中央)はくすのき。これは矢向駅完成の際に地元のお寺から寄贈された、3本の記念樹のうちの一本。1945年の鶴見大空襲でうち2本が焼け、残ったこのくすのきも甚大な被害を受けたものの復活を果たし、現在は矢向駅のシンボルとなっています。
写真:毎川 直也
地図を見る駅を出て踏切を渡り直進すると、右手に天然温泉、サウナと描かれた煙突が見えてきます。今回ご紹介する矢向湯は主燃料が薪のため、今でもこの煙突は現役で活躍しています。方角によっては周辺に高層の建物が視界に入らないため、空に映えるこの煙突は貴重な光景です。
写真:毎川 直也
地図を見る商店街を一本わきに入ると施設の正面が現れます。印象的な煉瓦模様の壁面、軒先にはレトロな外灯が設置され、開港によって西洋文化が花開いた頃の横浜を彷彿とさせます。矢向湯のスタートははっきりとわからず、1958年の古地図を見ると煙突のマークがあるため、この時期から営業していたと推測されます。1980年に建替え、現在の形となりました。
写真:毎川 直也
地図を見る店内に入ると正面にはフロント。ここで入浴料金を支払い、石鹸やシャンプーなど必要な浴用品を買いましょう。現在の形に店内を改装したのは1999年のことで、それまでここは番台だったのだそう。ロビーの中央に立つ柱がその名残を感じさせます。
写真:毎川 直也
地図を見るフロントの一画には休憩スペースが用意されています(写真の本とテーブルは現在は撤去)。壁面には横浜市の上水道の成り立ちを説明した掲示物が展示されています。日頃ただの水道水と、何の気なしに利用しがちなカランの水。そのルーツを知ると、カランから出る水も特別なものに感じられることでしょう。
写真:毎川 直也
地図を見る矢向湯ではTシャツを販売しています。南関東地方を温泉マークで表現し、横浜の位置はハート形の温泉マークとなっています。多くの人に手に取ってもらいたいと願い、店主が手作りで製作し、価格をおさえて販売しています。子供用のサイズ、エコバックもあります。
写真:毎川 直也
地図を見るこちらは男湯。手前に温泉の湯船、奥は段差をあがって白湯の湯船と2つに分かれています。湯船は浴室中央にどーんと佇み、その縁には重厚さを感じる黒いタイル。そして段差によって二階層に分かれた湯船と、その風貌はまるで要塞のよう。その見た目の通り、矢向湯の湯船には強力な設備が備えられています。
写真:毎川 直也
地図を見る下層の湯船は主浴槽と高温槽で、緑茶色の温泉で満たされています。泉質はナトリウム−塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉、温まりが持続し、肌をすっきりと洗い流してくれる泉質です。入ってみるとよく身体が温まり、汗が額を流れていきます。主浴槽は40.5度と万人が入れるぬるめの温度設定。高温槽は42度です。
写真:毎川 直也
地図を見る主浴槽には強力な設備が2つ。1つはポイントマッサージ、いわゆる座湯です。12個の噴出口から出るジェットは超強力で、体の位置を保つのが難しいほど。水面の泡立ちを見ればそのパワーをご理解いただけるかと思います。その隣にある電気風呂も超強力。好きな方、経験者にオススメします。
写真:毎川 直也
地図を見る上層の湯船に入るときは湯船のわきの階段を上がります。歩行浴ができるような深さを持たせるために、階段をのぼって高さをつけることで1.2mの深さを実現しました。上層から浴室を見渡すと、普通の銭湯では見られない、見下ろす浴室を見ることができますよ!
写真:毎川 直也
地図を見る湯船には強力なジェットが2つ備え付けられています。こちらはハイパワージェット、スイッチを押すと壁面に取り付けられたノズルから一点集中の超強力なジェットが噴射されます。手すりを掴まなければ体が流されてしまうため、お腹に当てるときはしっかりと腹筋を入れましょう。背中や腿などに当てるのもオススメです。
写真:毎川 直也
地図を見るこちらはロウワーハイジェット。床に埋め込まれたノズルから水面に向かってジェットを噴出します。足裏やふくらはぎに当てるのがオススメです。このジェットをうまく受け、水中に浮かんでバランスを取ると、インナーマッスルに効いている感覚があります。強力だからこそ様々な応用が可能です。自分なりの楽しみ方を探してみては?
写真:毎川 直也
地図を見る矢向湯はサウナがあり、入館時に追加料金200円を支払うことで利用できます。その際に受け取るタオルを身に着けることが入室のルールです。温度は95度設定で、体感としては一般的なサウナより熱さを感じられます。ヒーター前に丸太の椅子が置かれ、熱を求めるかたにとって、特等席となっています。サウナは人数制限を行っています。利用状況についてはお問い合わせください。
写真:毎川 直也
地図を見るサウナのすぐ隣には水風呂が。19.3度の源泉を加温せず湯船に注いでいます。バイブラで均一に冷えたこの湯船、サウナ後の入浴はもちろん、温泉好きにもオススメです。主浴槽の温泉との肌触りを比べてみてください。
写真:毎川 直也
地図を見る超強力なジェットバス、そして電気風呂、熱めに設定されたサウナと、なぜどれも強めの設定なのか。その理由はかつて、この地域が工業地帯だったころ、肉体労働で疲れた人々を癒すためです。いまでは工場はマンションや住宅街へ姿を変えましたが、その時の思いは今も矢向湯の強めの設定に残っています。その歴史を感じながら、温泉に身を沈めてみてください。
住所:神奈川県横浜市鶴見区矢向5-3-19
電話番号:045-581-1153
営業時間:14:00〜23:00
定休日:不定休
許可を得て撮影しております。営業中の脱衣場、浴室の撮影は厳禁です。
2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
毎川 直也
風呂デューサーを名乗り活動しております、毎川直也と申します。大学時代から銭湯、温泉巡りにはまり、約800軒の風呂に入りました。仕事もお風呂関係の仕事に就き、風呂にはいる側としてだけでなく、風呂を沸かす…
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索