京乙訓地域とは、桂川、宇治川、木津川が合流して淀川となるエリアの北西一帯の、長岡京市・向日市・大山崎町をまとめたエリアを指します。江戸時代の重要な幹線道路だった「西国街道」が、今も当時の面影を残しながらそれらの街中を通っています。
大山崎町には、1582年(天正10年)、羽柴(豊臣)秀吉と明智光秀が戦った山崎合戦で知られる天王山があります。
そして八幡市は、3つの川が合流した淀川を挟んで東側に広がるまちです。日本三大八幡宮の一つと称される「石清水八幡宮」や、宇治川と木津川の堤約1.4Kmに桜が咲く「背割堤」、映画のシーンなどでよく見かける「流れ橋」などで知られています。
このエリアには、由緒ある「旧家住宅」が点在しています。
向日市の西国街道沿いには、国登録有形文化財の「中小路家住宅」があります。幕末の1848年(弘化5年)に建てられ、維持されてきた建物で、上質なつくりの座敷を備えた大形民家です。喫茶コーナーもあり一息つける場所にもなっています。
<中小路家の住宅基本情報>
住所:京都府向日市上植野町下川原48
電話番号:075-921-2657
アクセス:阪急京都線「西向日」駅より徒歩8分、JR京都線「長岡京」駅より阪急バス「一文橋」駅下車徒歩3分
営業時間(喫茶部):10時〜17時(月、火、その他イベント開催日休み)
長岡京市の西国街道沿いに国登録有形文化財の「中野家住宅」があります。登録を受けた主屋と土蔵は江戸期末期、茶室は1951年(昭和26年)に建てられたものです。現在は「なかの邸」として、昼食、夕食も楽しめるスポットとなっています。
<なかの邸(中野家住宅)の基本情報>
住所:京都府長岡京市調子1-6-35
電話番号:075-959-2877
アクセス:阪急西山天王山駅から徒歩5分
営業時間11時半〜15時、18時〜22時要予約(日、月休み)
京阪本線石清水八幡宮駅から徒歩6分のところに、国の登録有形文化財の「大歌堂中村邸」があります。1917年(大正6年)頃に大阪道頓堀五座のひとつである弁天座の座主 尼野貴之氏の別邸として建てられた近代和風建築です。民泊施設として提供されているので、八幡市観光の時に、観光拠点として利用するのがおすすめです。
<大歌堂中村邸の基本情報>
住所:京都府八幡市八幡山柴52番地
電話番号:075-982-6907
アクセス:京阪本線石清水八幡宮駅から徒歩6分
宿泊:
・チェックインは15時〜18時、チェックアウトは11時まで
・禁煙で、ペットお断り
・最大4名様まで宿泊可、13歳以上
このエリアは、歴史と自然にあふれていて、街巡りの途中に美しい風景を楽しむことができます。
八幡市の松花堂庭園は、石清水八幡宮の社僧で江戸時代「寛永の三筆」と称された松花堂昭乗ゆかりの庭園で、国の名勝にも指定されています。四季を通じて、梅や桜、新緑、紫陽花、紅葉の風景とともに、40種類を超える竹や笹、300本を超える椿などの景色が広がり、歴史と自然をゆっくりと楽しめる場所です。
<松花堂庭園・美術館の基本情報>
住所:京都府八幡市八幡女郎花43番地の1
電話番号:075-981-0010
アクセス:京阪 樟葉駅、又は石清水八幡宮駅より京阪バス、JR松井山手駅より京阪バス「大芝・松花堂前」下車すぐ
開館・問合せ時間:9:00〜17:00(月曜日休館)
松花堂庭園の西側、西車塚古墳の上に、鎌倉時代に石清水八幡宮がある男山に創建された仏堂の「八角堂」があります。1607年(慶長12年)に豊臣秀頼が再建したと伝えられていて、1870年(明治3年)にこの地に移されました。鮮やかな朱色が目を引きます。松花堂庭園訪問の際に、ぜひ訪れてください。
<八角堂の基本情報>
住所:京都府八幡市八幡大芝33番地
電話番号:075-972-2580(八幡市文化財保護課)
アクセス:京阪 樟葉駅、又は石清水八幡宮駅より京阪バス、JR松井山手駅より京阪バス「大芝・松花堂前」下車、北へ徒歩約3分
長岡京市の勝竜寺城公園は、明智光秀の三女・玉(後のガラシャ夫人)が細川忠興公に御輿入れされた城跡にできた公園で、「日本の歴史公園100選」にも選ばれています。広々とした公園内には、多くの木々が植えられ、遊歩道などもあり、北門には当時の石垣が残されたままです。2020年NHK大河ドラマ「麒麟がくる」のファンなら見逃せない場所です。
<勝竜寺城公園の基本情報>
住所:京都府長岡京市勝竜寺13-1
電話番号:075-955-9515(長岡京市商工観光課)
アクセス:JR長岡京駅から徒歩10分 、阪急長岡天神駅、西山天王山駅から徒歩約20分
このエリアには、様々な時代背景を映した「茶室」が存在しています。歴史を感じながら「名茶室巡り」もしてみましょう。
大山崎町の西国街道近く、JR京都線山崎駅前の「妙喜庵」に国宝三茶室に数えられている「待庵」があります。山崎合戦のときに、ここ山崎の地に千利休が二畳隅炉の茶室を作り、陣中の苦労を慰めたと伝えられています。その後、その茶室が、ここ妙喜庵に移されていて、現存する茶室建造物としては日本最古のものです。
<妙喜庵の基本情報>
住所:京都府乙訓郡大山崎町大山崎竜光56
電話番号:075-956-0103
アクセス:JR京都線「山崎」駅下車すぐ、阪急京都線「大山崎」駅下車、徒歩5分
なお拝観は、往復はがきによる申し込み制です。(1か月以上前に往復はがきにて申込み。複数の候補日を記載。拝観時間の指定は不可。高校生以下は拝観不可。志納1,000円、休:月、水曜、12月下旬〜1月中旬)
※2020年3月11日(水)〜 当面の間拝観を休止しています。
西国街道沿いのなかの邸(中野家住宅)の庭に、昭和に建てられた「茶室(皎庵)」があります。茶室建築で、常に新しい試みや創意工夫で知られている九代目北村傳兵衛の設計製作で、天井の段差や照明など、様々な工夫が凝らされている茶室です。
八幡市の松花堂庭園内には松隠、竹隠、梅隠の3つの茶室があります。建てられたのは昭和の時代ですが、「松隠」は、江戸初期の大名茶人「小堀遠州」が造ったといわれる茶室「閑雲軒」を古図に基づき再現したもので、「梅隠」は、利休の孫、千宗旦好みの四畳半茶室として、建てられています。
このエリアで、ちょっと一息つける食事処はたくさんあります。
八幡市では、「朝日屋」がおすすめです。朝日屋は、京阪本線石清水八幡宮駅前にある創業100年以上の歴史あるお店で、名物料理は、鯖の棒寿司です。また天ぷらも絶品です。
<朝日屋の基本情報>
住所:京都府八幡市八幡高坊11-4
電話番号:.075-981-3202
アクセス:京阪本線石清水八幡宮駅を出て、ケーブル乗り場方面へ、徒歩10秒
乙訓エリアでは長岡京市のなかの邸(中野家住宅)での食事がおすすめです。落ち着いた旧家で、美しく作られた庭を眺めながらランチとディナーの食事を楽しめます。
営業時間は、 11時半〜15時、18時〜22時 要予約(日、月休み)
京乙訓地域・八幡市エリアには、豊かな自然と、歴史あふれる史跡、寺社仏閣、建物、庭園、公園、そして、美味しい食事処がいっぱいあります。
宿泊しての街巡りがおすすめです、それぞれのエリアの観光スポットをゆっくりと、じっくりと見学して、ワンランクアップした「京都通」になってみませんか?
2020年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
取材協力:乙訓・八幡広域観光連絡協議会
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