写真:モノホシ ダン
地図を見る鶉野飛行場跡への最寄り駅となるのが、兵庫県南西部を走るローカル線「北条鉄道」の法華口(ほっけぐち)駅です。法華口駅から、紫電改の実物大模型がある鶉野飛行場跡北側の防災備蓄倉庫までは、片道約3km、往復約90分のハイキングとなります。
法華口駅舎内には、駅舎パン工房「モンファボリ」があって、地元の米粉を使った米粉パンを販売しています。パンは駅舎内の待合室のイートインスペースでいただくことができます。ハイキングの前にちょっとした腹ごしらえをしてみてはいかがでしょうか。
<法華口駅の基本情報>
住所:兵庫県加西市東笠原町240-5
電話番号:0790-20-7368
営業時間:10:00〜16:00
定休日:月曜日・金曜日
アクセス:北条鉄道 北条町駅から約12分 粟生駅から約9分
写真:モノホシ ダン
地図を見る法華口駅には、「紫電改実物大模型 公開会場への案内マップ」があって、マップを片手に歩いて行きましょう。
最初に現れる戦争遺構が、姫路海軍航空隊基地跡の「爆弾庫跡」です。高角砲弾や戦闘機の機銃弾・爆弾等の保管場所として使用されました。
コンクリートの厚みは、天井1メートル、壁70センチもあり、1トン爆弾の直撃にも耐える構造といわれています。前面には爆風から貯蔵品を守るための土堤が設けられています。
写真:モノホシ ダン
地図を見るついで現れる戦争遺構が、「防空壕跡」です。コンクリートで造られた強固な退避壕で、この前に衛兵詰所と面会所がありました。空襲時には、詰所勤務の兵隊と、面会者の退避に使われていました。
内部構造は、爆風を和らげるために複雑になっていて、2箇所の出入口でつながっています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る「防空壕跡」の前には、姫路海軍航空隊の門柱と衛兵詰所跡があります。姫路海軍航空隊は、1943年(昭和18年)10月に開隊し、1945年(昭和20年)5月に閉隊しました。
その後、姫路航空基地として存在し、終戦後の同年10月にはアメリカ軍が進駐しました。門柱と衛兵詰所は、2018年(平成30年)に再建されたものです。ここには、トイレと綺麗な花壇もありますのでハイキングで一息入れましょう。
写真:モノホシ ダン
地図を見る門柱と衛兵詰所から約5分ほど歩いたところにあるのが、「巨大防空壕跡」。長さ14.5メートル、幅5メートル、高さ5メートルの内部空間があり、基地内最大のコンクリート製防空壕です。
空襲などにより電力会社からの供給が止まった時に備えて、自家発電機室として使用されました。高温、騒音のために天井を高くし、換気、吸気に配慮した構造になっています。外部は土を盛り、あたかも小山のようにカモフラージュされていました。
写真:モノホシ ダン
地図を見る鶉野飛行場跡は、優秀なパイロットを養成するため、1943年(昭和18年)に完成。完成時の滑走路は、全長は1200メートル、幅60メートルで、現在は道路などによって分断されていますが、なお多くの部分が当時のまま残されていて、貴重な戦争遺構として史実を今に伝えています。
滑走路の跡地には、「鶉野平和祈念の碑苑」があります。戦局の悪化とともに、姫路海軍航空隊にも特攻隊が編成されました。神風特別攻撃隊「白鷺(はくろ)隊」で、5回の出撃で、21機の飛行機と63名の若者たちが、沖縄の空に散っていきました。
平和祈念の碑は、1999年(平成11年)に建立されたもので、碑には戦死者の名前などが記されています。また、毎年10月の第1日曜日には、亡くなった隊員たちを偲び、平和の式典が行われています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る「紫電改」の実物大模型が展示されているのは、鶉野飛行場跡の北側の防災備蓄倉庫です。紫電改の実物大模型としては、日本唯一のもので、当時の写真や機体の説明書をもとに約2年かけて作られ、2019年(令和元年)6月から一般公開がスタートしました。
公開日は、毎月第1・第3日曜日の10時から15時までです。シャッター越しの見学は常時可能です。なお、公開日であっても諸事情により変更となる場合がありますので、関連MEMOの鶉野飛行場資料館のホームページでご確認ください。
写真:モノホシ ダン
地図を見る模型は、全長約9メートル、幅約12メートルで、コックピット内部の計器まで忠実に再現されています。紫電改は、強力なエンジンと防弾装備、武装は20ミリ機関砲を4門搭載していて、優秀なアメリカ軍の戦闘機と互角に渡り合うことができました。
なお、局地戦闘機の「紫電」とその改良型の「紫電改」を製造していたのは、航空機メーカーの川西航空機(現在の新明和工業)です。鶉野飛行場の西南にある川西航空機姫路製作所鶉野工場では、終戦時まで紫電・紫電改など500機余りの戦闘機を生産しました。
なお“局地戦闘機”とは、要撃機や要撃戦闘機、防空戦闘機のことをいいます。
写真:モノホシ ダン
地図を見る今に伝わる「紫電改」“最強伝説”のもとになったのが、1944年(昭和19年)12月に、各航空隊のエースパイロットを集めて四国・松山基地で開隊した日本海軍の航空隊「第三四三海軍航空隊(剣部隊)」です。
目的は、本土上空の制空権奪回のためで、紫電改を主力戦闘機とし、終戦までわずか半年余りの活躍でしたが、敵機約170機を落とすという戦果をあげました。一方、自らの損害は戦死・未帰還を含めて約80名でした。
ほかに注目スポットとしては、鶉野飛行場跡で航空機を隠すために使われた無蓋掩体壕で、2020年(令和2年)春の展示を予定している「SNJ」が。1930年代にアメリカのノースアメリカン社で開発され、世界40ヶ国で使用された傑作練習機です。海軍名は、SNJで、空軍名ではT−6「テキサン」と呼ばれています。
日本では、戦後、航空自衛隊と海上自衛隊に約200機が供与され、この機体は、鹿児島県鹿屋市の海上自衛隊「鹿屋航空基地資料館」に展示されていたもので、加西市防衛協会に貸与されたものです。
写真:モノホシ ダン
地図を見る「SNJ」は、練習機の役目を終えたのちに、銀幕デビューを果たします。真珠湾攻撃を描いた日米合作映画『トラ・トラ・トラ!』(1970)では、ゼロ戦役で出演。その後も、多くの戦争映画に使われています。
写真は、「鶉野平和祈念の碑苑保存会」のメンバーによって塗装作業が進むSNJの様子です。紫電改の見学と合わせて訪れてみましょう。
写真:モノホシ ダン
地図を見る無蓋掩体壕の隣には、「機銃座」があります。ここには、飛行場や軍事施設に低空から侵入してくる敵戦闘機に対し、射撃する対空用機銃が設置されていました。第二次世界大戦時には、鶉野飛行場周辺に5箇所設置され、現在は4箇所が当時のままで残されています。
写真は、映画『男たちの大和』(2005)の撮影に使用された96式25ミリ対空機銃の実物大の模型。
写真:モノホシ ダン
地図を見る鶉野飛行場跡周辺のランチスポットとしては、鶉野飛行場資料館の隣にある「cafe de 70」が。白い暖簾が目印の古民家カフェです。
写真:モノホシ ダン
地図を見るおすすめは、ボリューム満点の「日替わりランチ」(990円税込)。ランチはコーヒー付きで、長崎県の波佐見焼のカップでいただけます。
写真:モノホシ ダン
地図を見るほかに店内奥には、紫電改や大和の模型もあります。ランチと一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
<cafe de 70の基本情報>
住所:兵庫県加西市鶉野町2193
電話番号:0790-20-1233
営業時間:8:00〜17:00
定休日:水曜日・第2木曜日
アクセス:北条鉄道 法華口駅より徒歩約40分
住所:兵庫県加西市鶉野町
電話番号:0790-42-8715(加西市観光まちづくり協会)
アクセス:北条鉄道「法華口駅」より徒歩約45分
2020年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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